雑貨・日用品
2021/6/7 18:00

猫のトイレの臭い・処理・健康チェックが全部解決!業界初の猫専用ユニットバス「ネコレット」を徹底解説

2月22日といえば「猫の日」。2021年の同日、住宅メーカー大手の大和ハウス工業が発表したのが、業界初の猫専用ユニットバス「ネコレット」です。“猫専用ユニットバス”とはいったい……? その驚きの仕組みと、猫のオーナーなら膝を打つであろう便利で快適な機能の数々を紹介しましょう。

 

また今回は、開発者である大和ハウス工業の住宅商品開発部の町田さんに、開発経緯と、“猫と共生する暮らし”についてインタビューしました。

 

大和ハウス工業「ネコレット」
36万3000円(税込)
「猫トイレパン」単体19万5800円(税込)

上部には安心してシャワーができる広々スペースと、下部には洗浄機能付きの猫専用トイレ。トイレ機能だけではないので、これぞ猫のための“ユニットバス”と呼びたくなる、これまでにない業界初の猫用トイレシステム。

 

これまでの猫用トイレとどう違う?「ネコレット」のすごい仕組み

一般的に「猫用トイレ」と言われて思い浮かぶのは、リビングや玄関に置かれた、猫砂やトイレシートとともに使われる箱型のものではないでしょうか? 猫砂が飛び散りにくい商品や、においが部屋に広がらないように設計されたドームタイプの商品、全自動のシステムトイレなどさまざまな商品が発売されています。きれい好きな猫のために、快適なトイレ空間を作ろうといろいろと工夫されている人も多いでしょう。

 

↑家庭で使われている一般的な猫用トイレは、猫砂の下に尿を吸収してくれるシートを設置するものがほとんど。排泄した尿の色や量から、猫の健康チェックをする飼い主も多いそう

 

これまでの猫用トイレとは違い、「ネコレット」は「ネコ+トイレット」という由来の通り、猫のためのトイレ空間のこと。上部にはシャンプー台が設置され、トイレ部分にはなんと自動洗浄機能付き! まずは、気になるトイレ部分を写真とともに紹介しましょう。

 

↑奥行きのある広々としたトイレ空間。恥ずかしがり屋な猫でもこっそりトイレができるような、ちょうどいい高さになっているのもポイント

 

↑トイレ部分には、使用している猫用トイレをそのまま設置することが可能(事前に要確認)。慣れたトイレをそのまま使えるので、猫にとっても違和感なく、スムーズに移行してもらいやすいのだとか

 

↑トイレの屋根部分にはセンサーが。水の音にびっくりしないよう、猫がトイレを終えてから自動洗浄するまでの間隔を10・30・60秒と変更が可能。トイレチェックをしたい飼い主のために、手動洗浄へ切り替えることもできる

 

↑自動洗浄までの時間のほか、水を流す洗浄時間(4・7・10秒)も変更できるので、尿の量や気になるにおいに合わせてカスタマイズも可能。トイレのパン部分は一体成型で抗菌仕様なので、お掃除もラクラク。※写真は、水の流れが分かりやすいよう、着色しています

 

↑排水部分はかわいい猫の肉球デザイン。飼い主までうれしくなってしまいますね!

 

また、「ネコレット」の魅力はトイレ部分だけではありません。上部のシャワー部分にもこだわりがたっぷり! それはのちほど紹介しましょう。

 

ドリカム・中村正人の“猫バトラー”精神が随所に宿る!

まずは「ネコレット」の仕組みを見てきましたが、実はこれ、自身で「猫のバトラー(執事)」と称するほどの愛猫家である、DREAMS COME TUREの中村正人さんがコンセプター/発案者として企画し、共同開発した商品。2017年に中村さんからの提案で開発がスタートしたそうですが、まずは中村さんと開発することになった経緯から、開発者である大和ハウス工業 住宅商品開発部の町田さんに聞きました。

 

「2017年に中村さまから、『飼い主も猫も快適に暮らせる、ともに幸せな時間を過ごすための商品を開発したい』とお声がけいただき、その情熱と熱意にお応えすべく開発をスタートさせました。

構想の初期段階ですでに、今回の『ネコレット』に近いユニットバス仕様になっていまして、2019年春に中村さまのご自宅にコンセプトモデルを設置させていただき、3匹の猫ちゃんに使ってもらいました。その後、改良を重ねながら商品化に向けて開発を進めた次第です。私も中村さまのご自宅にお邪魔した際、3匹の猫ちゃんたちがそれぞれ快適に使ってくれている姿を見て、とても安心できました」(大和ハウス工業・町田さん、以下同)

 

大和ハウス工業では、これまで収納のスペシャリストである近藤典子さんとともに「しまいごこちイージークローク -進化する収納-」を開発するなど、その業界のプロとのコラボレーションもいくつか行ってきたものの、今回のようなコラボレーションは初めてだったそう。初めての共同開発に不安などはなかったのでしょうか?

