【2025年版】スマートリモコン入門|3大メリットと失敗しない選び方・設定法

ink_pen 2025/8/9
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【2025年版】スマートリモコン入門|3大メリットと失敗しない選び方・設定法
GetNavi web編集部
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スマートリモコン1台でエアコン・照明・テレビがスマホや音声で操作できます。本稿ではメリット3つとMatter対応製品の選び方、5分でできる設定手順を初心者向けに解説します。

↑スマートホームデビューはリモコンから。

スマートリモコンとは?

↑いろいろなリモコンを一つの機器に集約してスマホで操作できる。

スマートリモコンは一体どんなものなのでしょうか? その基本的な仕組みから見ていきましょう。

私たちの身の回りにあるテレビやエアコン、照明といった家電の多くは、専用の「赤外線リモコン」で操作されています。

このリモコンから発せられる赤外線信号を家電が受信し、電源のオン・オフや温度調整、チャンネル変更などの命令を実行します。

スマートリモコンとは、そんな「赤外線リモコン信号」を学習し、スマホからインターネット経由で操作できるようになる機器です。スマホ連携できる学習リモコンといったところですね。

これまでバラバラだった家電のリモコンが、たった一つの機器に集約され、さらに手元のスマホやスマートスピーカーの「声」で操作できるようになるのです。

例えば……

・ソファに座ったまま、スマホでエアコンの温度を調整すると同時に照明の明るさも変える。

・寝室から「OK Google、リビングのテレビを消して」と話しかけるだけで、消し忘れを気にせず眠りにつける。

・外出先からスマホアプリでエアコンをオンにする操作を行うと、帰宅時には快適な室温で迎えてくれる。

これらすべてを可能にするのがスマートリモコンです。物理的なリモコンを探す手間がなくなり、家電操作が格段にスムーズになります。

では、なぜ今スマートリモコンなのでしょうか?

日本は、サイバー空間とフィジカル空間が融合した人間中心の社会「Society 5.0」に向かっており、政府は2025年、スマートシティ技術の推進に2億2500万ドル(約333億円※1)を投じていると言われています(※2)。

私たちの家はその最前線の一つ。データを活用した先進的なサービス(例えば、IoT)は家にも広がりつつあります。そうなると、家電のリモコンの複雑さは無視できません。

さまざまな家電をシンプルに操作できるシステムがあったら……。それこそが、スマートリモコンなのです。

このリモコンは、近未来のライフスタイルへの入り口と言えるでしょう。

※1 1ドル=約148円で換算(2025年7月28日現在)

※2【参考】

総務省. Part 1 Special Topic (50 years since the publication of the first Information and Communications White Paper – changes in ICT and digital economy

米商務省国際貿易局. Japan Smart Cities

スマートリモコン導入の3大メリット

スマートリモコンを導入することで、あなたの暮らしはどのように変わるのでしょうか? 主なメリットは3つあります。

1: スマホや音声アシスタントで家電をまとめて操作できる

↑家電をスマホで一元管理。

最大のメリットは、何と言っても「操作性の向上」です。

・スマホで一元管理

テレビ、エアコン、照明、扇風機、お風呂の給湯器(赤外線リモコン対応のもの)など、バラバラだったリモコンがすべてスマホアプリに集約されます。もう「リモコンどこだっけ?」と探し回る必要はありません。

寝室からリビングのエアコンを操作したり、リビングからキッチンの照明を消したりと、場所を問わず家電をコントロールできます。

・音声でハンズフリー操作が可能

Amazon Alexa(Echoシリーズ)やGoogleアシスタント(Google Nestシリーズ)などの音声アシスタントを搭載するスマートスピーカーと連携すれば、声だけで家電を操作できるようになります。

料理中で手が離せないとき、子どもを抱っこしているとき、布団から出たくないときなど、「〇〇、テレビをつけて」「〇〇、エアコンを消して」と話しかけるだけで、家電が思い通りに動いてくれます。

