コードレススティック掃除機の最新機種5モデル(ダイソン、パナソニック、シャープ、東芝、エレクトラックス)を、チェック項目ごとに深掘りする検証連載企画の第6回。今回はいよいよ最後の項目である「独自機能」と「汎用性」をチェックします。
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使い勝手を向上させる独自の機能と付属品をチェック
各モデルは基本となる集じん力の向上に加え、様々な独自機能を搭載。それらの機能が自分の使い方に合っているかどうかを見極めることが大事です。また、床上だけでなく、棚や家具、室内の高い場所なども掃除したい人は、それらに対応できるアタッチメントが掃除機に付属しているか(汎用性)をチェックする必要があります。今回は、その2点をしっかり吟味していきたいと思います。
【検証する5機種はコチラ】
エントリーその1
最長40分の長時間運転を実現したダイソンのフラッグシップ
ダイソン
Dyson V8 Fluffy(ダイソン ブイエイト フラフィ)
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実売価格6万690円
独自のソフトローラークリーナーヘッドで、大きなゴミと微細なゴミを同時に集じんできるスティック掃除機。バッテリーとモーターの改良で、最長40分の長時間運転と従来比15%の吸引力アップを実現しました。2 Tier Radialサイクロンを搭載し、微粒子ゴミもしっかり分離して集じんします。●サイズ/質量:W250×D1244×H224mm/2.61kg
エントリーその2
手首をひねるだけで家具の隙間が掃除できる
パナソニック
実売価格5万8430円
部屋になじむスリムなデザインが魅力。「くるっとパワーノズル」搭載で、アタッチメントを交換せず、手首をひねるだけで家具の隙間も手軽に掃除できます。壁際のゴミもしっかり取れる「ガバとり」ヘッドや、微細ごみを検知して吸引力を高めるハウスダスト発見センサーも搭載。●サイズ/質量:W252×D153×H1160mm/2.2kg
エントリーその3
本体質量1.5kgを実現し高所の掃除もラクラク
シャープ
実売価格4万1070円
本体パイプ部に軽量高剛性のカーボンを採用するなどして、本体質量1.5kgを実現した超軽量モデル。エアコンの上など、高所の掃除が得意です。大風量ターボモーターと遠心分離サイクロンを搭載し、微細なハウスダストもパワフルに集じん。セパレート式のバッテリーはわずか80分でフル充電が可能です。●サイズ/質量:W222×D220×H980mm/1.5kg
エントリーその4
軽い力で掃除できゴミを掃き出す機能も搭載
東芝
実売価格5万1600円
8気筒の気流で微細な粒子を分離、集じんしたゴミも圧縮する「バーティカルトルネードシステム」を搭載。グリップの形状と重心バランスの改良により、軽い力で自在に掃除できます。掃除機が使えない場所のゴミを強い風で掃き出す「エアブローノズル」を装備。●W224×D224×H1030mm/1.9kg
エントリーその5
1台3役で使えて毛がらみカット機能も便利!
エレクトロラックス
ergorapido Lithium Bed Pro Power(エルゴラピード・リチウム ベッド・プロ・パワー) ZB3234B
実売価格5万1620円
ふとん専用ノズルを搭載し、スティック、ハンディ、ふとんクリーナーの3役で使える機種。豊富なアタッチメントを付属し、家中を快適に掃除できます。標準モードで最長45分の掃除が可能。ブラシへの毛がらみをカットし吸引する「ブラシロールクリーン機能」も装備しています。●サイズ/質量:W263×D150×H1070mm/2.6kg
【検証内容はコチラ】
「独自機能」は各モデルに搭載されている、その機種ならではの機能を紹介。その実際の効果や使いやすさを検証します。「汎用性」については、各製品に付属のアタッチメント(充電台や壁掛け用ホルダーは除く)を写真で紹介。それらを使ってどんな掃除が可能かという点にも言及していきます。
【テストの結果はコチラ】
エントリーその1
ダイソン
Dyson V8 Fluffy(ダイソン ブイエイト フラフィ)
ダイソン Dyson V8 Fluffyの独自機能は?
