新型コロナウイルスの感染拡大による自粛ムードのなか、ホームセンターがにわかに脚光を浴びている。ここでは、売上高が上位のホームセンターをピックアップし、その強みや最新の話題に迫る!
※こちらの記事は「GetNavi」 2020年11月号に掲載された記事を再編集したものです。
コロナ禍で見直されたホームセンターの魅力
この春、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出自粛が要請された。その最中、自宅を居心地の良い場所にしたいという需要が急増。その結果、自粛ムードのなかでも賑わいを見せたのがホームセンターだ(下図)。
ホームセンターが多くのファンから支持を得る理由は、なんといっても品揃えだろう。生活を豊かにする日用品からDIYツール、アウトドアギアまで、あらゆるものが手に入る。さらに、自社で開発をしたプライベートブランド(PB)商品も充実。コスパが高いのもホームセンターが愛される一因だ。
ズラリと並ぶ、魅力的な商品に心が躍るホームセンターは、まさにモノの“テーマパーク”。ここでは、ホームセンターを代表する各社の最新トピックをチェック!
今春の売上高は前年より大幅増!
緊急事態宣言下でも、ホームセンターの売上は好調だった。決算資料から、DCMホールディングス(3〜5月)とコメリ(4〜6月)の売上をチェック。それぞれ昨年同期よりもおよそ10%伸長しており、盛況ぶりをうかがわせた。
【No.1】コメリ
店舗数とPB商品が圧倒的! 全国型のホームセンター
ホームセンター業界でナンバーワンの店舗数を誇り、沖縄県を除く全国都道府県に1200店舗以上を展開。豊富な品揃えのなかでも、植物や園芸などのガーデニングアイテムが充実している。PB商品も精力的に開発。
●1号店開業:1977年 ●店舗数:1204店(9月4日時点) ●展開ブランド:コメリ ハード&グリーン、コメリ パワー、コメリ PRO、アテーナ
【TOPIC】感染拡大防止にも注力
「パワー白山店」で、ニューノーマルに対応したショッピングゾーンを開設。従来から資材や建材のドライブスルーサービスを行っていたが、テナント飲食店も導入し、感染防止に力を入れる。
【No.2】LIXILビバ
住まいと暮らしの専門店としてプロ向けのアイテムも展開
プロ事業者から一般生活者までの住生活に関わる商品を取り扱う。特に、「資材館」ではリフォーム業者のニーズに応えるアイテムを、ワンストップで提供する品揃えを誇る。「生活館」では暮らしを豊かにする商品を取り揃える。
●1号店開業:1977年 ●店舗数:102店(9月3日時点) ●展開ブランド: スーパービバホーム、ビバホーム、ヴィシーズ、ハウスデコ
【TOPIC】地域住民の安全を守る!
ビバホームでは、普段からの災害への備えとして「LCP」(Life Continuity Plan)を提案。災害時のライフラインストップによる二次災害に備えるためのアイテムを取り揃えている。
【No.3】コーナン商事
DIYアドバイザーが多数在籍。業態が豊富で海外進出も!
近畿地方を中心に店舗を展開。2016年からは海外にも進出している。DIYに力を入れ、「DIYアドバイザー」の資格を取得した従業員がおよそ1000人在籍する。工具や資材も充実し、建築業界の関係者にもファンが多い。
●1号店開業:1978年 ●店舗数:453店(2月29日時点) ●展開ブランド: コーナン、コーナンPRO、コーナン ホームストック
【TOPIC】キャンプ専門店がオープン!
9月4日に新業態「CAMP DEPOT」の1号店「CAMP DEPOT鳳東町店」がオープン。アウトドアの初心者から中級者をターゲットに、用具の販売だけでなく、体験の提供も目指す。
【No.4】ジョイフル本田
広大な店舗に圧倒的な品揃え! 店を歩くだけでも一日楽しめる
一店舗当たりの面積がとにかく広く、最も小さい「千葉店」ですら東京ドーム0.4個ぶんほど。日用品から建築資材、エンジン機械など、「手に入らないものはない」と言われるほどの圧倒的な品揃えだ。
●1号店開業:1976年 ●店舗数:21店(9月24日時点) ●展開ブランド:ジョイフル本田、本田屋、ペッツクローバー、など
【TOPIC】最大店舗がリニューアル!
東京ドーム5.1個ぶんの敷地をもつ最大店舗「ニューポートひたちなか店」が大幅リニューアル。バラバラだった売場構成を見直し、買い物しやすい店舗を目指す。映画館など、テナントも充実。
【No.5】カインズ
PB商品のクオリティが高く家族で楽しめるホムセン
PB商品の開発力に優れ、写真映えするスタイリッシュな日用品も多数展開。プロのインテリアコーディネーターからも高い評価を受ける。一部店舗では、深みのある味わいが特徴のコーヒーを提供する「CAFE BRICCO」などを展開し、食にも力を入れている。
●1号店開業:1978年 ●店舗数:224店(9月24日時点) ●展開ブランド: カインズ、Style Factory、C’z Pro
【TOPIC】7200品目が値下げ!
9月2日より「くらし応援値下げ宣言」を実施。新型コロナの拡大で広がる家計に対する不安解消を目的に、7200品目を値下げ。従来価格より、48%のプライスダウンするアイテムも。
【No.6】DCMホールディングス
エリアごとに異なるブランドで地域性に合ったショップを展開
全国35都道府県に店舗を展開。郊外型の超大型店から小型店まで、地域性に合った商品やサービスを展開している。PB商品「DCMブランド」にも注力し、自社のウェブサイトでは生活に役立つ情報を多数配信する。
●設立:2006年 ●店舗数:673店(6月29日時点) ●展開ブランド: DCMカーマ、DCMダイキ、DCMホーマック、DCMサンワ、DCMくろがねや、など
【TOPIC】中級者向けの工具が人気!
巣ごもり需要の影響で、初心者向けからステップアップした工具の人気が上昇中。サンダーや丸のこなど、より踏み込んだDIYができる工具にチャレンジしている人が増えているという。
■そのほかにも、各ホームセンターには様々なサービスが!
【知らなきゃ損する! ホームセンターのおトクなサービス】
★マイカーなしで買い物ラクラクトラックを無料でレンタル可能
多くのホームセンターの店舗では、無料で軽トラックを貸し出している。DIYに使う木材や工具を買いたいけれど、積むスペースがないからと二の足を踏んでいた人や、自家用車を所有していない人はぜひ活用しよう。
★この工具は使いこなせる? レンタルでお試しが可能!
DIYの効率化には電動工具を利用するのが早道だが、DIY初心者は使いこなせるか心配になるだろう。そのような場合には、一部店舗で実施しているレンタルサービスを利用しよう。DIY頻度が多くない人にもオススメだ。
★初めてのDIYでも大丈夫! カットはプロにお任せ
DIYの最初のステップは、木材のカット。しかし、思い通りに切断するのは意外と難しく、庭のない集合住宅では騒音や切り屑も気になる。熟練スタッフが木材をカットしてくれる有料サービスを活用するのも一案だ。