あのムーミン谷のあたたかな春を、日本の“リトル北欧”で気軽に味わってみませんか? 埼玉県飯能市の宮沢湖畔の人気スポット「メッツァ」に、この春いよいよグランドオープンした「ムーミンバレーパーク」。原作に描かれている雰囲気を再現したムーミン屋敷ツアーや、ムーミンの世界観を詳しく知ることができるギャラリー、ここでしか入手できないハイセンスなオリジナルグッズなど、見どころいっぱいのパーク内を@Livingスタッフが一足お先に体験してきました。
木々に囲まれた湖畔の風景にしっくりとなじんだムーミンの世界観は、ライトなキャラクター好きから原作を知るディープなファン、ファミリー、カップルと、あらゆる@Living世代にワクワクと癒しの時間を与えてくれるはずです。
エントランス付近で早速現れる撮影スポット。ムーミンの原作本の絵柄をモチーフにしたパネルで、ゲストをムーミン・ワールドに引き込みます。
パーク内は、エントランスにあたる「はじまりの入り江」、メインエリアの「ムーミン谷」、ギャラリーやグッズショップを楽しめる建物「コケムス」、自然の中で遊べる「おさびし山」という4つのエリアから構成されます。
【information】
ムーミンバレーパーク
所在地:埼玉県飯能市宮沢327-6 メッツァ
営業時間:10:00〜20:00
休園日:不定休
入園料:大人1500円・子ども1000円(3歳以下は無料)
チケット予約(現地で買える当日券もあり)
https://metsa-hanno.com/
ムーミン一家の笑い声が今にも聴こえてきそう!
小川にかかった丸太の橋の向こうに見える、青壁のユニークなお家。ムーミンをよく知る原作ファンなら、きっとこの光景だけでもワクワクしてしまうのでは?
ここはムーミンバレーパークのメインエリアとなる「ムーミン谷」。その一角に建つムーミン屋敷は、地下1階~地上3階と屋根裏で構成される予約制・ガイドツアー形式のアトラクションになっています。屋敷内の間取りは原作の設定に基づいており、中にはフィンランドを中心にヨーロッパで買い揃えたハイセンスな調度品や、一家の毎日を想像させる生活用品、写真などの思い出の品が自然に配置されています。
入ってみてとにかく驚いてしまうのが、屋敷内のリアルな空気感です。クローゼットにかけた洋服やテーブルの上の小物まで、多くの小物たちが手の届きそうな範囲に置いてあるだけに、感動もひとしお。もちろんムーミンの部屋やムーミンパパ、ムーミンママのお部屋も再現。物語に登場する小物たちも随所に散りばめてあるので、原作を知る人なら思わずニヤリとしてしまうはずです。定員20名の少人数でじっくり見られるツアー形式というのも、大人がちゃんと楽しめるポイントでしょう。
屋敷の窓、丸太の橋の上から手をふるムーミンの姿を、ついついイメージしてしまいそうなムーミン屋敷の外観。春夏秋冬で姿を変えていく宮沢湖畔の景色とどんなハーモニーを奏でてくれるのか、これから先も楽しみです。
地下室
ムーミン屋敷のガイドツアーは、食糧貯蔵庫であり、ムーミンママの薬剤室がある地下室からスタート。最初のお部屋からすでに物語のエッセンスがたっぷり投入されています。
こちらがツアーのスタート地点となる地下室への入り口です。
ほの暗い地下1階には、保存食や穀物、手製のジャムなどの瓶詰めがあちこちに。山や森の植物にも詳しいムーミンママにとって、ここは薬剤の調合室でもあります。おばあちゃんから受け継いだ調合書を片手に、家族のために秘伝の薬を調合している、優しいムーミンママの姿が思い浮かびます。
地下室の一角に、ムーミンパパのパイプを発見! 若かりしころは冒険家であり、パパになった今もロマンティストで繊細な一面を持っているムーミンパパ。物思いにふけりたいとき、こっそりこの部屋に来るのかもしれません。
1階
続く1階は、家族そろって食事をしたり、客人をもてなす場として物語にもよく登場するダイニングキッチンです。素朴で愛らしい調度品はもちろん、ちょっとした驚きの仕掛けもあったりと、見どころはいっぱい!
