日本テレビやフジテレビなど民放5社が提供する、テレビ番組のキャッチアップ(見逃し配信)サービス「TVer」(ティーバー)のiOS/Android向けアプリ(無料)が、10月26日のサービス開始からわずか3週間で100万ダウンロードを突破しました。
同サービスは、テレビ番組のリアルタイム放送を見逃した視聴者のために、番組放送終了後から1週間程度、ネット上で無料配信するもので、Webサイトやアプリから視聴することができます。対象となる番組では、放送中に「番組をもう一度見たい方は、ネットで無料で視聴できます」と案内しているので、TVerのロゴなどを目にされた方も多いでしょう。今回は、放送局による新しいサービスについてご紹介します。
画質は”必要十分”。CMは短くストレスを感じない
TVerは、動画投稿サイトなどへのテレビ番組の違法アップロードに視聴者が流入するのを抑えることを目的としています。TVerの視聴は無料ですが、番組中には15~30秒程度のCMが3~5回程度入り、その広告収入や宣伝効果でサービスが成り立っています。
実際に、あるドラマ番組を視聴してみたところ、46分ほどの本編のうち、冒頭と開始から20分、27分、30分のところと最後の計5回で番組の宣伝や広告が挟まれていました。これらはスキップできませんが、長くても30秒のCMが1本流れるだけなので、テレビに比べれば短く、それほどストレスには感じません。またCMが入るタイミングも自然で、話の流れを無理やり断ち切られるようなこともありませんでした。これなら我慢できる、と感じるユーザーも多いでしょう。
PCのフルHDモニターに全画面表示して視聴した限り、画質もキレイで圧縮率の高い映像にありがちなノイズも目立ちません。フレームレートがそれほど高くないのか、動きのあるシーンではややカクツキを感じましたが、全体的な印象としては「必要十分」だと感じました。
分かりやすいUIは好印象。難点は少ない配信番組数
サイトのUIは非常に分かりやすく、番組の並びも「新着」や「きのう」、「おととい」などと分類されているため、目当ての番組が見つけやすくなっています。また、お気に入りの番組をマイリストに保存したり、出演者から番組を探すこともできるなど、無料ながらかゆいところに手が届く作りになっていることも好印象です。
一方で、配信番組数が少なく(各局週10本程度)、全ての見逃しをカバーできるには至っていないことや、配信番組がドラマ・バラエティに偏っていてニュース系が皆無なことなど、まだまだ改善できる余地もあるように思えます。今後、配信される番組数の増加に期待したいところです。
これから年末にかけて、忘年会などでテレビを見逃すことが増える季節。また、特番や一挙再放送などが増え、レコーダーのやりくりも大変になることも多いでしょう。見逃しや録画し忘れなどの際には、ぜひTVerを活用してみてはいかがでしょうか。