ゲーム&ホビー
2022/8/8 11:45

任天堂のレジェンド・宮本茂氏のちゃぶ台返しを『スターフォックス』元開発者が振り返る

任天堂を代表する世界的クリエイター・宮本茂氏は『スーパーマリオブラザーズ』や『ピクミン』などの生みの親として有名ですが、その仕事ぶりは「ちゃぶ台返し」(ゲームの開発がどれほど進んでいても、おもしろくないと思えば大幅に変更させる)としても知られています。

↑Image:任天堂

 

かつて、そんなレジェンドとともにゲームを開発した人物が、宮本氏との仕事はどんなものであったかを明かしています。

 

これはアルゴノートゲームス(Argonaut Games)を創設したジェズ・サン(Jez San)氏が、海外ゲーム雑誌EDGEの独占インタビューで語ったものです。アルゴノートゲームスはゲームボーイ用ソフト「X」で追加チップなしに完全な3Dゲームを実現する技術を開発し、それが評価されて『スターフォックス』(および3D表示用のスーパーFXチップ)開発に参加しています。

 

そこでサン氏は宮本氏のクリエイション過程について、『スーパーマリオワールド』でも「すでにデザインが完成した後に、宮本氏が何もかも変えてしまわなかったステージは1つもなかった」と述べています。

 

また『スターフォックス』開発中には、宮本氏は「会議中にギターを弾いたり、外に出てタバコを吸ったりした……私たちもみんな吸ったけどね。地に足の付いた男なんだ。宮本氏とは何でも一緒にやったし、その前に完成したものは何もない。彼は何かをするように頼んで、遊んでみて、『よし、これはボツにして、ほかのことをやってみよう』と言うんだ」とちゃぶ台返しを振り返っています。

 

そしてサン氏は「彼(宮本氏)はすべてをプレイし、すべてを変えてしまう。その繰り返しなんだ」とも語っています。さらに、そうした仕事の流儀が普通ではないことも付け加えています。

 

「そんなゲームデザインのやり方は、無限の予算と納期があるときだけ有効だ。現実の世界では、予算と納期が決まっているので、パブリッシャー(販売元)に『すみません、来年になります。完成したら渡しますよ』なんていえる人はめったにいない。任天堂は、それができるんだよ」

 

Nintendo Switch専用の超大作ソフト『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』も元は2020年に発売予定でしたが、3月に「2023年春」への延期が発表されました。任天堂や宮本氏としては何年かかってもおもしろさに妥協したくないとしても、ファンを待たせすぎない範囲に収まるよう祈りたいところです。

Source:Gamesradar