ラーメン好きミュージシャン田中 貴さんが、気になるラーメン店を訪問するコーナー。今回は、東京・矢口渡の「中華soba いそべ」を訪問。このお店は、店主が50代半ばからラーメンの修行をイチから始めて出店したといいますが、なぜその年齢でラーメン店の出店を思い立ったのでしょうか? そして、そこからイチから作り上げたラーメンとは? さっそく見ていきましょう!
ラーメン作り30年のキャリアを持つ‟新人”登場
東京・矢口渡駅前の中華料理店「寶萊軒」は、磯部 亨さんの父親が50年ほど前に始めた店。元々は祖父が新橋で創業したというから、三代続く老舗だ。30年共に働いた父を3年前に亡くし、店の改築を機に一念発起、「残り少ない人生、新しいことに挑戦してみたい」と、50代半ばにしてラーメン専門店へとリニューアルすることを決意、イチから修行を始めた。
修行先に選んだのは、磯部さんが好きな池尻大橋の人気店「八雲」。ラーメンのルックス、メニュー構成は「八雲」そのものだが、味作りに関しては教わらなかったのでオリジナルだ。
一番大変だったのは、無化調スープ。一般的‟街中華”では化学調味料で味を調えるので、未経験だったのだ。試行錯誤して完成した、丸鶏と昆布など魚介系のバランスが抜群なスープに合わせるのは、「寶萊軒」の頃から評判の自家製麺。国内産小麦にこだわり、新たに作り上げた麺は、しなやかさとフレッシュさが感じられる。製麺所のものを使う「八雲」にはない味だ。
新規客も増え、早くも人気店となっているが、何よりうれしいのは、以前の店に数十年通っていた常連が、新しいラーメンを食べに何度も来てくれることだそう。変わらない良さというのもあるが、磯部店主はチャレンジする道を選んだ。ここから新たに「中華soba いそべ」としての歴史が始まるのだ。
【今回訪れた店】
中華soba いそべ
住所 東京都大田区多摩川1-20-14
営業時間 【火・木・土・日】11:30~15:30、18:00~21:00【月・金】11:30~15:30
定休日 水曜日