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2020/5/24 18:30

【保存版】コロナ禍が終息したら乗りに行きたい「ローカル線」〈東海・北陸・西日本編〉

〜〜「ローカル線特別応援企画」おすすめ東海・北陸以西の16路線〜〜

 

車窓に広がる海や山景色、そしてのどかな風景。走るのはレトロな電車や、ユニーク車両……。西日本には魅力いっぱいのローカル線が多い。

 

そんなローカル線の中で、とっておきの路線をピックアップした。今回、紹介した路線の中には近日中に古参車両の引退が予定されているところも。コロナ禍が終息したら、ぜひ乗っておきたい西日本のおすすめローカル線を紹介した。

*ご注意:掲載した列車は運休することがあります。事前にご確認ください。乗車および撮影は新型感染症の流行が終息した後に楽しみましょう。

 

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【東海中部地方のおすすめローカル線】

大井川鐵道 大井川本線(金谷駅〜千頭駅39.5km)

↑大井川を渡る16000系。もと近鉄南大阪線・吉野線を走っていた16000系だ。普通列車にこうした古参車両が使われていることも大井川鐵道の魅力となっている

 

SL列車に加えて大井川沿いの自然が美しさを増す季節が到来

東海道本線の金谷駅と千頭駅(せんずえき)間を走る大井川本線。ほぼ大井川に沿って走る。途中、4つの橋りょうで大井川を渡り、車窓からの眺めが変化に富む。

 

この路線は景色に加えて、走る車両が楽しい。普通列車には元近鉄16000系や、南海の高野線で活躍した21000系、十和田観光電鉄(現在は廃線)を走っていた7200系と個性的な車両が揃う。ほぼ毎日、新金谷駅〜千頭駅間を走るSLかわね路号(6月初旬から運行再開予定)や、きかんしゃトーマス号(6月下旬から運行予定)にも乗っておきたい。

 

立ち寄りたいポイントも多い。川根温泉や、大井川の上流には寸又峡温泉や接岨峡温泉といった温泉が点在する。沿線には川根茶の畑が広がる。静岡茶の中で、美味とされる川根茶はお土産に最適だ。金谷駅から千頭駅までは所要1時間10分ほど。時間に余裕があれば、千頭駅から発車する井川線(南アルプスあぷとライン)のトロッコ列車にも乗車したい(5月いっぱいは運休予定)。日本で唯一のアプト式区間があり、専用機関車が連結され急勾配を上り下りする。山岳鉄道ならではの魅力がつまる。

 

養老鉄道 養老線(桑名駅〜揖斐駅57.5km)

↑2019年から元東急池上線・多摩川線の7700系が多く走るようになった。養老山地を背景に赤帯の7700系が疾走する

 

近鉄色が強かった路線のイメージを大きく変えた東急車両の導入

養老鉄道養老線は三重県の桑名駅と岐阜県の揖斐駅を結ぶローカル線。起点の桑名駅では近鉄名古屋線・JR関西本線と連絡、岐阜県の大垣駅で東海道本線と連絡している。路線は揖斐川に沿って南北に走る。途中、揖斐川沿いに広がる水田風景や点在する集落の風景、せまる養老山地と、風景の変化が楽しめる。

 

近鉄グループの一員ということもあり、これまでは元近鉄の車両を改造・転用して使ってきた。ところが、これらの車両が古くなってきたため、代わりの車両を探していた。

 

2019年に計15両が導入されたのが東急池上線・多摩川線を走っていた7700系電車だった。7700系も車歴は古いが、オールステンレス製の車体に腐食がなく、台車や電気関係の部分などメンテナンスの状態が良かったことなどが決め手となった。養老線を走る7700系は東急時代に親しまれた赤帯車に加えて、赤歌舞伎の名前で親しまれたカラー、さらに赤歌舞伎を養老鉄道流にアレンジした緑歌舞伎などの車両カラーが走る。こうした“新車両”も加わったことで、養老線のイメージが大きく変わりつつある。

 

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四日市あすなろう鉄道 内部線(あすなろう四日市駅〜内部駅5.7km)
八王子線(日永駅〜西日野駅1.3km)

↑走る車両は元近鉄260系の更新車両。線路幅に合わせ車両は小ぶりだ。車内には窓に沿って1人がけシートがならぶ

 

線路幅と車両はミニサイズ!その不思議な乗り心地が楽しい

三重県四日市を走る四日市あすなろう鉄道。市内に内部線(うつべせん)と八王子線(はちおうじせん)の2本の路線を運行する。元は近鉄の路線で、2015年春に現在の鉄道会社に運営が引き継がれた。ユニークなのは線路幅。日本国内の在来線は、ほとんどが1047mmだが、四日市あすなろう鉄道の線路幅は762mmで、特殊狭軌(軽便鉄道)と呼ばれる細い線路幅が使われる。ちなみに762mmサイズは、今では同じ三重県内を走る三岐鉄道北勢線と、富山県の黒部峡谷鉄道のみで、非常に貴重な存在となっている。

 

この線路の幅に合わせ、走る車両は小さめだ。乗ってみると、明らかにミニサイズであることが分かる。車両は新会社になった以降にリニューアルされた。座席横に付く手すりがハート型になっているなど、車内もおしゃれな造りとなっている。

 

あすなろう四日市駅発の電車は、内部駅行と、八王子線の西日野駅へ向かう電車が交互に発車する。あすなろう四日市駅から内部駅までは乗車17分、八王子線の西日野駅まで乗車8分ほどで、所要時間もミニ感覚だ。ミニ車両が線路幅の狭い路線を走る、車両の揺れる感覚もこの鉄道特有のもので、乗るのが楽しい路線だ。

 

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