ブラシでなくフェルト地のヘッドでゴミを包み込む機構が新しい
多くのモデルがブラシでゴミをかき取る方式を採用するなか、本機はフェルト素材と硬質ブラシを使った独自のソフトローラークリーナーヘッドを採用。このフェルト素材が床にピッタリ付くことで、吸込口を負圧状態に保ち、ゴミをパワフルに吸引できます。また、微粒子に加え、タブレットやペットフードなどカサのあるゴミを柔らかいフェルトが包み込んで捕集できるのもメリットです。
また、ワンタッチでゴミ捨てができる機能も今回試したモデルでは唯一搭載しています。ただし、「ゴミ捨て」の項目でも書きましたが、ゴミがドサッと落ちるためホコリが舞い上がりやすい点のみ注意が必要です。
もうひとつ、忘れてならないのは、本機が「2 Tier Radialサイクロン」機構を搭載していること。集じんフィルターに頼らず、微細なゴミも分離・集じんできるその性能は、他機種とは一線を画しています。
さらに、本体後方にはポストモーターフィルターを搭載。本体の気密性も高く、ダイソンは「部屋の空気よりもきれいな排気」だと自負しています。排気にこだわる人にはメリットとなるはずです。
ダイソン Dyson V8 Fluffyの汎用性は?
ミニモーターヘッドが付いてベッドや車中の掃除もしやすい
コンビネーションノズル、隙間ノズル、ミニモーターヘッドなどが付属。コンビネーションノズルは先端にブラシがついていて、このブラシは出したり引っ込めたりできます。ブラシの毛足は約2cmあり、棚の掃除やエアコンの掃除など凸凹のある場所の掃除に適しています。
ミニモーターヘッドはヘッド幅145mmと小型サイズながら専用モーターを搭載。硬質ブラシ付きなので、マットレスなどのハウスダストもパワフルに除去してくれます。カーペットの掃除にも便利。
エントリーその2
パナソニック
パナソニック iTの独自機能は?
フロア掃除からすき間掃除への移行がスムーズ
本機の独自機能はなんといってもヘッドが縦になってすき間ノズル的に使える「くるっとパワーノズル」。箪笥と壁の隙間などをアタッチメントを取り替えずに掃除できる便利な機能です。またこのヘッドは、壁際にヘッドが当たると前面シャッターが開く「ガバとり」構造も採用。これによりノズルブラシが壁に直接密着でき、部屋の隅にゴミが残るストレスが減ります。
さらに、本機は「ハウスダスト発見センサー」を搭載。ゴミを発見するとセンサーランプが赤く光ると同時に、自動で吸引パワーがアップします。狭い場所で中が見えない場所を掃除するときには特に便利でした。
パナソニック iTの汎用性は?
卓上やすき間などの掃除に適した2つのアタッチメントが付属
付属アタッチメントはすき間用ノズルとベタすき間ノズルの2つ。すき間用ノズルは狭い場所をピンポイントで掃除するのに便利です。ベタすき間ノズルは先端に短い毛がついていて、棚の上などを効率よく掃除できます。
ただし、ハンディ掃除機として使うには、本体の70cmという長さがネックだと感じました。一方、階段を掃除する際には、この長さがあるせいで腰を屈める必要がなく、快適に掃除できます。
エントリーその3
シャープ
シャープ RACTIVE Airの独自機能は?
圧倒的な軽さに加えて使いやすい工夫が満載
本機は、軽量で使いやすいのが最大の特徴で、高所の掃除がとにかくラク。ここまで軽いと、これはもう立派な独自機能です。使い勝手を向上させる「ちょいかけフック」「ラバーグリップ」など細かい工夫も効果的でした。
また、バッテリーの充電時間が約80分と圧倒的に短いので、万一バッテリー切れした際も、比較的早く充電して掃除を再開できます。さらに、着脱式のバッテリーを採用しており、2個用意すれば掃除時間が倍になるなど、使い方の幅が広がるのも便利。ヘッドに搭載した赤い「床みがきブラシ」は、フローリング表面の汚れの拭き取り効果があるのもポイントです。
シャープ RACTIVE Airの汎用性は?
はたきノズルは室内上部の掃除しにくい場所の掃除に最適!
はたきノズルとすき間ノズルが付属。はたきノズルはジョイント(関節)が2か所あって、角度が自在に変えられ、延長パイプにつなげればエアコンの天面も手軽に掃除できます。ノズルの先にはブラシがついているので、テーブルや棚の掃除にも便利に使えます。
エントリーその4
東芝
東芝 トルネオ V コードレスの独自機能は?
