アイロボットジャパンが、ロボット掃除機の新製品「ルンバ s9+」(実売価格18万6780円)を2月28日に発売しました。新製品は、同社いわく「唯一無二のルンバ」とのこと。いったいどこが唯一無二なのか、発表会の取材を通してその詳細をレポートします!
日本での発売を遅らせたのは、日本向けにナビゲーションを調整するため
家電に詳しくない人でも「ロボット掃除機」といえばアイロボット社の「ルンバ」を連想する人が多いのではないでしょうか。現在、アイロボットは全世界で累計3000万台の家庭用ロボットを販売しており、日本国内だけでいえば、マーケットシェアは74.7%(2019年上半期実績)。人気の高さがうかがえます。そんなアイロボットは今年で30周年。その間に蓄積した技術との英知を集約させたのが「ルンバ s9+」です。
なお、本機はアメリカ、ヨーロッパで先行して販売されていた製品。全世界で同じものを販売するグローバル戦略を取る同社ですが、日本での発売を遅らせた理由は何でしょうか?
「日本のお客様は他国のお客様よりも、要求する品質水準(掃除性能)が高い傾向にあります。そこで、先に販売したアメリカやヨーロッパのお客様の声を聞き、日本向けに調整しました。特に、日本では部屋の広さに対して家具などの密度が高いため、ナビゲーションが複雑になる点を調整しています」(同社CEOのコリン・アングル氏)
では、日本向けにしっかり準備してきたというルンバ s9+の詳細を、以下で紹介していきましょう。
D型シェイプの採用で壁際まで掃除でき、ブラシの幅も約30%アップ
ルンバ s9+は「ウルトラエッジデザイン」と呼ばれるD型シェイプを採用しています。これにより、本体前方に2本のゴム製のデュアルアクションブラシを搭載することができ、部屋の隅や壁際のゴミまでキレイに掃除ができるというわけ。従来の円形の場合、デュアルアクションブラシはタイヤとタイヤの間に配置せざるをえず、どうしても幅の制約がありました。今回、本体の前方に配置したことで、ブラシの幅が約30%アップしています。
高性能センサーを搭載し、D型シェイプを実現。吸引力も40倍に
しかし、単純にD型にしただけでは、角の部分が引っかかって進めなくなってしまうという課題があります。いままではこの課題がクリアできなかったからこそ、これまでのルンバは円形を採用していました。円形だと、狭いスペースに入り込んでも、容易に回転できるからです。
そんな「円形にしかできない」という課題を解決したのが、本体のフロント部分に搭載した高性能センサー。このセンサーが壁の位置や構造を立体的に把握することで、どんな環境でもスマートな動作が可能に。回転できるときは回転し、回転できないような狭い場所に入り込んだときにはそのままバックするなど、的確に感知し、判断できるようになったのです。この高性能センサーとD型シェイプの組み合わせを、同社では「Perfect Edgeテクノロジー」と呼んでいます。
このほか、内部構造の効率化などにより、吸引力はスタンダードモデルの600シリーズと比較してなんと約40倍にアップしました。また、独自技術「AeroForce3段階クリーニングシステム」を引き続き搭載。こちらはエッジクリーニングブラシとデュアルアクションブラシ(一方のブラシが汚れを浮き上がらせてかき出し、もう一方のブラシが逆回転するシステム)、吸引力を高めたパワーリフト吸引を組み合わせてゴミを確実に捕らえる仕組み。
しかも、カーペットでは自動で吸引力がアップするパワーブーストが働き、カーペットの奥に入り込んだゴミをしっかりと吸い込みます。なるほど、特別なD型シェイプと600シリーズの約40倍という吸引力を見れば、「唯一無二のルンバ」というのがよくわかりますね。