7月4日、東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出することについて、国際原子力機関は日本の計画が国際基準に合致していると報告しました。この判断を巡り、国内外ではさまざまな意見が出ていますが、そもそも私たち一人ひとりはどれくらいのエネルギーを使いながら生活しているのでしょうか? 海外と比べながら見てみましょう。
【一人当たりのエネルギー消費量(1965〜2021年)】
Our World in Dataによると、2021年における日本の一人当たりのエネルギー消費量(※)は3万9545キロワットアワーとのこと。これは欧州とほぼ同じです。アジア諸国や世界の消費量が2万キロワットアワー前後なので、日本と欧州はその2倍程度となります。しかし日本と欧州、北米の3地域の消費量は、ピークの時期はそれぞれ異なるものの、緩やかに減少しているようです(北米は1980年頃、欧州は1990年頃、日本は2010年の前から減少傾向が始まっています)。
※電力だけでなく、交通や暖房、調理などで使うエネルギー消費も含まれる
一方、中国は右肩上がりを続けており、2021年には3万キロワットアワーを突破。日本と欧州のレベルに迫りつつあります。米国を含む北米のエネルギー消費量は突出しており、2021年は5万3945キロワットアワーになりました。
全体的に見れば、1965年以降、世界各国のエネルギー消費量は増えています。私たちの生活はエネルギー(特に石油)を使えば使うほど、物質的にはより豊かになりました。しかし現在、世界各地でエネルギー危機が起きていると同時に、グリーンエネルギーへの移行が急速に進められています。これからのエネルギーの使い方、消費量、そして私たちの生活は、従来と大きく変わるかもしれません。
【出典】
Hannah Ritchie, Max Roser and Pablo Rosado (2022) – “Energy”. Published online at OurWorldInData.org. Retrieved from: ‘https://ourworldindata.org/energy‘ [Online Resource]