これは一度体験すると手放せなくなるほどの快適さです。

2: タイマー・シーン設定で家電を自動化! 時短と省エネにも貢献

スマートリモコンの真価は、単なるリモコンの置き換えにとどまりません。特定の条件で家電を自動的に操作する「自動化」機能が、暮らしを劇的に快適にします。

・「シーン」設定で一括操作

複数の家電を一つのコマンドやボタンでまとめて操作できる「シーン(または定型アクション、ルーティンなど)」を設定できます。

・「おはよう」シーン

設定時刻になると、寝室の照明が点灯し、リビングのエアコンがオンになり、テレビでニュース番組が映し出される。

・「ただいま」シーン

玄関のドアを開けると、リビングの照明とエアコンがオンになり、お気に入りのBGMが流れ出す。

・「おやすみ」シーン

寝る前に「おやすみ」と話しかけるだけで、リビングのテレビや照明がすべてオフになり、寝室のエアコンがおやすみモードに切り替わる。

好みに合わせてこれらの設定を行うことで、毎日のルーティンが劇的にスムーズになり、大きな時短・時産効果が生まれます。

・タイマー設定で忘れ物防止・省エネ

特定の時間に家電をオン・オフするタイマー設定も可能。「朝7時にエアコンをオンにする」「夜11時にテレビをオフにする」といった設定で、消し忘れによる電気代の無駄遣いを防ぎ、快適な環境を維持できます。

・センサー連携でさらに賢く

温湿度センサーを搭載するスマートリモコンなら、高度な自動化が実現します。例えば、「室温が28度を超えたらエアコンを自動でオン」なんてことができます。

さらに人感センサーやドア開閉センサーなどと組み合わせることで、もっと高度な自動化も。「人感センサーが人を感知したら照明をオンにする」といった、まさにスマートホームらしい活用が可能です。

3: 外出先から遠隔操作、安心と防犯効果も

↑外出先から家電を操作できる。

「エアコンを消し忘れたかも」「帰宅するまでに部屋を暖めておきたい」。こんなときにもスマートリモコンが活躍します。

・消し忘れ防止

↑エアコンを消し忘れたときも。

スマートリモコンは赤外線信号を送信する機能を搭載する機器なので、家電の使用状況を確認することはできません。

しかし、温度センサーを内蔵するスマートリモコンなら、「真夏の暑い日に室温が25℃」=「エアコンがつけっぱなし」と推測できます。

照度センサーを内蔵するスマートリモコンなら、部屋の明るさを確認することで照明がつけっぱなしかどうかを確認できます。

このように外出先からスマホアプリで家電の状況を確認し、もし消し忘れていればすぐにオフにできます。

無駄な電気代を削減できるだけでなく、火災などのリスクを軽減し、安心感につながります。

・帰宅前の準備

夏の暑い日には、帰宅30分前にエアコンをオンにしておけば、家に着いた瞬間に快適な涼しさが迎えてくれます。冬場であれば、暖房や電気毛布をオンに設定しておくことも可能です。

・ペットの見守り

↑ペットが留守番していても安心。

留守番中のペットのために、室温管理を遠隔で行うことができます。夏場の熱中症対策、冬場の寒さ対策はもちろん、春先や秋口で急に暑くなった日でもペットの危機に対処できて安心です。

・簡易的な防犯対策

旅行などで家を長期間空ける際、特定の時間帯に照明をオン・オフする設定をすれば、あたかも誰かが家にいるかのように見せかけることができます。これにより、空き巣などの侵入抑止効果が期待できます。

代表的なスマートリモコン製品

スマートリモコンにはいくつかの人気製品があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは代表的な製品をいくつか紹介します。

SwitchBot「SwitchBot ハブ」シリーズ

スマートホーム製品を幅広く展開するSwitchBot社のスマートリモコン。

SwitchBotボットや温湿度計、スマートロック、スマートカーテンなど、同社のほかのスマートホーム機器との連携機能が非常に豊富で、総合的なスマートホームを構築したい場合に強力な選択肢となります。

【主なモデル】

SwitchBot ハブミニ(Matter対応)

実勢価格: 5480円(税込)

温湿度センサーは非搭載ですが、コンパクトでコスパに優れた入門モデルです。

SwitchBot ハブ2

実勢価格: 9980円(税込)

温湿度計・照度計を内蔵しており、より正確な環境データを取得可能なスマートリモコンです。温度・湿度を表示するディスプレイのほか、カスタマイズできるタッチボタンを二つ備えています。

SwitchBot ハブ3

実勢価格: 1万6980円(税込)

