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インテリア
2024/5/29 20:15

マンネリ化した“塩系”インテリアを甦らせる方法をインテリアのプロが提案

2015年頃にブームとなった、最低限の所持品だけで暮らす「ミニマリズム」。それ以降、全体的にシンプルなトーンのインテリアが人気スタイルの筆頭になりました。一方で、なかには「マンネリ化してしまった」「もう少し遊び心を加えたい」と感じている人もいるでしょう。

 

シンプルな部屋に上手にアクセントを加えて“自分らしさ”を演出するコツを、インテリアスタイリストの遠藤慎也さんに教えていただきました。

 

“ミニマリズム”や“シンプルテイスト”はどうなった?
最新のインテリアトレンド

 

無駄を削ぎ落とし徹底的にシンプルスタイルにこだわる“ミニマリズム”。インテリアスタイルとしてもすでに定番の一つとして認知されていますが、現在でもトレンドなのでしょうか?

 

「ミニマルなインテリアは、“北欧モダン”や、和風と北欧風が融合したテイストの“ジャパンディ”といった、人気のあるスタイルのベースになっています。とはいえ最近の傾向を見ていると、単純にシンプルな要素ばかりをインテリアに取り入れているわけではなさそうです。

 

具体的には、シンプルな部屋にペールトーンのオレンジやイエローといった暖色系のカラーを使ったり、鉄や木などの素材をミックスしたアイテムを取り入れることが多いようです。デンマーク発の『HAY(ヘイ)』や『AUDO COPENHAGEN(オドー・コペンハーゲン)』といった北欧ブランドのアイテムがイメージに近いのではないでしょうか」(インテリアスタイリスト・遠藤慎也さん、以下同)

 

インテリアのトレンドは一概に語れませんが、色味や素材でアクセントとなるようなアイテムを取り入れるのが最新トレンドといえそうです。

 

インテリアのマンネリは“立体感”で解消できる

もし、シンプルなトーンの部屋に物足りなさを感じるなら、いったいなにが要因になっているのでしょうか?

 

「その原因は、『立体感がなく、メリハリに欠ける』といったところにありそうです。例えば、壁やベッドなど部屋の多くの面積を占めている部分が単色で統一されていたり、家具類の高さが低かったりすると、陰影が付かず、全体的にのっぺりとした印象になりがちです」

 

とはいえ、大物の家具を買い替えたり買い足したりするのは、それなりに出費がかさむためハードルが高いもの。そこで今回は、アクセントとなる小物をインテリアに加えることで印象を変える方法を教えていただきました。まずはアクセントとして取り入れやすいアイテムと、取り入れるときのコツを解説。

 

取り入れやすいアイテム 3

1. “面”となるファブリック

「カーテンやベッドカバー、ラグなど、ファブリック系のテイストを変えると、部屋の印象はがらっと変わる」と遠藤さん。

 

「とくにカーテンやベッド、ラグは、大きな“面”で見える部分なので、そこに柄や色があるものを取り入れたり、素材感を変えてみましょう。手に取りやすい価格帯の商品も多いので、もし失敗したり違和感を感じても簡単に取り替えられるしチャレンジしやすいのではないでしょうか」

 

2.クッションなど小物類

「照明やクッション、壁掛け用のインテリアアートなどを、アクセントとして取り入れてもいいでしょう。とくにクッションはおすすめです。自分の好きな色や柄のカバーを選んで、ソファやベッドに置くだけで、空間に彩りを与えてくれます」

 

3.観葉植物

「グリーン自体がアクセントカラーになるので、観葉植物もいいですね。変わった素材や柄を用いた鉢カバーがいろいろあるので、自分の好きなテイストのものを選べば、アクセントとしてより取り入れやすいと思います」

 

取り入れるときのコツ 2

1.部屋に立体感を出すアイテムを選ぶ

「部屋にメリハリをつけるために、背の高いフロアライトを設置する、壁掛け用のインテリアアートを壁に飾るといった方法で立体感を出すのがおすすめです。こうしたアイテムを設置することで部屋に陰影をつけ、厚みや立体感を出してみるといいでしょう」

 

