花粉の増加や在宅時間の長期化など、空気環境への意識が高まる昨今、空気清浄機は暮らしの安心を支える家電として欠かせない存在になっています。
2026年は、AI制御やフィルター素材の進化など、選ぶポイントも少しずつ変わってきました。この記事では、トレンドを押さえた空気清浄機のカタログの読み方から目的別の選び方、見落としがちなポイントまでを解説します。

目次
空気清浄機を導入するメリットとは?
空気清浄機は、部屋の空気をきれいに保つだけでなく、暮らしの快適さにも大きく関わります。導入メリットとして、主に次のような点が挙げられます。
- 花粉・ハウスダスト・PM2.5などの微粒子を除去
- ペット臭や生活臭の軽減
- ウイルスやカビ菌の抑制
- 加湿機能付きなら乾燥対策にも有効
最近のモデルはセンサーが優秀。空気の汚れを自動で検知してモニターやランプなどに表示して、最適な運転に切り替えてくれます。ユーザーが細かく操作しなくても、部屋の空気を一定レベルに保てるのが便利です。Wi-Fiを搭載した製品もあり、スマホアプリと連携して、モニタリングの表示や、遠隔操作、細かなスケジュール設定なども行えます。

押さえておきたい! 空気清浄機の「カタログ用語」
空気清浄機にはさまざまな性能指標や専門用語があります。ここでは、必ずチェックしておきたい、カタログに記載されている基本用語や指標を解説します。
適用床面積
JEMA(日本電機工業会)が定める試験規格に基づき、“その空気清浄機が30分で空気をきれいにできる部屋の広さ”を示した指標です。メーカーごとの独自基準ではなく、JEMAの統一規格(JEM1467)に沿って算出されているため、製品間の比較がしやすい点が特徴です。
2026年4月から新基準採用へ
長年使用されてきたJEMAによる業界指標が、このほど大きく見直しがされ、2026年4月から改訂されます。従来の基準は、「タバコの煙をどれだけ早く除去できるか」という、現在の使用環境の実態とはやや離れた条件に基づいていました。しかし、新しい基準では「部屋の中の細かい粒子を、どれだけ少ない状態に保ち続けられるか」という集じん性能を表す、より実使用に近い指標へと刷新されます。
この変更に伴い、表示される適用床面積は、従来よりもおおよそ2/3程度の数値に見直されるとも言われています。これは性能が下がったという意味ではなく、評価方法が実際の使用状況に近づいた結果で、空気清浄機の性能がこれまで以上にわかりやすく示されるようになります。
CADR(Clean Air Delivery Rate)
空気清浄機が1分間にどれだけ“きれいな空気”を供給できるかを示す性能指標です。もともとアメリカのAHAM(家電製品協会)が定めた基準で、空気清浄機の実力を客観的に比較するために使われています。
CADRは、空気中の汚れをどれだけ早く除去できるかを測定し、その結果を数値(m³/h または CFM)で表します。数値が大きいほど、短時間で大量の空気を浄化できることを意味します。
測定では、タバコ煙・花粉・ホコリなどの粒子を含んだ空気を一定の試験室に満たし、空気清浄機を運転して濃度がどれだけ下がるかを計測します。単なる風量ではなく、「風量 × フィルターの捕集効率」を反映した“実際の清浄能力”がわかる点が特徴です。
CADRは国際的に広く使われている指標で、特に海外メーカーの空気清浄機では主要スペックとして表示されることが多く、製品同士の比較にも役立ちます。
フィルターの種類
空気清浄機には目的に応じたフィルターを装備しています。主なフィルターの種類には以下の3つがあります。最近は複数のフィルターを組み合わせたモデルが主流になっています。
| フィルターの種類 | 特徴 |
|---|---|
| プレフィルター(粗じんフィルター) | 大きなホコリや髪の毛、繊維くずなどを最初に捕集する一番外側に配備するフィルター。洗える場合がほとんど |
| 集じんフィルター | 花粉やPM2.5、ダニ、カビウイルスなどの微粒子を除去するためのメインフィルター。高性能なものに、HEPAフィルター、TAFUフィルターなどがある |
| 脱臭フィルター | ニオイやVOC(揮発性有機化合物)、化学物質を吸着するニオイ対策のためのフィルター。活性炭フィルターが主流 |

集じん方式
空気中のホコリや花粉、PM2.5などの粒子をどのように捕まえて取り除くかという仕組み。現在は、以下の3つの方式が主流です。
- フィルター式
空気を吸い込み、内部のHEPAフィルターなどで粒子を物理的に捕集する方式。微細な粒子までしっかり取り除けるため、花粉やPM2.5対策に強く、家庭用モデルの多くがこの方式を採用しています。一方で、フィルターが目詰まりすると風量が落ちるため、定期的な交換が必要です。
- 電気式(静電気方式)
空気中の粒子に電気を帯びさせ、帯電した集じん板に吸着させる方式。フィルターの目詰まりが少ないため、風量を維持しやすく、広い空間でも効率的に使えるのが特徴。ただし、集じん板のこまめな洗浄が必要で、粒子の種類によって捕集性能に差が出ることがあります。
- 両方式併用(ハイブリッド方式)
フィルター式と電気式のメリットを組み合わせた方式。高い集じん性能と風量の維持を両立します。広いリビングや高性能を求める家庭に向いていますが、構造が複雑なぶん本体価格やメンテナンスコストは高めです。
ココもチェック! 空気清浄機を選ぶ際にうっかり見落としがちなポイント
フィルター交換
本体価格よりも、長く使ったときのフィルターなどを含む総コストが大切です。10年交換不要をうたったモデルでも、環境によってはフィルターの寿命が短くなることがあります。
チェックポイント
- 交換サイクル(1年、10年など)
- 交換フィルターの価格
- プレフィルターの掃除頻度