ムーミンママが焼くクッキーやパンケーキの香ばしい匂いが、今にも漂ってきそうなダイニングテーブル。
キッチンには、一定時間ごとにシューっと湯気をあげるヤカンを設置。もちろん展示用の仕掛けなので火はついていませんが、まるで本物のキッチンにいるような錯覚を覚えます。
ダイニングチェアには、本を積み上げて作ったリトルミイ専用の椅子を再現。キュウリのサンドイッチやムーミンママお手製のベリーソースがかかったパンケーキ、ミートボールなど、北欧の定番料理が展示されています。
2階
ムーミン・ファミリーそれぞれの個室がある2〜3階エリアは、キャラクターをより深くイメージすることができる夢のようなスポット。実はこのフロアには、ムーミン一家と縁深い、あのキャラクターがこっそり暮らして(?)います。よーく目をこらして、お部屋の隅々までチェックしてみて。
こちらはムーミンパパとムーミンママの寝室をイメージしたお部屋。ムーミンパパのシルクハットを入れるケースや、ムーミンママのお洋服を収納したクローゼット、編み物の道具などが並んでいます。
ベッドの上に置いてあるのは、ムーミンママが命の次に大事にしているというハンドバッグ。原作の設定ではルビーの指環や真珠のネックレスなども入っていますが、この展示ではソーイングセットや替えのソックスを再現しています。
このフロアのどこかには、冬眠中のムーミンに宛てたスナフキンからの手紙が置いてあります。あまりにさりげなく置いてあるので、見逃さないように気をつけて。
このフロアや屋敷内のいくつかの場所に、毛むくじゃらの風貌で知られるムーミンのご先祖様がいます。突如出現することも! 一箇所だけではないので、ぜひ細かいところまで探してみて。
3階とロフト
3階は子供達の部屋と、ムーミンパパの書斎があるロフトが配置されています。ここにも、物語のさまざまなシーンを思い出させる小物たちがたくさん。客人が寝泊まりするゲストルームもここにあります。
ここがムーミンの部屋です。ムーミンパパに似て、冒険や空想の世界に関心を持つ男の子。描かれている絵画のモチーフや、飾られている小物にも原作の要素がしっかりと反映されています。
とっても小さなリトルミイのお部屋は、小窓から覗かせるスタイルで展示。リトルミイのサイズに合わせて設計されたクローゼットなど、細かい部分までちゃんと作り込まれています。
ムーミンの恋人である、スノークのお嬢さんが泊まったゲストルームはここ。
冒険家だったムーミンパパの書斎にあるテーブルには、地図や地球儀など当時を思わせる小物が置かれています。
ムーミンパパの書斎はロフトの上にあるため、潜水スコープで覗くというユニークなスタイルで鑑賞します。
ここに紹介した以外にも、さまざまな展示品や仕掛けがいっぱいのムーミン屋敷。今後人気ナンバーワンのアトラクションとなることは必至なので、公式サイトから早めに予約しておくことをおすすめします。どんな客人もあたたかく迎え入れ、ムーミンママが作る美味しいお菓子や手料理でもてなしてくれる憧れの一家。ゲストになった気持ちで、約20分間の探索をゆっくり堪能して。
宮沢湖の自然と調和した大人の癒しスポット
宮沢湖をぐるりと囲むように設置されたムーミンバレーパーク。園内には、その独特の景観を活かしたアトラクションや鑑賞スポットが点在しています。
あくまでさりげなく設置されたムーミン谷のさまざまなモチーフと、静かな湖畔のロケーションは相性も抜群。そして園内をしばらく散策していると、このムーミンバレーパークには、日本語で書かれた案内板がほとんど存在せず、パーク内の建物の看板なども、ほぼフィンランド語で書かれていることに気づきます。ムーミンの世界観を邪魔するものが目に入らないので、より物語の世界に入り込めるというわけです。
では、ゆったりお散歩気分で園内を散策してみましょう。
・トゥーティッキさんが住み着く水浴び小屋
原作にもよく登場する水浴び小屋は、湖上に飛び出すような形で設置。元々はムーミンパパが作った建物ですが、今はとあるキャラクターが住み着いています。
ボーダー柄と青い帽子でピンと来る人もたくさんいるはず。水浴び小屋の中には、ここを住処としているトゥーティッキさんのお洋服や小物が展示されています。
・ムーミンママが壁に描いたバラ園が見られる灯台
「ムーミンパパ海へ行く」という物語の中で、ムーミンパパとムーミンママは、ひとときの冒険の旅に出ます。そこで彼らがやってきたのが、この灯台がある島。扉を開けるとそこには、ムーミンママが描いたあの絵が再現されているんです。
