ネズミはミニカーの運転を楽しんでいて、ドライブに喜びすら感じている……。ネズミとミニカーを使った実験を約5年前から行っている米国の研究者が、そんな意外な発見をしました。
神経科学を専門とする、リッチモンド大学のケリー・ランバート教授。彼女の研究チームは、動物と環境の関係や、動物の認知の発達方法などを研究しています。
そんな研究の一環で、同教授は2019年にネズミを使った実験を導入しました。ネズミにちょうどいいサイズのミニカーを用意して、ネズミに運転のトレーニングを実施。ネズミが運転技術をどうやって身につけていくかといったことを研究しています。
そんなネズミを使った実験のなかで、運転のトレーニングを行った3匹のネズミは、「散歩に行きたいかと聞くと、犬のように、ケージのまわりを走って飛び跳ねた」というのです。
トレーニングでは、ミニカーの運転をするとエサを与えて、ネズミがアクセルを踏むように促して行いました。そのため、ネズミは「運転→エサ」と理解し、ご褒美を求めて運転をしたいという姿勢を示したのかもしれません(行動心理学的には、エサが刺激となって、ネズミが自発的に運転をするようになったと説明できます)。
しかしランバート教授は、このネズミたちは運転後にエサを与えなくても、ミニカーの運転をしたがっていたことに気づいたと言います。自らミニカーに乗り込んでエンジンをまわすこともあったそうです。
ランバート教授は、このネズミの行動について「計画して、予想して、楽しむということが、健康な脳の鍵かもしれないということを思い出させてくれる」とコメントしています。
【主な参考記事】
New York Post. Scientists teach rats to drive tiny cars and ‘unexpectedly’ discover the rodents enjoy revving their engines. November 17 2024