ここでピックアップしたのは、一度は見たことのある一般的な日用品。そんな毎日使うものこそ、性質を隅々まで知っておきたいーーそこで、徹底した“重箱の隅テスト”で、様々な角度から検証してみました。本記事では、食品の保存やレンジ調理など、便利で使用頻度も高いフードラップを5段階評価で調べてみました。材質によって密着度や強度・耐熱性などに差が出ました。
【試した人】
【テスト項目】
①切りやすさ
ラップを引き出してみて、刃の切れ具合を確認。同じ作業を5回繰り返し、キレイに切れるかをチェック。
②密着性
コップの中にコーヒーを入れ、ラップをかけ5秒間真逆にし密着度を確認。ラップを換えて3回行いました。
③耐熱性
レトルトご飯を入れた皿にぴったりとラップをして、電子レンジで1分間。剥がれやすさを確認。
ハリとコシが弱い、やや薄手の素材感は短期保存向き
日立化成
抗菌日立ラップ(家庭用)
実売価格108円(30cm×20m)
独自開発した無機抗菌剤を配合により、雑菌の繁殖を抑制することが可能。ラップに付着した雑菌は、24時間でほとんどが低減します。
①切りやすさ…4
薄めのため、それほど力を入れずに切れました。ただ、引っ張った手元側のラップ同士が多少くっつきます。
②密着性…5
薄手で非常に伸びがよく、容器に密着しやすいのが特徴。3回とも、どの部分にも漏れがありませんでした。
③耐熱性…3
吸着力が抜群に強く、加熱前後を問わず、しっかりと張り付きます。むしろ、少々剥がしづらいかも。
【総評】
ほかの製品に比べてハリとコシが弱く、生地が薄め。ただ、それが利点でもあり、比較的力を入れなくても切ることができました。カップへの密着度も高かったです。
ハリがあり、切れ味もイイからストレスフリー
旭化成
ホームプロダクツ サランラップ
実売価格161円(30cm×20m)
軽い力でスパッと切れるM字型の刃を備えています。酸素ガスを通さず、肉の鮮度を保ちます。水みずしさも保ち、野菜が新鮮なまま保存可能。
①切りやすさ…5
独自のM字型の刃は切れ味がとても良好。5回中5回とも、キレイにパリッと切れました。
②密着性…3
3回検証したうち2回、1か所から約1適分漏れました。ハリがあるため、わずかな隙間ができやすい印象。
③耐熱性…4
3製品のなかで最もハリがあり、剥がすのがラク。ただ、容器から剥がすときに裂けがちでした。
【総評】
密着度と耐熱性で少し見劣りする結果に。しかし、切りやすさは抜群で、食器や食べ物にラップを巻くときのわずらわしさはまったくありません。
コシのある素材感が利点でも欠点でもある
クレハ
NEWクレラップ
実売価格162円(30cm×20m)
水蒸気や酸素を通しにくく、食材の鮮度を保てる丈夫な素材を使用。握りやすいパッケージも特徴です。
①切りやすさ…4
凹凸が施されたパッケージが握りやすかったです。ラップにコシがあり丈夫なせいで、5回中1回だけ失敗。
①密着性…4
3回中1回だけ、容器の2か所からわずかにコーヒーが漏れました。とはいえ、汁物でもほぼ安心できます。
②耐熱性…5
③厚めでハリも抜群のため、加熱後もすんなり剥がれました。剥がしたラップも比較的キレイな状態。
【総評】
簡単にカットできる刃の威力は抜群ですが、切れすぎるのか、たまに裂けてしまいます。ハリが強いため、密着時に少し隙間ができやすかった。
文/加藤寿紀 撮影/我妻慶一