働き方や、意識が大きく変わった(変えられた?)2020年。
自分と向き合うことも増えて、本当にやりたいことが見つかった! とか、今までと違うことに挑戦してみたい! とか、新たな自分を発見したなんて方もいるのではないでしょうか?
一方で、「自分って本当は何がしたいんだろう?」とか「このままでいいのかな?」と、これからの仕事について考える人も増えたかもしれません。仕事に対して不安が募ってきたのなら、『仕事に「好き」を、混ぜていく。』(電通Bチーム・著/翔泳社・刊)がおすすめ! 好きなことは仕事になんてならないよ、と半ば諦めモードな人にこそ読んでいただきたい一冊です。
電通Bチームって何?
この本の著者は、「電通Bチーム」。6年ほど活動していて、現在までに56名のメンバーがいるそうですが、名前だけ聞いても「何をしているか分からないなぁ〜」と思いますよね。
電通Bチームについてまずは簡単に、さわりだけ説明しておきたい。電通Bチームとは株式会社電通に実在する特殊クリエーティブ部隊で、
①本業(A面)以外に、個人的側面(B面=私的活動、すごい趣味、前職、大学の特殊な専攻 etc.)を持っている社員が集まり、
②メンバーの多彩な特技と情報収集力を最大活用し、世の中に今までと違う方法(=プランB、オルタナティブアプローチ)を提案する
というBについての2つの由来があり、「Bチーム」と呼んでいる。
(『仕事に「好き」を、混ぜていく。』より引用)
B面と言っても同じ趣味や嗜好を持った人が集まったわけではなく、DJや小説家、金融に詳しい人、美容好き、釣り、ファッションやeスポーツとバラバラ。電通Bチームのホームページ(https://bbbbb.team/)では、過去のプロジェクトが見られるのですが、社内外から年間300件近くの問い合せが来るそうで、中には「どうやったらBチームに入れますか?」なんて相談もあるんだとか。
キラキラしていて楽しそうに見えますが、今までの働き方の価値観で考えると、本業の他にもうひとつの仕事を持つなんて、大変じゃない? Bチームの活動が仕事になるの? って思うのが正直なところ。具体的にどんなことをして、どんな働き方をしているのかご紹介します。
本業とは別で「3時間」のミニマム稼働からスタートする
電通Bチームがこれまでやってきたことを大きく分けると4つになるそうです。
①コンセプト提案
②受注案件実施
③自主プロジェクト
④公演・ワークショップ・イベント・取材や寄稿
(『仕事に「好き」を、混ぜていく。』より引用)
みんなでイベントしようぜ〜♪ くらいのノリかな? と正直思っていたのですが、意外としっかりしている(笑)。好きとはいえ、ちゃんと仕事としてやるのだから、やっぱり本業とは別にBチームの活動もしたらめっちゃ大変になるんじゃない? と感じますが、56名のメンバーがいるので、月3時間ほどの稼働から始めるんだとか。この人の力を借りたい! と思ったら、「最低月3時間貸してもらえるだけで大丈夫です」と上司に掛け合い交渉するそうです。3時間の内訳は、すでに持っているB面の知識を共有してもらうだけなのでリサーチは0時間、オンラインに情報をアップしてもらうのに1時間、会議に出て対面で情報共有してもらう2時間だけ!
たった3時間だけ! ということではないので、詳しくは『仕事に「好き」を、混ぜていく。』を読んでもらいたいのですが、「お、これなら我が社にもBチーム作れそうだな」なんて思ってきませんか? すでにB面を持っている人たちがいるなら今日から集まるだけでも新しいビジネスが生まれるかもしれませんよね。
とはいえ、自分にはB面がないんだよなぁ
すでに好きなことや、B面があって「私もやるぞ!」となっている人はそのまま突き進んでもらいたいのですが、中には「そんなものないよ……」と思ってしまう人もいるでしょう。B面をどうやって見つけたらいいかは、Bチームのメンバーが一番よくわかっているはず! ということで『仕事に「好き」を、混ぜていく。』で紹介されている「B面の見つけ方アドバイス」から個人的にお気に入りな見つけ方を抜粋してみました。
食べたり寝たりすることよりも好きなことがあれば、それがB面だと思います。
「はぁ、疲れたな」って思った時、自分は何にワクワクを感じるか。疲れた自分をキラキラさせてくれる存在は何か、を考えてみるのが自分のB面を見つけるコツかな、と思います。
本当に好きなものがない、という人はこの世にいません。自分のルーツだとか、ここまで歩いてきた道すがらを、忘れ物でも探す気持ちで隅々まで目をこらして遡ってみる、でしょうか。
(『仕事に「好き」を、混ぜていく。』より引用)
『仕事に「好き」を、混ぜていく。』を読んでみて、必ずB面がなければいけないということではなく、B面があることでもっと仕事は楽しくなる! と私自身も感じました。もちろん大好きなA面を仕事にできている! というのが幸せなことだと思いますが、人間って一面だけじゃないからいろんな面を持って楽しんだ方が得な気がするんですよね〜。
『仕事に「好き」を、混ぜていく。』では、Bチームの作り方はもちろん、自分が電通Bチームの57人目のメンバーとして迎えられたような形で本を読み進めることができるので、章の間にあるミッションをこなしながら、少しずつBチームに近づけるような感覚を味わえます。なんだか最近パッとしないな〜という人は、解決のヒントになると思うので、ぜひ一度読んでみてください!
【書籍紹介】
仕事に「好き」を、混ぜていく。
著者:電通Bチーム
発行:翔泳社
釣り×営業/旅×事業企画/食×マーケ/美容×広報/北海道×プランナー/eスポーツ×コピーライターetc.超適材適所な「電通Bチーム」の働き方を疑似体験できる、新感覚のビジネス書。今の仕事を続けながらオフィスに縛られない働き方を実現するための6章。
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