温湿度計・照度計を内蔵するほか、温度調節や照明の明るさ調節などが可能なダイヤル、四つのカスタムボタンを搭載するスマートリモコンです。

室温や湿度に加えて、別売のスマートロックの施錠状況などもディスプレイで確認できるようになっています。

Nature「Nature Remo」シリーズ

エネルギーマネジメント製品や家庭向けの電力小売事業も手がける、かなり異色のスマートホーム機器メーカー・Nature社のスマートリモコン。

省エネ化やエネルギーマネジメントに主眼を置いているため、自社製品としてのスマートホーム機器のラインアップはほとんどありません。

その代わり、他社製の照明やスマートロックなどのスマートホーム機器との連携機能を備えています。

【主なモデル】

Nature Remo Lapis

実勢価格: 7980円(税込)

石のようなユニークなデザインが特徴のモデル。温度・湿度センサーを内蔵しており、ペットの空調管理にも向いています。

Nature Remo mini 2

実勢価格: 6480円(税込)

コンパクトで手軽に導入できるモデル。湿度センサーは内蔵していないものの、温度センサーを搭載することで温度に合わせた空調管理が可能です。

Nature Remo 3

実勢価格: 9980円(税込)

温度・湿度・人感・照度センサー付きの高性能モデル。より高度な自動化や、人感センサーによる見守りや防犯対策にも活用できます。

ラトックシステム「smalia」シリーズ

国内メーカーであるラトックシステム社が提供するスマートリモコンです。

日本の家電製品との互換性や、国内ユーザーのニーズに合わせた機能が特徴。

一部モデルでは学習リモコン機能に加えて、温度センサーや人感センサーを搭載しているものもあります。

【主なモデル】

smalia RS-WBRCH1

実勢価格: 7980円(税込)

温度・湿度・照度センサーを内蔵し、さまざまな条件で家電操作を自動化できる多機能モデルです。

センサーの計測値をグラフで確認できるほか、指定の温度・湿度で通知することも可能。

選び方・チェックポイントリスト

スマートリモコンを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。

・対応家電(赤外線リモコンの種類や周波数)

スマートリモコンが、自宅にある家電のリモコン信号に対応しているかを確認しましょう。

特に、マイナーなメーカーの家電や、古い家電を使用している場合は、事前に対応状況を確認することがおすすめ。製品によっては、対応していないリモコン信号もあるため、注意が必要です。

・スマートホーム連携

Amazon Alexa、Google Home、Apple HomeKitなど、どのスマートホームプラットフォームに対応しているかを確認しましょう。

普段使用しているプラットフォームに対応していれば、声だけで家電を操作できるようになり、さらに便利になります。

・アプリの使いやすさ

アプリの操作性は、スマートリモコンの使いやすさを大きく左右します。アプリのインターフェースが見やすく、直感的に操作できるかを確認しましょう。

・サイズ・デザイン・電源方式

設置場所やインテリアに合わせて、サイズやデザインを選びましょう。電源方式も、設置場所によって適したものが異なります。

USB給電式は、パソコンやモバイルバッテリーから電源を取れるため設置場所を選びませんが、コンセントが必要な場合は、設置場所にコンセントがあるかどうか確認が必要です。

設定方法・導入手順

スマートリモコンの設定は、以下の手順で行います。

1: 初期セットアップ(Wi-Fi接続、アプリインストール)

スマートリモコンを電源に接続し、スマホに専用アプリをインストールします。アプリを起動し、指示に従ってWi-Fiに接続します。

2: リモコン学習手順(家電リモコン信号を読み込む)

アプリ上で操作したい家電を選択し、リモコン学習モードを開始します。スマートリモコンに家電のリモコンを向けて、信号を読み込ませます。

3: シーンやルーティンの設定例(「帰宅時にエアコンオン」「就寝前に照明オフ」など)

アプリ上で家電を操作する時間や条件を設定します。「帰宅時にエアコンをオンにする」というシーンを作成したり、「就寝前に照明をオフにする」というルーティンを設定したりできます。

設定方法は、製品によって異なる場合がありますので、取扱説明書をよく読んでから設定を行ってください。

注意点・デメリット

スマートリモコンを導入する際には、以下の点に注意が必要です。

・赤外線が届かない配置や離れた部屋の家電は操作不可

スマートリモコンは赤外線を使って家電を操作するため、赤外線が届かない場所に設置された家電や、離れた部屋にある家電は操作できません。

・定期的なアプリ・ファームウェア更新

アプリやファームウェアのアップデートを定期的に行う必要があります。アップデートを怠ると、正常に動作しなくなる場合があります。

・ネット環境・Wi-Fi障害時は使えない

スマートリモコンはWi-Fiネットワークを利用するため、インターネット環境やWi-Fiに障害が発生すると使用できなくなります。

ほかのスマートホームデバイスとの連携

↑スマートスピーカーと組み合わせて声で家電を操作。

スマートリモコンは、他のスマートホームデバイスと連携させることで、さらに便利になります。

・スマートスピーカー(Echo、Google Nest、Home Podなど)

