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筆記用具
2025/5/17 20:00

握りやすさのレベルが違う!「プニュスパイラル」をどんなペンにも巻くべき理由

学童用の文房具ながら、大人の間でもやたらとアツい支持層のいる製品がある。クツワの「プニュグリップ」がそれだ。

 

もともとは鉛筆を挿し込んで使う、その名の通りシリコン製のぷにゅぷにゅとした感触があるペングリップである。

 

プニュグリップが支持される理由は、とにかくこのぷにゅ感が指に心地よいこと、すべり知らずのグリップ性能、そして適度な厚みによる握りやすさ。実は筆者も手汗ニストとして長年の愛用者であり、愛用のメイン筆記具にはしっかりと装着している。

↑学童用ながら、長時間ペンを握る大人にもぷにゅっとした柔らかさが人気の「プニュグリップ」。

 

ただし、もともと学童用=鉛筆専用ということで、当然ながらグリップ内径は鉛筆の直径(約8mm)に合わせて設定されている。そのため、ボールペン(10mm〜)に装着するには少しコツが必要で、太めまたは細すぎる軸にはそもそも装着が不可能だ。悔しい……。

 

もうちょっと融通の利く、どんなペンにもハマるぷにゅぷにゅ感触のグリップはないものだろうか?

↑クツワ「プニュスパイラル」が超快適な理由とは?

 

 

プニュスパイラルとは?

そういったぷにゅファンの声がメーカーに届いたのかは知らないが、ついに先日、待望の「どんなペンにもだいたい装着できる」という新型プニュグリップが発売された。それが、クツワの「プニュスパイラル」である。

クツワ

プニュスパイラル

各480円(税込528円)

 

↑ケースから取り出すとこんな感じ。シリコン製で非常に柔らかな紐がらせん状になっている。

 

実はこのグリップは細長いシリコンの紐(駄菓子の細長いグミみたいな感じ)で、これをペングリップにくるくると巻き付けて装着するのである。もちろん、このくるくる部分がスパイラルという商品名の由来だ。

 

なるほど、これならグリップ内径とペン直径の差なんか問題にならない。工具やナイフのすべり止め紐のように軸に巻き付けるだけだから、「そりゃどんなペンにも使えるだろう」という話だ。

 

装着方法とコツ

その装着方法はとてもシンプルで、最初にリリース情報を見た筆者も思わず「あー、その手があったか!」と膝を打ったほどだ。

 

また、巻き付ける部分の直径が途中で変わっても問題ないので、自分が握りたいペンの部分を自由にグリップ化できる点もありがたい。

↑筆者はペンの前側を握りたい派なので、ペン先に近い部分から巻き始める。最初は先端の薄い部分を挟むようにして巻き込んでいく。

 

↑隙間ができないようにみっちりと。厚みが変わらないよう、一定の力で引っ張りながら巻くのがコツ。

 

まず、ペン先のほうから巻いていくのだが、プニュスパイラルの先端はほんの少し薄くなっていて、この薄い先端を内側に巻き込んでやることで、ほどけないように固定する。

 

このとき、引っ張りながら巻けばグリップ自体は薄くなるし、ゆるく巻けば厚めのグリップになる。その辺りの微調整ができることも、好みのうるさい大人にはうれしいところである。

↑巻いた部分をつまんで持ち上げ、巻き終わりを挟み込んで固定する。

 

巻き終わりには、薄くなった先端を巻きに挟み込めば装着完了。これで、ぷにゅぷにゅと感触のよいグリップになる。

 

プニュスパイラルを握った実感は…

↑ぷにゅっと感触の心地よさと、しっかり握れる安定感がとてもいい。

 

握ってみると、ねじねじしたスパイラル部分が指にフィットしてとても握りやすい……というか、感触も含めて「握り心地がよい」という表現のほうがしっくりとくる印象だ。

 

ただし、巻き始めと終わりは先を巻き込んだ分だけ厚みが増していて、わずかに硬い感触になるので、巻く位置の調整は重要と言える。

 

本当にどんなペンにも巻ける?

では、プニュスパイラルは本当にあらゆるペンに使用できるのか?

 

試してみると、そりゃ巻き付けるだけなんだから、確かにほとんどの筆記具には適合する。径の細さ・太さは言うに及ばず、三角軸や六角軸といったペンでも問題ない。超太&三角軸のステッドラー1.3mmシャープでもこの通りである(さすがに太くなりすぎて握りづらいが)。

↑これぐらいの太軸でも問題ないので、およそだいたいのペンには適合するはずだ。

 

従来のプニュグリップでは、グイッと力尽くで太い軸を挿し込むことは、一度装着したらもう二度と外したくないほど面倒だった。しかし、巻くだけのプニュスパイラルなら着け外しがさほど手間ではない。これも大きなメリットである。

 

さらに、外付けグリップを装着したままでは充電が難しいApple Pencil(第2世代)などのスタイラスにも、プニュスパイラルは気軽に装着しておけるのだ。

 

画業を営む筆者の妻は、これまで従来型のプニュグリップを縦方向に裂くことでApple Pencilへの付け外しを簡易化していたが、それよりはプニュスパイラルのほうが高いフィット感を維持できる。そう思った筆者は妻に一つプレゼントすると、非常に喜んでくれた(文房具に詳しい夫の面目躍如と言えよう)。

↑プロの漫画家にもプニュグリップ愛用者は多く、スパイラルはかなり人気になりそうだ。

 

ペン以外にも装着可能

プニュスパイラルのもう一つ面白い点は、グリップ感を高めたい物ならペンに限らず装着できるということ。

 

そこで、メーカーのクツワが提案しているのが、カッターナイフだ。

 

カッターナイフを使って作業をする際、カッターナイフをギュッと強く握りすぎてしまうことがあるかもしれない。そこで、カッター本体の先のほうにプニュスパイラルを巻いてあげると、持ち手が安定して握りやすくなる。

 

しかし、切り絵など非常に繊細なカットを行う場合は、シリコンの弾力によって指先の感覚がブレてしまうこともありそうだ。この辺りは好みもあるので、自分で試してみるしかないだろう。

↑四角くて薄い形状のカッターナイフもこの通りグリップ化できる。安定感によって軽く握って作業ができるので、カット時の手の疲労も少ない。

 

筆者が気に入ったのは、精密ドライバーの軸に巻くこと。細い部分にも巻けるからこその使い方である。指先でくりくりと回す際にグリップ感がよくなって回しやすく、とてもラクなのだ。その代わり、力が入れやすくなった分だけネジに無駄なトルクをかけてしまう可能性もあるので、そこは要注意だ。

↑グリップの直径アップ+シリコンの摩擦を利用することで、精密ドライバーが簡単に回しやすくなった。ただし力の入れすぎには注意。

 

↑スクレイパーに巻いてやると力が入れやすくなって、シール剥がしもグイグイといける。

 

ともあれ、握りやすくしたい物やグリップ感を高めたい物なら片っ端から巻いてみたくなるような楽しさと自由度の高さが、プニュスパイラルの魅力と言えるだろう。

 

確かに学童用のプニュグリップ(3個で100円弱)と比較すると、価格は高めではある。しかし、これまで苦労して筆記具をぷにゅ化してきたことを考えれば、筆者としてはむしろお得感さえ感じている。同じように感じてくれる人は元より、できればぷにゅ未体験の人にもぜひ試してみてほしい。