ノンアルコールビールといえば、”クルマを運転するときに選ぶ”という消極的な理由で飲むものだと思っていませんか? 実は、最近はそういったシチュエーションだけでなく、食事中やお風呂上がりなど日常生活で飲む人も増えているそうです。
とはいえ、「できるだけビールに近い味がいい」と思うのがビール好きの本音。かくいう筆者もノンアルはめったに飲まないので、”ビールに近いかどうか”が基準だと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。
そこで、日本ビアジャーナリスト協会でも活動しているビアライターの富江弘幸さんに、ノンアルコールビールを飲み比べながら選び方のポイントを教えていただきました!
一番搾り麦汁の香りと旨みが際立つ「キリン 零ICHI」
最初に富江さんに飲んでもらったのが、「一番搾り製法」を採用した「キリン 零ICH(ゼロイチ)」です。麦汁をろ過する際の二番麦汁を使わず、最初に流れ出た一番搾り麦汁だけを使用しています。
「ノンアルコールビールには珍しく、麦の香りや味がしっかり感じられます。一番搾りに比べると、スッキリ感がありますね。香りもフルーティー。全体的にはビールに近い印象ですが、甘みは控えめ。食事に合わせるのに良さそうです」(富江さん)
富江さんがビールとの違いについて触れましたが、その味に違いがあるのは当然のこと。なぜなら、ノンアルコールビールは普通のビールからアルコールを抜いているわけではなく、”まったく別の製法でビールに近いものを作っている”からなんです。そんな飲料をビールに近い仕上がりにする一番搾り製法は、技術革新の賜物と言えそうです。
透明な「オールフリー オールタイム」はサイダー感覚で
全国のコンビニ限定で販売されているサントリーの「オールフリー オールタイム」は、職場でも気兼ねなく飲めるようにと「透明」「ペットボトル入り」の2つの特徴を持ったノンアルコールビール。この見た目のインパクトで記憶している人も多いでしょう。
「香りはサイダーのようなフルーティーさがありますね。飲んでみると麦の感じはほとんどせず、酸味が少し強いめなのでスッキリします」(富江さん)
筆者も実際に飲んでみましたが、たしかにこれはサイダーみたい! ホップ由来の苦みも加えられているのですが、ほのかなライムフレーバーや強めの炭酸がサイダーのように感じさせるのかもしれません。
「視覚や嗅覚は味覚に影響を与えるのですが、オールフリー オールタイムはビールっぽさを求める人には少し合わないかもしれません。逆に、スポーツのあとや仕事の合間など、リフレッシュしたいときにいいですね」(富江さん)