2017年の新作を語るうえで欠かせないのが復刻時計。今年のバーゼルを見ても各ブランドがこぞって復刻モデルを発表しています。歴史あるブランドの黄金期を支えた名機はどのように進化を遂げたのか、今回は現在も色あせない価値を放つ60~100年モノをご紹介します。
由緒正しき自社の歴史を往年のデザインに込める
復刻時計は、往年のファンが再起を期待している場合も多く、由緒正しき自社の歴史を往年のデザインに込める堅調な販売が見込めます。また、自社の歴史を新規ユーザーに知ってもらううえでも非常に有効な手段となる、歴史あるブランドならではの〝伝家の宝刀〞なのです。この潮流は、停滞気味の時計界で確実に「売れる」ことを意識した結果なのかもしれません。
【60年モノ】1957年に生まれた「マスター」三部作へのオマージュ限定
ブロードアロー針を備えたスピードマスターのオリジナル版を忠実復刻。特徴的なベゼルのタキメータースケールまでオリジナルに合わせるなど、こだわり満載な1本です。搭載ムーブは名機Cal.1861。世界限定3557本です。
磁場の近くで働く人々に向けて開発されたレイルマスター、1957年誕生当時のデザインを限定3557本で再現。初号機のコンセプトも、超高耐磁性能・高精度を誇るマスター クロノメーター認定によって継承しています。
アルミフレームの回転ベゼルやブロードアロー針、ロゴの書体に至るまで1957年のオリジナルの意匠を再現。他の2本と同じくレザーとNATO仕様の替えストラップ2本と交換用ツールが付属します。世界限定3557本。
【60年モノ】
ロンジン
フラッグシップ ヘリテージ
60周年モデル 1957-2017
1957年発表の人気コレクションの生誕60周年記念モデル。女優ケイト・ウィンスレットが選んだアーカイブモデルに着想を得て、世界限定1957本で製造しています。裏蓋にはキャラヴェル船のメダルを。
【70年モノ】
ミッシェル・エルブラン
インスピレーション1947
ブランド創業70周年を記念し、創業当時の自社製モデルを現代的に再解釈。ドフィーヌ針にくさび形インデックスという王道ドレスウオッチと、雰囲気あるレザーの融合がユニークです。
【80年モノ】
パネライ
ラジオミール 3デイズ アッチャイオ
スペシャルエディション
文字が刻まれた12角形ベゼルを特徴とする1930年代モデルをSSケースで復刻。文字盤に新色シェイデッドブラウンを、風防にプレキシガラスを用いて特有のビンテージ感を演出してます。
【100年モノ】
ティソ
ティソ ヘリテージ
バナナ センテナリー
日本スペシャルエディション
宮廷貴族のためにロマノフ王朝がティソに制作を依頼して作られた1917年発表の名作が、オリジナルサイズで復活。驚くほど腕にフィットするカーブケースは、1世紀を超えてもなお新鮮です。日本限定500本。
【100年モノ】
オリス
ビッグクラウン 1917
リミテッドエディション
自社アーカイブで発掘された1917年製パイロットウオッチの意匠を、100年の時を経て限定復刻(世界限定1917本)。2時位置のプッシャーを押しながらのリューズ操作まで再現されています。
1960年代まで絶えず発展を遂げてきた“時計黄金期”生まれの名機たち。このモデルの復刻版は、歴史的意義も含めて多くの魅力を持ちます。オリジナルモデルが歩んだ歴史に思いを馳せながら、復刻という特権を与えられた貴重な1本を改めて堪能してみてはいかがでしょうか。