植物と花、ガーデニングを愛するムーミンママ。しかし岩石だらけの灯台の周りには花がなく、ムーミンママは自分のお家の庭が恋しくなってしまいます。そこで彼女が思いついたのが、壁面にバラ園を描くというアイデアでした。この灯台は中に入ることはできませんが、扉を開けて写真撮影をすることは可能です。
パークを散策中に湖畔に目をやると、時折こんな不思議なものが目につきます。実はこれ、物語に登場するモチーフをさりげなく展示したもの。パーク内にいくつか点在しているので、ぜひ探してみて。
もっと知りたい!ムーミンとトーベ・ヤンソンのこと
物語の世界をさらに深く探求したいなら、ムーミン屋敷の隣に設置された建物「コケムス」へ。フィンランド語で「体験」を意味するコケムスでは、ムーミンに登場するキャラクターや作者であるトーベ・ヤンソンについて知ることができるギャラリー展示を行っています。
常設展から企画展、新感覚の体感展示やトーベ・ヤンソンの生涯にスポット当てたシアターなど、ファンなら何時間でもいたくなってしまう充実の内容。ムーミンという作品の奥深さ、そして本作やキャラクターが世界中でどれだけ愛され、大切にされてきたかを感じることができるスポットです。
コケムスの2階から3階までの吹き抜けに作られた巨大なジオラマ。15分ごとに照明やムーミン屋敷の角度が変わり、違った景色を楽しめるという驚きの仕掛けもあります。
ムーミン谷を上空から見下ろしてみると……奥まで、また上のほうまで、しっかりと作り込まれていることがわかります。 小川にかかる橋の欄干に腰掛けている、ムーミンとスナフキン。 木陰のテーブルには、リトルミイが。よりいっそう、小さくてかわいらしい姿です。 水浴び小屋。こちらにはトゥーティッキさんとご先祖様が在室のようです。 庭いじりをするのは、ムーミンママとニンニ。 トフスランとビフスランがスーツケースを開くと、大きな輝くルビーが。これを探す飛行おにも、上空を駆けています。 ムーミン谷の中心にはもちろん、ムーミン屋敷。後ろ半分は中を覗けるようになっていて、ムーミン一家やスナフキンもくつろいでいます。この屋敷は回転しており、家のなかが正面を向いたときは、谷全体のライティングが落とされる仕組みです。 ロフトにはムーミンパパが。園内のムーミン屋敷では直接覗けませんが、このジオラマでしっかり様子を確認できますね。 庭の水晶玉を覗くムーミンパパ。 切手を集め終わり、自然観察に精を出すヘムレンさん。 ジオラマのトップに座すのは天文台。 いくつもの小舟に乗って航海をするニョロニョロも確認できます。
常設展でぜひ見てみてほしいこちらの絵。物語に登場する77のキャラクター画を額に入れた圧巻の展示です。全部わかったならあなたはかなりのムーミン通!
フィンランドで出版された順に並んでいる歴代の本。現地で刊行された1作目は『小さなトロールと大きな洪水』でしたが、日本で最初に出版されたのはおなじみ『ムーミン谷の彗星』でした。
ムーミンの歴代原作コミックスは、すべてムーミントロールの「お尻」のカットから始まることをご存知? これはその「お尻カット」を一堂に集めた展示です。ディープなファンにとっては秘かな名所となりそうな、とってもナイスなアイデアに感激!
見て、触って、体感するムーミン・ワールド
ムーミンバレーパークには、他にも見逃せないアトラクションや鑑賞スポットがいっぱい。ちょっと身体を動かしたいなら、人気キャラクターのヘムレンさんをモチーフにしたツリーハウスや、スリル満点のアトラクション、『飛行おにのジップラインアドベンチャー』で爽快な気分を味わうもよし。物語の世界にもっと浸りたいなら、映像技術を駆使して絵本の中に入り込んだような感覚を味わえる体感展示絵本『それからどうなるの?』や、迫力いっぱいの体感モーフィングシアター『海のオーケストラ号』もオススメ。
シアターやアトラクションの一部は予約制で料金も別途になっているので、どうしても見たいものがある場合は、事前に時間などをチェックしておくのが効率よく楽しむポイントです。
おさびし山の頂上にあるヘムレンさんの遊園地は、大人も楽しめるアスレチックスポット。ここに設置されたスライダーのひとつは大人でもなかなかのスリルで、キッズにはちょっと怖いくらいかも…。ツリーハウス内には愛らしい小物たちが展示されていて、癒しの気分を味わえます。
壁・床への映像投影に加え、立体造形物も登場する日本初の体感モーフィングシアター「海のオーケストラ号」。大迫力の美しい映像が、巨大スクリーンと床一面に広がって迫ってきます。ムーミンパパの昔の大冒険を再現したストーリーです。
コケムス内にある体感展示絵本『それからどうなるの?』は、まるで絵本の中に入り込んだような気分になれるユニークな展示。ミムラ姉さんといっしょに、リトルミイを探しに出かけよう!
