今回の「NEW VEHICLE REPORT」は「ジープ」の新機軸について特集。「ジープ」はブランドそのものの長い歴史に裏打ちされた伝統があり、その一方で歴史あるブランドだからこそ守り続けるためには相応の変化も必要となる。まずはジープの新機軸に触れてみた。
※こちらは「GetNavi」 2023年02・03合併特大号に掲載された記事を再編集したものです
SUVの要素を網羅する万能さが魅力!
【SUV】
ジープ
コマンダー
SPEC【リミテッド】●全長×全幅×全高:4770×1860×1730mm●車両重量:1870kg●総排気量:1956cc●パワーユニット:直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:170PS/3750rpm●最大トルク:35.7kg-m/1750〜2500rpm●WLTCモード燃費:13.9km/L
3列シート+ディーゼルの魅力的な組み合わせを実現
新型コマンダーは、日本向けのジープでは初のディーゼル仕様となるミドル級SUV。そのボディは、現行ジープではコンパスとグランドチェロキーの中間という適度なサイズながら、3列シートの7人乗りを実現していることが魅力的だ。もちろん、SUVだけに3列目の広さこそミニバン級とはいかないが、大人の着座にも耐える実用性は確保。使い方次第では、ミニバンの代替としても選択肢になり得るはずだ。
搭載する2Lディーゼルターボの動力性能は、必要十分というところ。現状ではいくぶん音や振動が気になるものの、高効率な9速ATを組み合わせるだけに巡航時には気にならない。また、ジープらしく走破性を高める装備も充実しているので万能さはライバルと比較しても屈指のレベルだ。日本でも2000年代に導入されていた初代はある種マニア向けだったが、新型コマンダーは新たなジープユーザーを開拓する可能性に満ちた1台と言えそうだ。
[Point 1]ジープのモデルらしく走破性を高める装備も充実
4WDであることはもちろん、悪路での走破性を高める機能に抜かりがない点もジープらしい室内。運転支援系の装備も充実している。室内は3列目シートでも実用的な広さ。
[Point 2]日本仕様はモノグレード
日本仕様のグレードは「リミテッド」のみとシンプルで、車両価格は597万円。ボディカラーは写真のブラックのほかに3色を用意するが、ルーフはどの色でもブラック仕立てになる。
[Point 3]多彩なアレンジが可能
ラゲッジ容量は3列目シートをたたんだ状態で481L。3列目使用時でも170Lが確保されるなど、使い勝手はSUVらしく秀逸だ。
[Point 4]燃費性能はまさに期待通り
2Lディーゼルターボは、今回の試乗でも市街地から高速に至るまで終始2ケタ台の燃費をキープ。経済性は期待通りの出来栄えだ。
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文/小野泰治 撮影/市 健治、郡 大二郎