雑貨・日用品
2021/5/22 22:00

上質な「爪切り」を使うと人生に気づきを得られる【愛用品コラム58】

本連載ではGetNavi web編集長・山田佑樹が日々の生活で愛用している品々を紹介していきます。

 

【#愛用品 58:諏訪田製作所「つめ切り ブラックL」】

●起

爪の切り方は、大抵親から教わるものだ。小学生低学年ぐらいで親からレクチャーしてもらって、独り立ち。でも、そのあと、特に男性は、爪の切り方がアップデートされない気がする。定期的にお手入れする場所であり、一生行う作業であるのもかかわらず。

 

●承

SUWADAの爪切りは、モノ好きの人なら目や耳にしたことがあるかもしれない。職人による手仕上げ、テコ型ではなくニッパー型の形状、日用品でありながら最上位モデルでは6万円(!)という価格帯ーー

 

「爪切り 高級」で調べれば、上位記事にはどれも同ブランドの商品が紹介されている。僕もそのクラフトマンシップを味わってみたく、ずっと憧れていて購入した。そして、使ってみて感じたのはその高性能さ以上に、「爪を切るという行為を更新する楽しさ」だ。

 

●転

僕はこれまで爪の白い部分キワキワを一度に切っていたのだが、SUWADA流はそうではない。カーブには沿いつつ少しずつ微調整しながら切っていく。一気にパチパチではなく、徐々に、丁寧に、全体を見ながら。この行為自体が新鮮なのだ。30年以上、テレビを見ながら、おしゃべりしながらの「ながら切り」でやってきたが、集中である。

 

そもそも、ニッパー型というのが初めてだから、刃の入れ方も恐る恐る。切れ味が鋭いから最初こそ怖い。爪切りに怖いという感情を抱いたのは、やはり、30年以上ぶりだろう。

 

●結

僕の使っている「ブラックL」の購入価格は5000円台。6万円の超フラッグシップに比べれば手ごろだが、爪切りとしては高額だ。ただ、一生の中で一度や二度、こうした行為を振り返るときがあってもいいと思う。

 

なお、まだまだ使い方が下手くそで、切った爪が四方八方に飛び散る。爪のコントロールができないのも、久々の経験。子どものころに帰ったときのような感覚だ。

 

GetNavi web編集長・山田佑樹の「愛用品コラム」はInstagramでも展開中。週3回公開しています。