スマートスピーカーと連携することで、声だけで家電を操作できるようになります。

・スマート照明、スマートロック、防犯カメラ

スマート照明と連携して、時間帯や人の動きに合わせて照明を自動的にオン・オフしたり、スマートロックと連携して、帰宅時に自動的にドアを解錠したりできます。

また、防犯カメラと連携して、異常を検知した際に自動的に録画を開始したり、スマホに通知を送ったりすることも可能です。

価格帯・購入先

スマートリモコンは、Amazonや家電量販店などで購入できます。価格帯は、一般的に3000円~1万円程度。セールやキャンペーンを利用すれば、さらに割安になる場合もあります。

まとめ: スマートホームへの第一歩を

スマートリモコンの導入は、スマートホームへの第一歩としておすすめ。このリモコンは家電操作を一括化・自動化できる便利なデバイスです。

スマホや音声で手軽に家電を操作できるようになり、生活がより快適になります。この記事を参考に、ぜひスマートリモコンの導入を検討してみてください。

スマートリモコンに関するよくある質問(FAQ)

日本のスマートホーム市場の急成長に伴い、スマートリモコンへの関心が高まっています。主な疑問にお答えします。

Q1: スマートリモコンって何ですか? 普通のリモコンと何が違うの?

A: スマートリモコンは、テレビやエアコンなどの家電をスマホや音声で操作できるリモコンです。赤外線リモコンの信号をスマート化してくれる小さなガジェットで、「家中のリモコンをひとつにまとめたい!」という方にぴったりです。

Q2: どうして今、スマートリモコンが注目されているんですか?

A: 家事の時短、リモコン探しのストレス軽減、そしてIoT化による快適な暮らしです。特に共働き世帯や子育て中の方には、時間と心のゆとりをくれるアイテムとして人気が高まっています。

Q3: スマートリモコンは実際にどんなことができるんですか?

A: スマートリモコンを使えば、スマホアプリからテレビやエアコンなどの家電を操作できるようになります。

さらに、音声アシスタント(AlexaやGoogleアシスタントなど)と連携すれば、声で操作も可能。スケジュール設定や外出先からの遠隔操作にも対応しているモデルが多く、暮らしが一気に便利になります。

Q4: スマートリモコンの初期設定は難しいですか?

A: 多くのスマートリモコンは、専用アプリをインストールして、Wi-Fiや家電を登録するだけで使い始められます。説明書やチュートリアル動画が充実している製品も多く、機械が苦手な方でも安心して導入できます。

Q5: スマートリモコンを選ぶとき、どんなポイントをチェックすればいいですか?

A: 主に以下の5つです。

・センサーの有無: 温度・湿度、照度、人感センサーなどセンサーが多いほど便利

・対応家電の種類: テレビ、エアコン、照明など対応機器が多いほど◎

・アプリの使いやすさ: 日本語対応&シンプル操作が理想

・音声アシスタントとの連携可否

・スケジュール設定の自由度: 自動でオン・オフできると便利

Q6: スマートリモコンの費用はいくらですか? コスパはどうですか?

A: 製品によって価格帯は幅広いですが、3000〜10000円前後で買えるモデルが多く、月々の利用料も基本的にかかりません。

リモコンの数を減らしたり、電気のムダ使いを減らしたりすることで、長期的には時短・時産・節約につながる可能性があります。

Q7: スマートリモコンはWi-Fiがないと使えませんか?

A: 一部の基本機能はBluetoothでも使えますが、家の外から操作したり、音声連携を使ったりしたい場合はWi-Fiが必要です。

Q8: スマートリモコンを使う場合、家のセキュリティは大丈夫ですか?

A: 多くの製品は暗号化通信を採用しており、安全性に配慮されています。

ただし、スマート家電と同様に、Wi-Fiのパスワード管理や定期的なアップデートなど、基本的なセキュリティ対策はご自身でも意識することが大切です。

【解説者】

安蔵 靖志

ITジャーナリスト・家電エバンジェリスト。一般財団法人家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー、スマートマスター。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。X

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