ツイッターの名称を「X」にして、全アカウントを有料化することを示唆したり、なにかと話題になっているイーロン・マスク。そんな彼が設立した脳インプラント企業「ニューラリンク」が、脳にチップを実際に埋め込む人体実験のボランティアを募集しています。
ニューラインクが開発を進めているのは、人の脳に埋め込む超小型デバイス。例えば、身体が麻痺したり不随になったりした人の脳に埋め込んで、自分の意思で身体を動かせるように支援するというのです。
ただ、人の脳にそんなデバイスを埋め込むことには、高い技術が必要なうえ、安全性への懸念や倫理的な課題もあり、これまでにも賛否両論が巻き起こってきました。しかし同社は先日、米国食品医薬品局(FDA)から人体を使った臨床試験を始めるための承認を得たと発表。晴れて脳内にチップを埋め込むボランティアを募集しているのです。
同社によると、募集しているのは22歳以上の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者で、信頼できる介護者がいる人。ボランティアには複数年にわたって脳にチップを埋め込み、同社スタッフからの訪問などを受けていくそうです。
これまでサルなどの動物を使った実験を行ってきた同社。ただし、マスク氏が臨床実験を急いだことから、必要以上に多くの動物を死に至らしめたことも報道されています。開発できれば革命的な技術になることは間違いないものの、その道はまだまだ険しそうです。
【主な参考記事】
Forbes. Elon Musk’s Neuralink Wants Volunteers For First Human Trial Of Its Brain Implant Chip. September 19 2023