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2022/6/10 21:15

不満が爆発! ロサンゼルスの生活満足度が過去最低に

たくさんのハリウッドセレブが暮らす高級住宅街や、美しいビーチがあるロサンゼルス。アメリカではニューヨークに次ぐ大都市で、憧れの地というイメージを持つ人も少なくないかもしれません。しかし、実際にロサンゼルスに住んでいる人は、そこでの暮らしに不満だらけのようです。一体なぜでしょうか?

↑ロサンゼルスの生活も大変らしい

 

ロサンゼルスの生活満足度が低いことは、ロサンゼルスの住民1400人に行われた調査「QLI(クオリティー・オブ・ライフ・インデックス)」で判明。これは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ラスキン公共政策大学院が2016年から行っており、住民への調査結果をもとに、生活費・教育・治安など9つの項目を10~100のスコアで評価し、暮らしの満足度を明らかにします。

 

2022年3月に行われた最新の結果で、ロサンゼルスは総合評価が53。前年の58から低下し、この調査を行っている7年間で過去最低のスコアになりました。9項目すべてでスコアが下がり、そのうち8項目は過去最低を記録。主な各項目の結果は以下のとおりです。

 

・生活費: 39(2021年: 45)

・治安: 56(2021年: 60)

・交通: 51(2021年: 56)

・雇用・経済: 56(2021年: 60)

・教育: 46(2021年: 48)

スコアの低下で気になるのは、生活費・治安・教育の3項目。現在、アメリカではインフレが進んでおり、スーパーで販売されている食料品はもちろん、ガソリン価格、公共料金など、あらゆるものの価格が上昇しています。しかもロシアのウクライナ侵攻により、ここ数か月でこの傾向が加速。これがロサンゼルスの生活費に影響したようです。

 

また、インフレによって暴力的な犯罪や財産を狙った犯罪が増加しており、それにより治安のスコア低下が見られたようです。

 

新型コロナウイルスの影響が最も長引いているのは教育分野。2022年の調査時点では、ほとんどの子どもたちは対面授業に戻っていますが、パンデミック期間にリモート授業が行われたことからその影響を心配する親が多くいるようです。特に仕事をしている親は、子どもがリモート授業になったことで負担が増し、「再びリモート授業になったら」という心配があるのかもしれません。

 

ロサンゼルスがあるカリフォルニア州では近年、気候変動が原因とみられる大規模な山火事や深刻な干ばつが起きています。しかも過去2年間はコロナ禍でしたが、それにも関わらず、これまでの調査の総合評価は56~59と安定していたそう。しかし2022年になって、まるでダムが決壊したようにスコアが下落。生活費の高騰や治安面や教育面の不安など、人々の生活を取り巻くさまざまなマイナス要因が重なり、人々の不満が積もってきているようです。

 

新型コロナウイルスやウクライナ侵攻などの予期せぬ大きな出来事が続いている中、ロサンゼルスに限らず、それは確実に人々の暮らしに影を落としているのかもしれません。