米バイデン政権は、3Dプリンターで自作された銃の普及を食い止める新たな措置を講じることを発表しました。同政権は「米全土での銃を使った暴力がはびこり、国際的にも恥ずべきことだ」として銃規制を打ち出していましたが、その新たな一手となります。
米司法省は「幽霊銃(Ghost Gun)」の販売と流通を制限する複数の措置を盛り込んだ最終規則を発表しました。これには連邦政府から認可を受けたディーラーや銃製造業者が、顧客に販売する前に(3Dプリント銃など)刻印のない銃器にシリアル番号を付けるのを義務づけることも含まれています。つまり自宅で銃を3Dプリンターで“印刷”しても、誰が作ったか追跡可能にしなければ売ることはできなくなります。
すでに銃が氾らんしている米国ですが、特に3Dプリンター製銃が問題視されているのは「誰が作ったか、追跡して突き止められない」ため。未登録で出処が不明のため「幽霊銃」と呼ばれているわけです。追跡不能な自家製銃が犯罪で使われている現実もあり、銃を取り締まる連邦当局はロサンジェルスで押収した銃の4割以上が「幽霊銃」だったと発表していました。
米国では、3Dプリントされた自家製銃の規制をめぐって一進一退の攻防が繰り広げられてきました。2018年にはDefense Distributed社の3Dプリント銃をめぐる裁判につき、トランプ政権(当時)の国務省は合法的だと認める和解に達したものの、ワシントン州は憲法違反と手続き違反の疑いがあると連邦政府を訴え、禁止を勝ち取っています。
こうした規則があっても、個人や闇市場業者が3Dプリントした銃を作ったり売買したりすることは止められないはず。ですが、ライセンスを持つ業者が店に持ち込ませないようにするだけでも、少しは効果があるのかもしれません。
Source:The White House
via:Engadget