お手入れのしやすさ
毎日使う家電だからこそ、メンテナンス性は非常に重要。以下のポイントをチェックしましょう。
チェックポイント
- プレフィルターが簡単に外せるか
- 内部にカビが生えにくい構造か
- 加湿機能付きの場合、タンクの洗いやすさ
運転音と消費電力
就寝時の運転音は20dB前後が理想的です。24時間運転することを前提に、1カ月あたりの消費電力もチェックしておきましょう。
センサーの種類
ホコリ・ニオイ・PM2.5など、搭載されているセンサーの種類と精度は使い心地に直結します。高精度センサーを搭載した空気清浄機は、汚れを素早く検知して無駄な運転を減らして効率よく空気を浄化できます。

目的別・空気清浄機の選び方
目的別に、空気清浄機の選び方のポイントと最新モデルのトレンドを解説します。また、それぞれに“一芸”的な特徴を持つ製品を合わせて紹介します。
花粉・アレルギー対策
花粉症やハウスダスト対策には、集じん性能と吸引力を重視しましょう。
チェックポイント
- 高性能HEPAフィルターの搭載
- 前面吸引や全方位吸引など、効率よく空気を取り込む構造の採用
- PM2.5・ホコリセンサーの精度
- 自動運転の反応速度
2026年モデルでは、AIが花粉の飛散傾向を学習し、事前に風量を上げる“予測運転”を搭載した機種も登場しています。
■シャープ「KI-UX100」

ペットを飼っている家庭
ペット対策で気になるのは、ニオイと毛・フケへの対応力です。
チェックポイント
- 活性炭フィルターの厚みや質
- ペット臭専用フィルターの有無
- 毛が絡みにくいプレフィルターの採用
- 床付近の吸引口の有無(毛が舞い上がる前に吸い込む)
動体検知センサーでペットの動きに合わせて風量を調整する高度なモードを備えたモデルもあります。
■ブルーエア「PetAir Pro P3i Sand」

赤ちゃんや敏感な人がいる家庭
重視したいのは、静音性と清潔性。夜間の睡眠を妨げない“ナイトモード”の搭載も見逃せないポイントになります。
チェックポイント
- 最小運転音20dB以下
- フィルター交換のしやすさ
- 加湿機能付きならタンクの衛生管理(抗菌仕様・自動洗浄機能の搭載)
■ダイソン「Dyson HushJet 空気清浄機」

ニオイ・料理の煙対策
キッチン周りで使うなら、脱臭性能が重要。特にワンルームでは、料理のニオイが残りやすく、脱臭強化型モデルが活躍します。
チェックポイント
- 活性炭フィルターの性能(活性炭の量)
- 吸い込み口の位置(煙は上に上がるため上部からの吸引が有利な場合が多い)
- 油汚れが付着しにくい構造
■ブルーエア「Blue Signature SP4i」

FAQ
Q1: 「大きいほど強力」は本当?
A:本体サイズよりも、風量とフィルター性能がポイントです。適用床面積が部屋の広さに合ったモデルを選ぶことも大切です。
Q2:加湿機能は必須?
A:冬の乾燥対策には便利な反面、お手入れが増える点には注意が必要です。加湿が不要であれば、空気清浄専用モデルのほうが扱いやすい場合もあります。
Q3:24時間つけっぱなしはOK?
A:基本的には問題ありません。むしろ空気質を安定させるために、ほとんどのメーカーがつけっぱなしを推奨しています。
Q4:フィルターは掃除すれば交換不要?
A:プレフィルターは基本的には掃除が可能です。しかし、HEPAなどの集じんフィルターや活性炭フィルターには寿命があり、交換せずに使い続けると性能が大きく落ちてしまいます。
日々の暮らしの空気質を整えることは、健康だけでなく快適さにも直結します。2026年の空気清浄機はAI制御や高性能フィルターの進化で、目的に合わせた選び方がより重要になりました。
花粉やペット、赤ちゃん、料理臭など、家庭ごとの悩みに応じて最適な機能は異なります。カタログなどをチェックして、フィルター交換コストやセンサー精度、メンテナンス性まで含めて総合的に判断することが、満足度の高い1台を選ぶ近道となるでしょう。
※本記事の内容は、掲載日時点のものです。商品や価格は予告なく変更されたり、店舗によってはお取り扱いがなかったりする場合があります。