「起業したい」「独立して成功したい」と考えているなら、その素質が自分にあるのかどうか知りたくありませんか? 欧州の研究者が男性の顔の特徴を分析した結果、起業家の顔に2つの特徴があることがわかりました。
キプロス大学の研究チームは、起業家になる可能性や成功するチャンスが、人の顔に表れているかを研究しました。そこで世界最大のスタートアップ企業のデータベースと言われる「クランチベース」に登録されている起業家と、起業家以外の人の顔写真のサンプルを用いて、顔分析ソフトで解析を行いました。解析は、主に以下の3つのポイントで行われました。
・顔の横幅と長さの比率
・頬骨の隆起度合
・顔の左右対称性
この結果、顔の横幅と長さの比率は起業家に共通する特徴とは言えませんでした。しかし頬骨が隆起していて左右対称であることは、起業家の特徴として多いことが明らかとなったのです。
今回の解析で使われたデータは、主にアメリカ在住の白人男性が中心。これは、テスラや宇宙開発企業スペースXの創設者で、世界長者番付1位に輝いたイーロン・マスクにも当てはまる特徴。確かにイーロン・マスクは頬骨が出ているところが特徴的で、左右対称性も高いです。同様に、イギリスの実業家でヴァージン・グループの創設者であるリチャード・ブランソンにも該当します。
顔と成功は別
しかし、もし自分の顔は頬骨が出ていて、左右対称であったとしても、「起業家に向いている!」と喜ぶのは早過ぎます。今回の研究で、上記の特徴とビジネスの業績に関連性はないことがわかりました。つまり、起業家に多く見られる顔だからといって、必ずしもビジネスで成功するとは限りません。この研究チームは「起業において顔の外見的特徴はリーダーの出現と関連しているが、その後のビジネスパフォーマンスとは関連性はない」と結論づけています。
【出典】Dimosthenis Stefanidis, Nicos Nicolaou, Sylvia P. Charitonos, George Pallis, Marios Dikaiakos, What’s in a face? Facial appearance associated with emergence but not success in entrepreneurship, The Leadership Quarterly, Volume 33, Issue 2, 2022, 101597, ISSN 1048-9843, https://doi.org/10.1016/j.leaqua.2021.101597.