排気を使ってすき間に溜まったゴミを吹き飛ばす機能を搭載
アタッチメントにエアブローノズルが付いているのが他機種にない特徴。同ノズルを吸込口の下に装着し、排気を使って窓のサッシのみぞに入ったゴミや玄関前の落ち葉などを吹き飛ばすことができます。
また、本機は東芝独自のバーティカルトルネードシステムを採用しており、サイクロン部のフィルターなしで吸引力を99%以上持続できます。これにより、フィルター掃除の手間が軽減できます。
東芝 トルネオ V コードレス VC-CL1300の汎用性は?
5種類のアタッチメントを搭載し汎用性は5機種中トップ!
アタッチメントはすき間ノズル、丸ブラシ、エアブローノズル、ふとん用ブラシ、付属品用ホースの5個。5機種のなかでも最も幅広い掃除ができます。前述のエアーノズルはもちろん、ふとん用ブラシでふとんの掃除ができるのもうれしいポイントです。
エントリーその5
エレクトロラックス
ergorapido Lithium Bed Pro Power(エルゴラピード・リチウム ベッド・プロ・パワー) ZB3234B
エレクトロラックス エルゴラピード・リチウム ベッド・プロ・パワーの独自機能は?
LEDライトやふとん掃除専用ヘッドを搭載し利便性が高まった
今回試した中では唯一の自立タイプ。掃除中にモノを動かしたいときにさっと立てた状態で置けるのは本当に便利。また、今回テストした5機種の中では唯一ヘッド前面にLEDライトが付いていて、暗い場所での掃除で大活躍します。
さらに本機は、ベッド・プロ・パワーUVノズルを新搭載し、ふとん掃除まで可能になりました。ブラシの毛がらみを解消する「ブラシロールクリーン機能」もエレクトロラックス独自の機能。面倒なブラシ掃除の手間を軽減できるので、実用性が極めて高いです。
エレクトロラックス エルゴラピード・リチウム ベッド・プロ・パワーの汎用性は?
花粉対策に便利な布団用ノズルなどアタッチメントが多彩
ふとんクリーナーがついた1台3役モデルで汎用性は高いです。アタッチメントも延長用ホース、ロング隙間ノズル、布団用ノズル、ブラシノズル、隙間ノズルと豊富に用意されています。布団用ノズルはソファやカーテン、服などに付いた花粉やハウスダストの除去に最適です。
【今回の検証のまとめ】
床上をスムーズに掃除するならパナソニックやダイソンが有利
5機種の独自機能と汎用性の比較で、「各モデルがどんな使い方に向いているか」がより明確になりました。ヘッドに独自性を追求したのがパナソニックとダイソン。ダイソンはソフトローラークリーナーヘッドの採用で、床上の掃除の効率性アップを目指しました。また、同機はミニモーターヘッドも付属、パナソニックより広い用途に対応できます。
パナソニックは、「くるっとパワーノズル」「ガバとり」構造の採用で、隙間や壁際を、アタッチメント交換の手間なく掃除できるのが大きなメリット。アタッチメントも2種類と少なめで、床上をメインに棚などもある程度掃除する、という使い方に向いています。
幅広い掃除を1台で済ませたいなら東芝かエレクトロラックスがオススメ
一方、多彩な独自機能とアタッチメントを持つ東芝とエレクトロラックスは、様々な場所を掃除したい人向き。特に東芝は、ゴミを吹き飛ばして集じんする「エアブローノズル」の搭載で、従来苦手だった窓のサッシや玄関先などの掃除がしやすくなりました。両社とも延長用ホースとふとん掃除用ヘッドを搭載し、高い場所や寝具への対応力も高いです。
高い場所の掃除はシャープが最も使いやすい
シャープは本体を軽量化することで、床上の掃除はもちろん、ハンディ掃除機としてもラクに使えるのがメリット。軽さに加え、2つのジョイントで吸込口の角度を変えられる「はたきノズル」の搭載で、高い場所の掃除が他のどの機種よりも快適に行えます。エアコンや棚などの高所が気になる人に向いているほか、取り回しがいいので、モノが多い部屋に住む人にもオススメできます。
次回は、これまでの全6回のチェックをもとに、各モデルの特徴とどんなユーザーに向いているかをおさらいしていきます。
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