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2016/9/14 20:34

イワタニ「やきまる」はなぜ売れに売れているのか? 「煙の出ない焼肉グリル」の真偽を検証!!

「焼肉を自宅で楽しみたい!」という人は多いと思いますが、問題となるのは「煙」です。焼肉の煙は、肉の脂が燃えることで発生するため、湯気と違って刺激的。煙が出たまま10分も放置すれば、部屋中に煙が充満して目やのどがヒリヒリ痛くなります。しかも、部屋にニオイがつき、数日は「焼肉臭」とともに生きることに……。多くの焼肉店が、テーブルごとに換気扇を設置することからもわかるように、この煙は家庭のエアコンや空気清浄機を使ったくらいでは解消できません。

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「やきまる」の人気の秘訣は? 実際に使って試してみた!

そんななか、カセットコンロで有名なイワタニ(岩谷産業)が、煙を出さない「カセットガス・スモークレス焼肉グリル 『やきまる』 CB-SLG-1」(実売価格6990円・以下、やきまる)を発表。8月1日、本サイトでその第一報となる記事をアップしたところ、記事についた「いいね!」が何と2万2000に到達。少なくとも、2万2000人の読者が本機に興味を持ったというわけです。実際、同社の広報によると本機の販売は好調らしく、現在は営業担当が使うサンプルすら用意できない状況とのこと。そこで今回は、なぜ「やきまる」がそこまで人気を集めているのか、実際に使って調べてみることにしました!

↑ガスコンロに鉄板がのっかった形の「カセットガス・スモークレス焼肉グリル 『やきまる』 CB-SLG-1」。サイズはW303×H149×D278mm、重量は約2kgとコンパクトで持ち運びもしやすい重量
↑ガスコンロに鉄板がのっかった形の「カセットガス・スモークレス焼肉グリル 『やきまる』 CB-SLG-1」。サイズはW303×H149×D278mm、重量は約2kgとコンパクトで持ち運びもしやすい重量

 

「やきまる」は、「温度」と「脂の通り道」の工夫で煙を防ぐ

やきまるで煙が出ない秘密は「温度」と「脂の通り道」にあります。一つめの「温度」の秘密は、肉の脂が煙を出さず、かつ肉がおいしく焼けるという210℃~250℃にプレートの温度をキープすること。

 

そして、「脂の通り道」では、その名の通り、肉から流れ出た脂をプレートに溜めない仕組み。焼肉プレートは中央がわずかに盛り上がった形状で、プレート上の脂がスムースに流れるよう放射線状の溝が掘られています。さらに、プレート外周部にはスリットがあり、流れた脂が自然に下に落ちるため、肉の脂が炎に当たることがなく、煙も立たないというわけです。ちなみに、スリットの下には脂を受ける「水皿」があるので、落ちた脂がこれ以上加熱されることはありません。

↑やきまるは本体(写真左)と脂を受ける「水皿」(写真中央)、そして肉をのせる「プレート」(写真右)の3つのパーツで構成されています。手前の棒は網を持つためのハンドル
↑やきまるは本体(写真左)と脂を受ける「水皿」(写真中央)、そして肉をのせる「プレート」(写真右)の3つのパーツで構成されています。手前の棒はプレートを持つためのハンドル

 

↑プレート表面には脂が流れる溝と、脂を下に落とすスリットがあります。プレート表面はフッ素加工されており、水でサッと汚れを落とし可能。プレートが熱い場合は付属するハンドルをひっかけて移動が可能です
↑プレート表面には脂が流れる溝と、脂を下に落とすスリットがあります。プレート表面はフッ素加工されており、水でサッと汚れを落とすことが可能。プレートが熱い場合は、付属するハンドルをひっかけて移動すればOK

 

↑カセットの装着方法はマグネット式。磁石でポンとセットできるので、装着が簡単。しかも、万が一カセット温度が上昇して内部の圧力が上がった場合は、自動的にボンベが外れる安全設計になっています
↑カセットの装着方法はマグネット式。磁石でポンとセットできるので、装着が簡単。しかも、万が一カセット温度が上昇して内部の圧力が上がった場合は、自動的にボンベが外れる安全設計になっています

 

燃焼時間が長くプレートの端までアッツアツ!

さて、ここからは実際にやきまるを使ってみましょう。基本的に使い方は普通のカセットガスコンロと同じ。違うのは、前述した「水皿」に水を入れておくことくらいです。ちなみに、250℃以上にしないためか、火の勢いは一般的なコンロよりも若干弱めに感じます。そのせいか、カセットガス一本で可能な連続燃焼時間は、なんと約3時間37分! 一般的なカセットガスコンロの連続燃焼時間は約60~100分程度なのに比べ、カセットガス1本でかなり長い時間楽しめるのがわかります。

 

ただし、焼肉店の鉄板と比較すると、プレートの温度は下がりやすく感じます。次々と肉を置いていくとプレート温度が下がり、最初に肉を置いたときのような「ジュワーッ」という音がしなくなってしまいました。この問題は、次の肉を置くのに30秒ほどインターバルを置いたり、野菜を移動させて肉を置いたりといった方法で、常に熱いエリアを確保することで解決できました。

↑プレートを外し、水皿に水を入れて使用します。ちなみに、水皿には火が直接あたらないので水の蒸発量はそこまで多くありません。我が家では1時間半使用しても水の継ぎ足しは必要ありませんでした
↑プレートを外し、水皿に水を入れて使用。水皿には直接火があたらないので、水の蒸発量はそこまで多くありません。我が家では1時間半使用しても、水の継ぎ足しは必要ありませんでした

 

↑本体上部は密閉されていますが、横の窓から火加減はチェック可能です。ガスがなくなって火が消えてもすぐにわかります
↑本体上部は密閉されていますが、横の窓から火加減はチェック可能です。ガスがなくなって火が消えてもすぐにわかります

 

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