VRアトラクションを体験できるエンターテイメントスポットなどが増えていますが、VRを優雅に楽しむのなら、飛行機に乗るという選択肢もあります。ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が8月中旬、搭乗客にVRヘッドセットを提供するサービスをイギリスで初めて開始すると発表しました。
BAが発表した内容によると、ロンドンのヒースロー空港と米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港を結ぶ路線で、2019年末までの期間限定でVRセットの貸し出しを試験導入します。VRヘッドセットを使って乗客が楽しめるのは、映画やドキュメンタリー、旅行プログラムなどで、2D、3D、360度のフォーマットで鑑賞できます。VRヘッドセットはどんな体勢でも見ることができるため、横になった状態でも鑑賞できるのだとか。これにより、従来の映画や音楽などの機内エンターテイメントに、VR体験という臨場感あふれるエンターテイメントがプラスされることになります。
さらに今回の試験導入で面白い試みが行われているのが、飛行機に乗ることに不安や恐怖を感じてしまう「飛行機恐怖症」の方向けのプログラムもあること。ブリティッシュ・エアウェイズはイギリスの航空会社として初めて、専門家と共同で飛行機恐怖症の方向けのプログラムも提供しているんです。瞑想や音響療法など、精神的に落ち着いてフライト時間を過ごせるように、プログラムが組まれています。VRヘッドセットならではの、視覚と聴覚をフルに使ったプログラムで、飛行機への恐怖心を和らげられるのかもしれません。
日本の航空会社もVRを取り入れる
日本の航空会社でもVR体験を乗客に提供する動きがあります。JALでは2017年9月、JALチャーター便を利用した阪急交通社の旅行商品で、希望する乗客にVR機材を貸し出し、VR体験を提供する試みを実施しました。
また、ANAでは2018年3月から、VRを使って旅行に行った擬似体験ができるサービス「ANA VIRTUAL TRIP」の提供を開始。一緒に旅行に行けなかった方が、VR静止画で同じように旅行した気分を楽しんだり、旅先からリアルタイムで会話もできたりするものです。
VRを体験できる場が広がっているなか、機内エンターテイメントサービスにVRが追加される日も近い将来やってくるのかもしれません。ちなみにBAのVR貸出の試験導入はファーストクラスのサービス限定。エコノミークラスの人にとって、VRサービスはまだ遠い所の話かもしれませんね。