皆さんは家で食事する時、ご飯を炊飯器で炊いていますか? それとも土鍋やホーロー鍋を使っていますか? おいしいご飯にこだわる人にぜひ注目してほしいのが、愛知ドビーの新しい炊飯器「バーミキュラ ライスポット」。特に鍋で炊飯している人には絶対にオススメです。今回は発売前の製品を借り、実際に炊飯や調理に使ったレビューをお届けします!
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ライスポットは、バーミキュラのホーロー鍋を内釜として使っているのが最大の特徴です。開発者である同社の土方智晴副社長は、開発について「炊飯器の研究の末にホーロー鍋を採用した」のではなく、「ホーロー鍋で炊飯するとおいしいので、それを電気で安定して炊飯できるようにしたらこうなった」と述べており、通常の家電とは逆のアプローチをした製品。それだけに、バーミキュラのファンなら見逃してはならないアイテムです。炊飯は1~5合に対応し、予約タイマー機能付き。発売日は12月1日(予約受付中)。市場想定価格は税別で7万9800円です。
ライスポットの製品仕様については、発表会のレポートに詳しく書いたので、ここでは使い勝手や気が付いたところを中心に感想を述べていきたいと思います。
操作で迷うことはないがタッチの反応が……
お米は付属の軽量カップで計って、ザルで研いで水切りしてから鍋に入れます。鍋の内側には目盛り線がないので、付属の水用計量カップで水を計って鍋に注ぎます。水用軽量カップは「ml」と「合」の2種類の目盛りが付いており、炊飯以外の用途にも利用可能。今回は4人で試食するため、3合ぶんを炊きました。
鍋をポットヒーターにセットし、操作パネルで「炊飯」を設定。操作パネルはそのとき操作できる項目だけがLEDで点灯するため、操作方法で迷うことはありませんでした。
今回、実際に触れてみて唯一気になったのが、実はこのタッチの反応。しっかり指を押し付けても反応しないことがあり、炊飯開始を設定したつもりで、スタートしていなかったこともありました。何度かやっていると反応しましたが、同社によると貸出品はまだ最終調整前のもので、実際の製品ではより感度の良いものになるとのこと。製品版ではしっかりチューニングされているよう期待したいところです。
お米の甘みを引き出し絶妙な歯ごたえに炊き上がる
炊飯するには、ご飯のマークに触れて「炊飯モード」にします。触れるたびに表示が切り替わるので「白米 ふつう」を選んで、炊飯量を「3.0」にセット。「OK」に触れます。STARTマークが青く点灯するので触れ、赤になったら炊飯開始です。
標準設定の場合、炊上がり時刻は炊飯開始から1時間後が表示されます。これは浸しの30分を含んだ時間。セットする前に浸していた場合は炊飯だけに短縮可能で、その場合は炊上がり時刻は30分後が表示されます。
炊飯は15分程度で高火力による沸騰状態になり、フタの隙間から蒸気が噴き出すようになります。このフタの隙間は、同社がフローティングリッドと呼ぶ技術で、密閉性の高さと高火力時の吹きこぼれ抑制を両立したもの。留め具もなにもない上に乗っかっているだけでフタなので、向きを変えるだけで蒸気の吹き出し方向を自由にコントロールできます。換気扇側に向けるとか、壁に向けないようにするといった調整がフタの向きだけでできるのは意外に便利。
炊き上がると音でお知らせ。フタを開けるとご飯の香りがふわっと顔にかかってきます。ご飯の表面には見事なカニ穴があり、粒が立っていて、おいしそう! 実際に食べてみると、粒感があって、硬すぎないのに歯ごたえが楽しめ、お米の甘みも引き出せていて大変美味。お米の一粒一粒が崩れることなく、それでいて中はしっかり柔らかく炊きあがっていました。
しゃもじで飯返しをすると、ご飯がべたつくことなく、鍋底にこびりついたりもしていません。ちなみにしゃもじは付属しないので注意。
ふかし芋と玄米リゾットも試してみた
今回は、白米の炊飯だけでなく、調理モードでの調理と、玄米を炊飯してリゾット作りも試しました。まずは無水調理のふかし芋作り。これは実にお手軽で、クッキングシートを敷き洗ったサツマイモを置いて、弱火で30~40分ほど温めるだけ。甘くてほっくほくに仕上がりました。
玄米の炊飯は白米とほとんど変わらないお手軽さでした。炊飯直後のカニ穴もちゃんとできていて、玄米の独特の香りが漂います。ただ、このときはやや堅い仕上がりだったのでリゾットに転用。玄米はリゾットに合うので、野菜を加えて改めてブロッコリーとトマトのリゾットに仕立てました。このメニューは既存のレシピを参考に有り物を加えたオリジナル。
タマネギ、パプリカ、ニンジン、ブロッコリー、ミニトマトのほか、ベーコンとシメジも入れました。隠し味でニンニクも少々。火を通すと野菜から水分が出ておいしそうなリゾットになりました。写真はかき混ぜたあと。茶碗によそってピザ用チーズを載せれば完成です。チーズは煮込みの最後に鍋の中に入れてもOKです。好き嫌いの分かれる玄米ですが、これなら子どもでもおいしく食べられそうです。
お手入れもカンタン! 台所に縛られたくない主婦の強い味方
実際に試用してみて、カンタンな操作で本格的な炊飯や調理が可能なことが実感できましたが、もう一つ特筆したいのが、お手入れのしやすさです。ライスポットは鍋とフタはもちろん丸洗い可能。ゴムを使用したパーツもないし、入り組んで洗いにくい場所もありません。ポットヒーターは汚れたところを布巾で拭うだけでOK。お手入れが簡単なのは、衛生面が気になる人にはうれしいポイントです。
ライスポットはご飯の保温機能がないので、家族がバラバラに食事を摂るような家庭などにはあまり向いていません。しかし、「鍋で炊いたおいしいご飯」にこだわりたい家庭にはぜひ検討してみてほしい商品。通常は、決して目が離せない「鍋で炊くご飯」ですが、本機なら台所から離れても、吹きこぼれや炊きすぎの心配もありません。子育てや家事に忙しい主婦にとっても強い味方になるはずです。
【SPEC】
●サイズ/質量:W259(IH調理器部)/311(鍋・取手側)×D296×H208mm(鍋含む):約6.9kg(鍋:約4.0kg、IH調理器部:約2.9kg)●鍋容量:3.7L●消費電力:定格1350W●コード長:1m●炊飯モード:白米(ふつう・おこげ)1~5合、玄米(ふつう・おこげ)1~4合、白米(おかゆ)1~1.5合●調理モード:中火・弱火・極弱火・保温(※保温温度設定は30~95℃)※炊飯モードでの保温機能はなし●付属品:リッドスタンド、米用計量カップ、水用計量カップ、レシピブック
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