 

「中村さまは、建築分野にも詳しい方で、業界の専門用語が次々と会話の中に出てきて大変驚きました。一般的な共同開発となると、どうしてもモノ目線で商品を作ってしまいがちですが、私たちはあくまでも住宅メーカーなので、猫用のトイレを作るだけでなく、最初にお声がけいただいたような『飼い主も猫も快適に暮らせる空間』にポイントを絞り、開発を進めることにしました。

ただいいモノを作るだけの共同開発ではなく、心地良い暮らし方までご提案できる、そんな商品にできたと思っています。中村さまはご自身を『猫のバトラー』とお話しされていますが、その思いがこの『ネコレット』へたっぷりと注ぎ込まれていますよ!」

 

人間のトイレと同じように、猫のためのトイレも必要

愛情が詰まった「ネコレット』を我が家にも! と思った人も多いはず。こちらは一般的に使われている猫用システムトイレとは異なり、設置するためには配管工事が必要になります。そのため、新築戸建住宅や戸建住宅のリフォームと合わせて利用される人をメインユーザーとしているそうです。

 

「メインユーザーの想定は、新築戸建住宅を検討されている愛猫家さんですが、ご自宅を猫ちゃんが暮らしやすいような空間にリフォームしたい方、新築賃貸住宅の大家さんなどもご検討いただけます。新築戸建住宅を検討されている方とは、ご自宅の猫ちゃんの習性を設計士がヒアリングしながら『どこにネコレットを設置するか?』を踏まえ、設計図を完成させます。そのため、洗面台スペースに置く方もいれば、階段の下、飼い主さんのトイレの近くなど自由に設置場所をお選びいただけます。人間のトイレをどこに設置するかを考えるとの同様に、猫にとっても飼い主にとっても暮らしやすい場所に『ネコレット』を設置するわけです。

また今後、ペットと共生する暮らしを提案する賃貸住宅も増えてくると考えているので、全国の愛猫家さんがお家探しをする際に、『ネコレットを搭載しているお家に住みたい』と、メリットのひとつに感じてもらえるようになったらうれしいとも考えています。」

 

ウチの猫はちゃんと使ってくれるの?

「ネコレット」最大の魅力は、これまで使っていた猫用トイレをそのまま(一部対象外の商品もあります)、ネコレットへ移行できる点です。人間に例えると、今まで使っていた便器はそのままに、トイレの場所だけが変わるイメージ。猫にとっては「いつもと場所は違うけど、まあいっか!」なんて思ってくれるのでは。いろいろとデリケートな猫が快適に過ごせるトイレ空間にするために、どんな点に気を遣ったのでしょうか?

 

「中村さまのご自宅に設置した時も、3匹の猫ちゃんがいましたが、スムーズに移行してくれましたね。設計に当たり、愛猫家のみなさんと意見交換させていただく機会を作り、気になる点を洗いざらいお話いただきました。その中に『腎臓病で毎日尿をチェックしている』という飼い主様もいらっしゃいました。基本的にはセンサーが反応し、一定の時間が過ぎたタイミングで猫ちゃんが驚かないようトイレの中にある尿を洗浄していますが、“尿を流さない”という設定の必要性を再認識しました。

多頭飼いされている方、ご病気の猫ちゃんを飼われている方、音に敏感な猫ちゃんなど、幅広いニーズにお答えできるよう設定の幅を設ける工夫をしています」

 

また、トイレ部分だけでなく上部にあるシャワーシンク部分にも工夫がいっぱい。

 

↑シャワー台は、猫がすっぽり入れる深さがあり、体の横から少しずつシャワーを当てることができるので、“猫シャン”が苦手な猫でも落ち着いてシャワーしてくれそう

 

↑手元で水流調整ができ、優しい湯当たりになるマイクロバブル対応。シャワーホースを伸ばすのはもちろん、固定置きもできるので、猫の動きに合わせて猫シャンできるのもうれしいですね。排水部分にもこだわっており、毛の多い猫でも掃除しやすい設計に

 

↑ドライヤーボードも付属。ドライエリアとして、ドライヤーをかける際に活用できます

 

↑引き出し式の収納が付いているので、シャンプーセットやブラッシング、トイレ掃除グッズを入れておくのに便利。奥行きもたっぷりあるので、収納力も心配ありません

 

飼い主にも猫にもストレスがかかっていた猫シャンタイムを、これなら快適に行えそうです。

 

動物と人間が共生する暮らしが当たり前に

大和ハウス工業は、「ネコレット」だけでなく、今後も人間と動物がともに健やかに、豊かに暮らせる住まいづくりを提案していくそう。大和ハウスグループの指針にもある「共創共生」の精神はペットとの暮らしにも活かされているのだと感じました。今後、動物と人間の暮らしはどのように変化していくのでしょうか?

 

「数年前までは、猫も犬も外飼いがスタンダードでしたが、最近では室内飼いが推奨されるようになり、家の中でのペットの暮らし方に注目が集まるようになりました。私たちとしても動物たちが運動できる住空間があること、動物の習性を活かせる場があること、安全を守ることに注力し、ペットとともに暮らす家をご提案しています。

コロナ禍の影響もあり、手軽に動物をお迎えする家庭も多くなりましたが、ペットはともに暮らす“家族”です。我が家へ迎え入れる前に、いつどんな時でもずっと一緒にいてあげられるか、年老いて介護が必要になってもそばに寄り添ってあげられるか、当たり前ですがしっかり考えていただきたいと思います。大切な家族とともに、快適に暮らせる住まいづくりを今後もご提案していきます」

 

業界初の猫用ユニットバス「ネコレット」の取材でしたが、動物と“共生”することの意義をあらためて実感する話を伺えました。猫だけでなく、犬もうさぎも鳥も……どんな動物たちも人間とともに楽しく暮らしていける家が今後、当たり前になってくるのではないでしょうか。

 

Spot Data

Daiwahouse駒沢展示場

所在地=東京都世田谷区深沢4丁目26 ステージ3
HP=https://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/tenji/tenji.html?cd=911
※「ネコレット」の実物をチェックできます。
※展示場への来場には、予約が必要です。