アップルが開発中と噂のAR/VRヘッドセット発表が、6月のWWDC(世界開発者会議)まで延期されるとの予想が報じられたばかり。そんななかで、約3000ドル(約40万円)するとも言われているこの高額ヘッドセットについて、なんとアップルのサプライヤーは需要の急増に向けて準備を整えているそうです。
台湾の電子部品業界情報誌DigiTimesの有料記事によれば、光学コンポーネントとモジュールサプライヤーは、新型の拡張現実(XR)デバイスによる需要の急増に備えているとのこと。また、アップルが「今年(2023年)後半」に複合現実(MR)ヘッドセットを発売するとも述べています。
ちょうど先週の半ば、アップルの内部情報に詳しいMark Gurman記者が「当初は4月にヘッドセット発表イベントを開催する予定だったが、6月のWWDCまで延期された」と報じていました。
「WWDCで新型ヘッドセットを発表し、今年後半に発売」というスケジュールは、実はとても理に叶っていることです。つまり、WWDCでヘッドセットとともに開発ツールを公表し、サードパーティの開発者たちがアプリを作る準備を整える。そして数か月後、ヘッドセット本体がお店に並ぶ頃には各種のアプリも揃っている……という状況が理想的なためです。
アップルのAR/VRヘッドセットは「Reality Pro」と呼ばれ、左右の目ごとに4Kディスプレイを搭載、度付きメガネの装着にも対応するとの噂話もありました。また側面にはApple Watchのようなデジタルクラウンがあって回すだけでデジタル世界と現実を行き来できるほか、Mac並みの強力なプロセッサーも搭載。それだけにバッテリーの消耗も激しく、1回の充電につき2時間だけ使えるといわれています。
これだけリッチな仕様であれば、3000ドルという高価格も避けにくいはず。しかし、業界筋が「需要の急増」を予想しているとすれば、その価格を超えた素晴らしい体験をもたらすのかもしれません。