健康志向の高まる昨今、食事に対する考え方も日々アップデートされています。特に注目を集める話題のひとつが、「白米と玄米、どちらがいいのか」という話。糖質カットによるダイエットなどで白米を食べない人も増えているようですが、代わりに玄米を食べるべき、という意見もよく聞きます。
では、果たして本当に玄米は“体にいい”のでしょうか? 乱れた食生活から糖尿病を患い、しかし病状を回復させるために自ら玄米食を取り入れ、研究を続けている医学博士・渡邊 昌先生にインタビュー。玄米が持つ高い機能性と、驚きの効能についてまとめた書籍『医師たちが認めた「玄米」のエビデンス』(渡邊先生監修)をベースに、お話をうかがいました。
まず大前提として、白米との違いや種類、巷で手に入る一般的な商品まで、「玄米とはなにか?」をまとめてみましょう。
「玄米」とは?
体によいとされる玄米ですが、そもそもどんな米なのかというと、収穫した稲から外した籾(もみ)の籾殻を除いた状態=稲の種のことを指します。その玄米から、果皮や種皮、胚芽などの糠(ぬか)を取り除いたものが白米(精白米)、つまり、玄米とは精米していない米のことなのです。
玄米の種類
・玄米(7分づき米/半づき米・5分づき米/3分づき米)……玄米は栄養価が高い一方、硬く食べにくいのが難点。そのため、糠層を70%・50%・30%取り除いた“分づき米”があります。70%取り除いた7分づき米がもっとも精白米に近く、食べやすくなります。
・発芽玄米……わずかに発芽させた玄米のこと。発芽に伴い眠っていた酵素が活性化し、GABAが増すといわれています。
・酵素玄米(寝かせ玄米)……玄米を小豆と塩といっしょに炊き、約3日間保温し熟成させることで、酵素を活性化させたもの。こちらもGABAが増すといわれています。
「玄米」が果たす役割とは?
白米が削り取った皮や胚芽、ぬかにこそ、玄米の栄養素が含まれています。ビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでおり、人間が健康を保つために必要とされる栄養素をほとんど摂取できるため、“完全栄養食”と言われます。詳しくは、次ページで渡邊先生に解説していただきます。
編集部選 おすすめパック玄米ごはん
玄米をおいしく炊ける炊飯器も増えてきていますが、より手軽に食べられるのがパックごはん。味わいもバリエーションも進化しています。おすすめのパックごはんラインナップをご紹介しましょう。
玄米の食べ方
「玄米を食べるときには、味噌汁をつけるだけで十分」と渡邊先生。味噌汁の具も、栄養バランスのよい食事をするために考えられた言葉である「ま:まめ/ご:ごま/わ:わかめ/や:やさい/さ:さかな/し:しいたけ/い:いも」の頭文字をとって、「まごわやさしい」を基準に、具を多めに入れましょう。他にも、一晩水につけておけば柔らかくなりますし、小豆と一緒に炊くとおいしさが増すとのアドバイスも。
では基本をおさえたところで、さっそくお話をうかがいましょう。インタビューするのは、“ブックセラピスト”として活動する元木 忍さんです。