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2022/5/10 6:45

50語に達するボキャブラリー!「キノコ」は人間のように会話している

キノコは電気信号を送ることで会話している。そんな驚きのニュースがイギリスから飛び込んできました。しかも、キノコのコミュニケーション方法は人間のそれとよく似ているとか。どういうことでしょうか?

↑「あそこに良い場所を発見!」「ラジャー!」

 

これまでの研究で、さまざまな植物が電気信号を発していることがわかっています。これはキノコにも当てはまり、キノコの細胞は糸状に集まった「菌糸」と呼ばれる部分から電気信号を発していると見られています。では、キノコ同士が発信する電気信号は人間の会話と共通するところがあるのでしょうか? そんな疑問に対する答えを探るべく、西イングランド大学の研究チームが、キノコの会話のメカニズムを調べることにしたのです。

 

研究チームは4種のキノコを使い、菌糸部分に電極を挿入して電気信号を解析。電気信号が瞬時に上昇する「スパイク」の持続時間やそのパターンについて調べました。

 

その結果、スパイクの持続時間や振り幅に、キノコの種類ごとに異なるパターンが記録されたのです。さらに、そのスパイクの長さなどからグループ分けしていくと、キノコの語彙は最大で50語に達していることが判明。そのうち、よく使われるのは15~20個。長いボキャブラリーほど使われる回数は減っていることもわかりました。人間の言葉でも、長い言葉はあまり使われにくく、その傾向は人間の会話と共通するようなのです。

 

「キノコ語」の意味

では、なぜキノコはこのような会話をしているのでしょうか? この研究を行った教授は「オオカミの遠吠えのように、群れの和を保つ役割があるのではないか」と推測しています。実際、木に寄生するキノコでは、木に接触すると電気信号を強く発する現象が観察されているそう。つまり、菌糸を虫などから守る物質や誘引物質に関する情報を、電気信号で仲間たちに伝えている可能性があるのです。

 

動物は鳴き声で仲間に危険を知らせたりするものですが、キノコは言葉や声ではなく、電気信号を使って、仲間たちと会話しているのかもしれません。専門家の間では今回の発見を言語として解釈することに対して慎重な意見もあり、さらなる研究が必要。しかし、植物にはまだまだたくさんの不思議が隠されているようです。

 

【出典】Adamatzky Andrew. 2022. Language of fungi derived from their electrical spiking activity. Royal Society Open Science9211926211926. http://doi.org/10.1098/rsos.211926

 

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