ガストロノミックな前衛的チャイナにモダン中華バル、鉄板中華、町中華、蘭州ラーメンと、いま中華料理がジワジワと盛り上がっています。おいしい料理は、お酒と楽しみたいもの。そんなとき、中華といえば紹興酒もいいですが、やっぱりなじみのあるビールがサイコーですよね。そして中国のビールといえば一択。青島ビールしかないでしょう!
先日、青島ビールをより盛り上げるイベントが開催され、筆者自身も「中華料理には青島ビール」という思いを強くしました。本稿ではその様子と、青島ビールの特徴、なぜ中華料理に合うのか、などをお伝えしていきます!
青島ビールのヒットを予感させるイベントが開催
そのイベントというのが「青島ビール祭大酒宴」。東京の神楽坂で、ひたすら中華料理と青島ビールを楽しく飲み食いする会です。日本国内のさまざまな人々と連携して中華料理を盛り上げる組織「中華料理もっと向上委員会」と、青島ビールの輸入会社である「池光エンタープライズ」が主催しました。
そこで池光エンタープライズの岸田康宏常務から、青島ビールにまつわる、興味深いお話を聞くことができました。
「特徴がないから料理が引き立つ」逆転の発想!
青島ビールは1903年に中国の山東省青島市で生まれ、いまでは世界95の国で愛飲されている、中国でも屈指のビールブランド。日本では輸入開始から40~50年の歴史があり、その認知度はかなり高いといえるでしょう。
そんな青島ビールの特徴はと聞くと……、なんと「特徴がないのが特徴(!)」とのこと。なるほど、深い。
広大な中国の各地で、長い時間をかけて磨き上げられてきた中華料理。その味は地域によって異なります。辛・甘・酸の味覚や、濃・薄の味付け、そして熱・冷の温度……バリエーションはもはや無限大。これらすべてに対応し、引き立てるための最適解が”特徴がない”ということなんです。そのため、ビアスタイルは日本の定番ビールと同じピルスナー。クセがなくてのどごしがよく、スッキリしています。日本のビールの誕生時と同じく、ドイツの技師を呼んで造られたそうですよ。
そして、もうひとつの特徴が「たくさん飲める」ということ。古来より中国では食事の際、ゲストが食べ切れる量を提供するのではなく、あえて次々と、多めに料理を出す文化があります。長い時間、たくさんのおいしい料理を食べ続けるには、青島ビールの”弱めの炭酸”と”ちょうどいい薄さ”が絶妙に適合しています。
いつか青島ビールを生で飲みたい!
青島ビールは中華料理に最高に合うお酒、いや、飲み物だということが、実際に食べ飲みして分かりました。一方でその事実は、日本ではまだ定着していないようです。岸田常務によると、現在、日本には約2万軒もの中華料理店がありますが、青島ビールを置いているのはそのうち1/3程度。その店舗でも、青島ビールは1日に1本注文が入るかどうか、だそうです。
こんなにおいしいのに、何ともったいない! 実は中国でも、紹興酒よりビールの方が飲まれているそうですし、まだまだ売れるポテンシャルはありそうです。
「私には夢があります。それは日本で生の青島ビールを飲むこと。生を提供するには、いまより1.5倍ほど青島ビールが飲まれるようになることが不可欠。だからなんとか盛り上げたいんです!」(岸田常務)
中華料理の盛り上がりとともに青島ビールが広がっていけば、いつか生ビールを飲める日が来るかもしれません。その早期実現にもつながるし、中華料理の味を引き立てる青島ビール。ぜひこんどペアリングしてみてはいかがでしょう!