2.同系のテイストやカラーのアイテムを数点取り入れる

「シンプルな部屋に、アクセントとなるアイテムを1つだけ置くと、浮いてしまう可能性があります。とはいえ逆にたくさん置いてしまうとアクセントの効果が得られません。同じようなテイストや色合いのものを2〜3点一緒に置くといいでしょう。効果的ですし、部屋にも違和感なく馴染みます」

 

インテリアスタイル別にアドバイス
“遊び心”を取り入れたコーディネート

ミニマルなインテリアでもベースカラーはいくつかあり、似合うアイテムも異なります。続いて、部屋のトーンごとにアクセントとなるアイテムの取り入れ方と、具体的なおすすめアイテムを教えていただきました。

 

■ 白基調の部屋には

「白ベースですっきりとした部屋なら、壁に好きな柄や色のアートを飾ると、部屋の印象が際立つでしょう。ベッドも白で統一しているなら、色や素材が異なるベッドカバーに交換したり、ベッドスロー(掛け布団の上に掛ける細長い形状のファブリックのこと)を掛けてあげたりすれば、違和感なくアクセントを加えられるはずです」

 

・壁にアートフレームを飾る
・ベッドカバーにアクセントカラーを取り入れる
・ベッドカバーに異素材を取り入れる
・アクセントとなるベッドスローを掛ける

 

「もしスペースに余裕があるなら、壁際に背が高めのフロアライトを設置してもいいでしょう。照明がともれば部屋にほどよい陰影を作ってくれます。メインの照明以外に、間接照明は1つ置くことをおすすめします」

 

・背が高いフロアライトを置く

インターフォルム「Oskuフロアライト」
3万4870円(税込・電球は含まない)

 

支柱はアイアン、シェードは布地と、異素材を組み合わせたモダンなフロアライト。ユニークなデザインのシェードから放たれる温かい光が、部屋に柔らかい陰影を作り、空間に奥行きを生み出します。

 

■ グレー基調の部屋には

 

「色はグレーに統一したままで、柄をプラスしてみましょう。もっとも取り入れやすいのは、クッションやアートです。グレーベースのもので、気に入った絵柄のものを置いたり飾ったりすれば、同じグレーの中にあってもアクセントとして際立ちそうです」

 

・グレーを基調とした柄ものをプラス

イケア
「SVARTHÖ/スヴァールトー クッションカバー」1999円
「KUSTFLY/クストフリー クッションカバー」1299円
「GULDFLY/グルドフリィ クッションカバー」1999円(すべて税込)

 

それぞれ柄の異なるグレーベースのクッションカバー。いくつかセットで揃えれば、遊び心のある柄でも気軽に挑戦できて、違和感なくアクセントを加えられそう。

 

■ ベージュ、ブラウン基調の部屋には

 

「ベージュやブラウンなどを基調としたナチュラルテイストな部屋なら、観葉植物のグリーンが差し色となって、よいアクセントになってくれるでしょう。また、天井の高さに余裕がある部屋なら、照明をペンダントライトにしたり、天井から吊るして飾るモビールをアクセントとして取り入れてもいいですね。空間に厚みが出て、物足りなさを解消できると思います」

 

・観葉植物を差し色に使う
・照明をペンダントライトにする
・モビールを吊るす

 

Tempo「satellite」
1万1000円(税込)

 

惑星の輪のような、遊び心のあるデザインの木製モビール。風をとらえ、部屋のなかでゆらゆらと揺れる姿は、さりげないアクセントとして目を引きそうです。

 

 

アイテムの選び方一つで、シンプルな部屋を引き立ててくれそうです。まずは手軽な小物から取り入れて、インテリアに変化を加えてみましょう。

 

 

Profile

インテリアスタイリスト / 遠藤慎也

株式会社BOOTSYORK代表。雑誌、カタログ、広告、ウェブメディア、CMなどの撮影現場でのインテリアスタイリングのほか、住宅展示場や商業施設のウィンドウディスプレイ、VMD・レストランの内装などのインテリアコーディネートも手掛ける。趣味のひとつでもあるキャンプからのインスピレーションを元に作り上げる、実体験に基づいたアウトドアシーンも提案。
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