ケルヒャー ジャパンは、2026年の業務用製品戦略説明会を開催しました。説明会では、新たに同社の代表取締役社長に就任した挽野 元氏が、社会価値の創出を目指す「クリーニング・ソリューション・カンパニー」への進化を掲げ、日本市場における重点分野として「農業」と「産業の現場」を打ち出しました。

農業では「衛生×省力化」を重視。産業では「自動化」を推進
重点分野のひとつが農業です。農業の社会課題として「衛生リスクの増大」「資源の制約」を挙げ、食の基盤を支える清掃ソリューションとして「衛生×省力化」を提案しています。
この分野で同社が訴求するのが、温水高圧洗浄による衛生管理です。冷水から温水への切り替えによって、作業時間と水使用量を35%削減できるとし、さらに同社のボイラーは低燃費で、すぐに温まって無駄が少ない点も特徴として挙げています。


数値目標としては、農業清掃機器市場におけるシェアを、2025年の17%から2030年に30%へ拡大する方針を示しました。
もうひとつの重点分野が、産業の現場です。資料では、2030年には約640万人の労働力不足が予測されるなか、物流・産業分野では「運ぶ」の自動化が進んでいると説明。その流れを受け、ケルヒャーは「整える(清掃)」の自動化を進める方針を打ち出しました。
ここでは、ロボティクスによって清掃品質を保ちながら、現場の省人化と自動化を図る考えです。フロアケア事業におけるロボット市場の比率についても、現状の5%から2030年に25%へ拡大する目標を掲げました。
日本社会への提案は「水」「ノンケミカル」「省力化・自動化」の3本柱
説明会では、日本社会に向けたソリューションとして、「水」「ノンケミカル」「省力化・自動化」の3つの切り口が紹介されました。
「水」では、少ない水量で強力な高圧洗浄を実現し、リンス不要の洗浄剤によって水と時間を削減する提案を実施。高圧洗浄機の節水率を20〜30%(水道比較)としています。
「ノンケミカル」では、温水やスチームの活用によって洗浄剤の利用削減を図るほか、温水除草による農薬削減、除菌や害虫卵駆除なども提案。さらに、温水洗浄によってバクテリアやウイルスを99.999%除去できるとしています。

「省力化・自動化」では、ロボットによる自動清掃に加え、高齢者や外国人作業者にも使いやすい商品設計、屋外作業の時短による熱中症対策などを挙げています。スイーパーについては、掃き掃除を6時間から1時間に短縮できると説明しました。

ロボット掃除機「KIRA CV 50」と洗浄ロボット「KIRA B 50」は、清掃作業の無人化、省力化、清掃品質の標準化に貢献する製品として紹介されました。


また洗浄剤では、独自の特許技術「ASF」を採用した「ノンリンスECO RM764 N」「マルチECO RM 69N」を紹介。洗浄後の排水から原油を分離しやすくし、排水処理設備のオイルセパレーターで油水分離を容易にすることで、汚水浄化を効率的に行えるとしています。

清掃を企業価値向上のための「投資」と捉え直す
今回の説明会で繰り返し示されたのが、清掃を単なる維持管理のための「コスト」ではなく、企業価値向上のための「投資」とする考え方です。説明会でもそのメッセージを明確に掲げており、節水、薬剤削減、省力化、自動化といった取り組みを通じて、日本社会の課題解決に結び付けていく姿勢が示されました。
