雑貨・日用品
2019/1/23 20:10

花王が社運を賭けて売り出す洗剤とは? 3つの“革新”を備えた次世代型洗剤「アタックZERO」

花王は、新たな洗浄基材「バイオIOS」を採用した超コンパクトタイプの衣料用液体洗剤「アタックZERO」を4月1日に発売します。ラインナップは、通常の洗濯用に加え、同社初となる「ドラム式専用」タイプの2種類を用意。それぞれボトルタイプと、片手でも軽量しやすいワンハンドプッシュタイプのふたつの形状から選べます。

↑「アタックZERO」のラインナップ

 

花王が社運を賭けて売り出す新洗剤「アタックZERO」は、いったいどこがスゴイのでしょうか? その3つの革新ポイントを説明していきましょう。

 

革新その1.高い洗浄力とエコを両立した新洗浄基材を採用

「アタックZERO」は、花王が新たに開発した洗浄基材「バイオIOS」を主成分としていることが特徴。バイオIOSは、非常に高い水溶性を有しながら、油になじみやすい性質を併せ持つユニークな界面活性剤。アブラヤシの実から食用パーム油を採取する際の搾りカスを原料としており、サステナブルな洗浄基材として注目を集めています。また、将来的には藻類から取れる油脂に代用することが見込めるとのこと。

 

このバイオIOSにより、「落ちにくい汚れ」ゼロ、「生乾き臭」ゼロ、「洗剤残り」ゼロの“ゼロ洗浄”を実現。洗濯を繰り返すことで効果がアップし、これまで落とし切れていなかった汚れまで落として衣類をよみがえらせます。

 

発表会の会場では、その洗浄力を様々な方法で実験していましたが、わかりやすくまとめられた動画がYouTubeにアップされていますので、ぜひそちらをご覧ください。

 

革新その2.初のドラム式洗濯機専用タイプをラインナップ

花王初となる「ドラム式専用」タイプは、ドラム式洗濯機特有の少ない水でのたたき洗いに最適な「節水対応ポリマー」をリッチに配合。少ない水の中でも、衣類から落ちた汚れを再び付着させない“再汚染防止”を可能にしています。

 

同社の調査によれば、ドラム式は国内の家庭用洗濯機の約2割を占めていますが、優れた節水性能や乾燥まで一気に行える利便性が評価されている反面、洗い上がりのニオイや黒ずみが気になるというユーザーの声があったとのこと。使用する水量が少ないドラム式洗濯機でもしっかり汚れを落とし、洗い上がりのニオイや黒ずみを防ぐために、落とした汚れの再付着を防ぐ「節水対応ポリマー」をリッチに配合したドラム式専用の洗剤が開発されました。

 

革新その3.誰でも簡単に軽量できる新形状ボトルを開発

アタックZEROの発売に合わせ開発された「ワンハンドプッシュ」ボトルは、霧吹きのような形状で、片手で持ってプッシュするだけで簡単に軽量・投入ができるというもの。プッシュ回数を変えることで、洗濯物の量に応じて簡単に洗剤量を調整できます。例えば、洗濯量が少ないときは2プッシュ、多めのときは5プッシュ、というように自由に調整できます。

 

液体洗剤といえば、従来のキャップ計量タイプでは液ダレによるべとつきが悩みでしたが、新開発のワンハンドプッシュボトルは噴射口の形状を工夫することにより液切れがよく液ダレしにくいように設計されているとのこと。お子さんやシニアの方など、誰でも使いやすいユニバーサルデザインなのもうれしいですね。

 

花王が総力を挙げて開発した技術を製品化

発表会に登壇した花王の澤田道隆社長は、「洗浄基材『バイオIOS』は、花王グループが総力を挙げ、10年以上かけて開発したもの。2018年に発表した5つの技術イノベーションのひとつであり、その製品化第1弾として『アタックZERO』が開発された。今後、この『アタックZERO』で洗浄分野にイノベーションを起こしたい」と、同製品にかける意気込みを語っていました。

↑花王の代表取締役社長・澤田道隆氏

 

アタックは、1987年の発売以来31年の歴史を誇る同社の看板ブランド。2009年には超コンパクトタイプで“すすぎ1回”を実現した「アタックNeo」を発売していましたが、今回の「アタックZERO」はそれに代わる次世代型の主力商品に位置付けられています。2019年4月の発売から同年12月までに300億円の売上を目指すとのことで、同社がいかにこの「アタックZERO」に力を入れているかがわかりますね。

 

「アタックZERO」の発売に合わせロゴも刷新され、従来のカナ表記から英語表記を前面に出したグローバルなイメージを打ち出します。なお、現行の「アタックNeo」シリーズは3月末を持って廃止になるとのこと。

 

花王が社運を賭けて売り出す次世代型の衣料用液体洗剤「アタックZERO」は、これまでにない性能を備えた革新的な製品といえそうです。洗剤好きな筆者としては、いまから発売が楽しみ! 発表会では発売前の製品がお土産として配られたので、ぜひ使用感などをレポートしたいと思います。お楽しみに!

↑左からファブリックケア事業部長・中尾良雄氏、代表取締役社長・澤田道隆氏、ハウスホールド研究所長・岡野哲也氏