おさびし山の頂上から、湖の上を往復約400m滑走するスリル満点のアトラクション「飛行おにのジップラインアドベンチャー」。ムーミン谷を見下ろしながら一気に滑走すれば、日頃のストレスも吹き飛んでしまいそう!
ここでしか買えないアラビアマグもある!世界最大級のムーミンショップ
ファンにとってもうひとつ絶対に押さえておきたいのが、コケムス内にある世界最大級のムーミンショップです。
そもそもムーミングッズはデザインや機能的にもハイセンス、ハイクオリティなものが多くたくさんのファンが存在しますが、ここにはムーミンバレーパークでしか手に入らないグッズもたっぷり。パークオリジナルのアラビア社製マグカップや、手ぬぐいブランド「かまわぬ」とコラボレーションした美しいオリジナル手ぬぐい、お土産にぴったりなセンスのいいスイーツ、そしてひとめ見たら誰もがぎゅーっとしたくなるぬいぐるみなど、どれも可愛すぎて思わず目移りしてしまいます。
お土産探しを心ゆくまで楽しんだら、最後は北欧フィンランドの食文化を気軽に味わえるカフェやレストランでひと休みを。インスタ映えしそうなスイーツから、フィンランドの定番料理まで様々なグルメを楽しめるのも嬉しいポイントです。
コケムス2階にある広々としたムーミンショップ。ついつい衝動買いしたくなる愛らしさなので、お財布の準備は万全に!
目立つところに置いてあるのは、やはり大小のぬいぐるみ。さまざまなキャラクターを連れて帰ることができます。 大人も持てるデザインのバッグがいろいろ! 子どもから大人まで、雨が楽しみになってしまいそうな傘のラインナップ。ムーミン柄のビニール傘はパーク限定です。 ニョロニョロがプリントされたこれは、魚肉ソーセージ。 ハニージャムは3種。北欧らしさたっぷりの「こけもも」のジャムも。 手ぬぐい専門ブランド「かまわぬ」とのコラボ手ぬぐい。大人も持てるセンスを感じさせます。 世界中から集められた輸入品もたくさん。これはムーミンの絵本をモチーフにしたバッグ! フィンランドから直輸入されたぬいぐるみ。日本ではこのパークでしか買えないものも豊富です。 パークオリジナルのマグネットバッヂ。全50種という圧巻のラインナップ。 パーク限定のアラビアマグなど、ムーミンをモチーフにした食器類は、有田焼も含めて膨大なラインナップ。どんな食事をのせようか、悩みますね。 キッズコーナーも用意されています。パープルを貴重にした、シックなイメージ。 パーク内の“郵便局”「ポスティ」は、ヘムレンさんをモチーフにした、絵葉書が中心のショップ。ここで葉書を書いて…… 外のポストに投函すれば郵便として届けられます。
上/パンケーキレストラン「レットゥラ」にある、ベリーを贅沢に使ったボリューミーなパンケーキ「Very Berry Lettu」2484円 下/コケムス1階にある「ムーミン谷の食堂」では、キャラクターをモチーフにしたフードを。スナフキンの帽子の緑をイメージしたという「緑の帽子パスタ」1296円
ムーミンが憧れる「はなうま」をお好みで色付け!
同じくコケムスの2階では、親子で楽しめるワークショップを毎日開催中。現在は、ウッド製の「はなうま(うみうま)」に自由に色を塗る体験ができます。
魅惑のアトラクションを楽しむも、湖畔の自然を散策するも、ギャラリーで作品世界を深く学んでみるもよし。こんな風に、ムーミンバレーパークは大人が自分の気分や目的に合わせて、自由に1日を楽しめる構成になっているのがポイント。
都内からなら電車でも車でも60〜90分程度です。気軽に遊びに行ける日帰りのリフレッシュ・スポットとして、この春ぜひムーミン・ワールドを体感してみて。
GetNavi webがプロデュースするライフスタイルウェブメディア「@Living」(アットリビング)
