代替肉を筆頭に、海外でトレンドが先行していた「プラントベースドフード」(または「プラントベースフード」。植物由来原料から作られた食品のこと)や「フードテック」(最先端のテクノロジーで新たな食品や調理法を開発すること)が、日本でもいよいよ注目されつつあります。とはいえ「近くの店では見かけない」「プラントベースドフードって? フードテックってなに?」という人は少なくないはず。それをわかりやすく体験できるのが、渋谷にある「FOOD TECH PARK(フードテックパーク)」です。
本稿では「フードテックパーク」でどのようなアイテムを扱っているかを紹介するとともに、店舗のコンセプトや今後予定している展開などにも迫りました。また、気になった商品の実食レポートも行います。
国内外のテックフードやエシカル雑貨などを約10種展示
あらためて「フードテックパーク」とは、世界中から選び抜かれた最新フードテックブランドやエシカルな(環境や社会に配慮した)商品を体験できる場所。展示商品に見る・触れる・知る・食すといった機会を設け、エシカルでサステナブルな商品の魅力や背景・思いを知ることができます。
店舗には売ることを目的とした販売員ではなく「ストーリーテラー」が立ち、各ブランドが持つ背景や仕組みなどを解説。なお現在は一部のみ購入可能で、ゆくゆくは全商品をここで販売する予定とのこと。また、本来であれば展示しているフードの試食もできますが、当面の間は感染症対策として提供を停止しています。
アイテムは常時約10種で、期間限定で入れ替わります。例えば取材で訪れた6月は前月の10種のうち7つが入れ替わりました。このように、毎月新しいフードテックに触れられる構成となっています。
フードテックという言葉には“フード”とありますが、これは食品分野においてテクノロジーが活用されることをいい、食品のほかに家電や雑貨なども含まれます。また、フードテックは地球環境の課題解決のために生み出された側面を持っているため、エシカルな商品が多いのも特徴。「フードテックパーク」でも、前述のジンをはじめエシカルなアイテムを数多く取り扱っています。
日本未上陸の「代替卵」に驚いた!
今回の展示アイテムのなかで筆者が最も驚いたのは、アメリカ発「Eat Just」のプラントベースドエッグ。つまり植物由来の材料を使った代替卵です。なんといっても、パッケージが圧倒的にスタイリッシュ。それでいて食欲をそそるようなシズル感も両立されていて、フードテック先進国ならではのデザインや発想力の高さを思い知らされました。
とはいえ未上陸であり、いまは残念ながらネットを駆使しても日本ではゲットできません。ただ、パッケージに触れたりプロモーションビデオを観たりはできるので、興味がある人はぜひ渋谷ロフトへ。
※「信州経木Shiki」「JUST Egg」は、2021年8月15日で展示終了となります
海外メーカーは事前のアピールのために展示
「JUST Egg」の隣には、香港発のグローバル企業として日本でも有名な「オムニミート」の製品が。超低温“瞬間凍結”技術を採用した「オムニイート」です。こちらも、スタイリッシュなパッケージに驚きです。
ただし、筆者がひとつ疑問に感じたのは、「ジャストエッグ」や「オムニイート」などの海外製品はネットでも購入できないとなると、メーカーへのメリットはないのでは? という点。これを「フードテックパーク」に聞くと、納得の答えが返ってきました。
それは、海外のメーカーも日本進出を考えているため、事前のアピールになるというメリットです。また「フードテックパーク」の狙いとしては、日本におけるフードテックやプラントベースドフードの意識を高め、業界を盛り上げたいという思いがあるとのこと。事実、製品を見た筆者は驚くとともに、海外に比べて日本がいまだプラントベースドフードの発展途上国であることを痛感させられました。