地デジ放送移行時にテレビを購入した人は、4Kへの乗り換えどきを迎えているころ。そこで、当時の30〜40V型からの乗り換えに最適な50V型クラスの4K機を、プロが5項目でテスト。乗り換え対策はこれを読めば万全です!
私が比較しました:AV評論家 藤原陽祐さん
本誌のほかAV専門誌、ウェブサイトなどに寄稿。4Kテレビを中心にAV機器の市場動向に精通する。
18年開始の4K/8K放送も専用レコーダーで楽しめる
この年末年始に4Kテレビへの乗り換えを検討している人も多いことでしょう。AV評論家の藤原陽祐さんは次のように語ります。
「4K液晶テレビの価格は、各メーカーともだいぶこなれてきました。特に、50V型クラスのスタンダード機は軒並み10万円台に突入しており、お買い得です。画質・機能ともにそれなりの水準に達しているので、どれを選んでも大きな失敗がなく、4Kデビュー機としては妥当といえるでしょう」
2018年12月にはBS/110度CSを使った4K/8K放送のスタートが予定されています。現行モデルを購入してもよいものでしょうか。
「4K放送を受信できるチューナーを内蔵するレコーダーを、現在各メーカーが開発中。18年11月ごろにおひろめされる見込みです。これを接続すれば、現行の4Kテレビでも4K放送を視聴・録画できるようになるので安心してください。4Kチューナー搭載レコーダーは、いま発売されているレコーダーより少し高価になる程度といわれ、一般ユーザーでも十分に購入可能。18年の注目アイテムとなるでしょう」(藤原さん)
サウンドシステムにも注力し臨場感のある視聴体験を
シャープ
実売価格14万9660円
●サイズ/質量W1126×H719×D271㎜/約22.0㎏
低反射「N-Blackパネル」を採用し、美しく見やすい映像を実現。オンキヨーとのコラボによるスピーカーシステムとあいまって、臨場感たっぷりの視聴体験ができます。
決め手はココ!メリハリの効いた華やかな画質
マットな「N-Blackパネル」を採用しながらも、映像の解像感をキープ。高コントラストでメリハリの効いた華やかな画質を実現しています。
第1科目 画質
低反射「N-Blackパネル」で明るい部屋でも見やすいです。倍速駆動のVAパネルを採用し、階調感も上々。
第2科目 音質
オンキヨーとのコラボスピーカーは、開口部が前向きの構造。聴き取りやすく臨場感もたっぷりです。
第3科目 録画
内蔵チューナーは地デジ×3、BS/110度CS×3。裏番組表示では出演者が顔写真付きで紹介されます。
第4科目 設置性
スイーベル(回転式)スタンドを採用。視聴位置に合わせて画面の角度左右30°まで調節できます。
第5科目 操作性
リモコン操作の反応はまずまず。YouTubeなどネット動画へのアクセスもワンタッチで行えます。
総合評価:82
「リーズナブルな価格ですが性能は◎。コスパの高い秀作です」(藤原さん)
高画質技術がさらに進化し色の再現性が向上した
パナソニック
実売価格19万2320円
●サイズ/質量:W1106×H700×D351㎜/約18.5㎏
独自の4K高画質技術が進化し、特に色の再現性を向上。放送/録画番組、VODを一覧表示可能な「アレコレチャンネル」機能で、見たいコンテンツを簡単に探せます。
決め手はココ!多彩なメディアを快適に視聴できる
放送番組とネットコンテンツをシームレスに楽しめるのがポイント。ワンタッチで一覧表示でき、メディアの切り替えも早いため非常に快適です。
第1科目 画質
上位モデルの技術を生かした画質は、発色が自然でそつのない仕上がり。特に肌色の再現は見事です。
第2科目 音質
スピーカーは下向き配置で音がこもりがち。大きめのテレビ台で反射させるなどの工夫が必要となります。
第3科目 録画
チューナーは各3基。コンテンツを一覧表示する「アレコレチャンネル」からもすぐ録画できます。
第4科目 設置性
2Wayの設置パターンに対応するスタンドを採用します。IPSパネルのため視野角が広い点も注目です。
第5科 操作性
多彩な機能リモコンによるチャンネル/メディア切り替え速度は圧倒的。音声操作の精度も良好です。
総合評価:86
「多彩な機能を備えるが、サクサクと操作できます。画質も上々です」(藤原さん)
地デジ放送の映像を巧みにアップコンバートして描写
東芝
実売価格13万210円
●サイズ/質量:W1125×H684×D178㎜/18.5㎏
独自開発の映像エンジン「レグザエンジンBeauty」を搭載し、精細感や自然な色彩、輝きを再現します。高速グラフィック処理により、ゲームプレイ時の遅延なども改善。
決め手はココ! 低遅延表示が可能なゲームモードを搭載
「4Kゲーム・ターボ」機能を搭載。高レスポンス&高精細グラフィックスにより、遅延が大敵となるアクションゲームなども快適にプレイできます。
第1科目 画質
地デジ映像のアップコン処理技術は随一。違和感がなく、人肌など自然な4K映像に仕上がっています。
第2科目 音質
オンキヨーとの共同開発によるスピーカーを搭載。前向きの配置で、クリアな音がダイレクトに届きます。
第3科目 録画
チューナーは各3基。同社の全録レコーダーと連携して視聴できる「タイムシフトリンク」が便利です。
第4科目 設置性
小型スタンドで設置の自由度は高いです。ただ、画質面では視野角が多少ナーバスなので注意したいです。
第5科目 操作性
放送番組の切り替えが速く、ストレスフリー。ネットコンテンツの呼び出しには多少時間がかかります。
総合評価:83
「アップコンと録画性能がウリ。テレビ番組を楽しみたい人に」(藤原さん)
部屋に合わせて色を選べるスリムなベゼルを採用
ソニー
実売価格14万770円
●サイズ/質量:W1096×H691×D252㎜/12.9㎏
スリム設計のベゼルは、ブラックとウォームシルバーの2色をラインナップ。Android TVを搭載し、放送からネット動画までリモコンから音声検索できるのもウリです。
決め手はココ! 放送もネットも多彩な4Kコンテンツに対応
見た目もさることながら、Android TVやスカパー!4Kチューナーを搭載するなど機能面も充実。多彩な4Kコンテンツを視聴できるのも魅力です。
第1科目 画質
ソニーらしく明るい鮮やかな画質に仕上がっています。ディテールを見ると質感が出ていないことも。
第2科目 音質
豊かな低音を実現する「バスレフ型スピーカー」を搭載。ただし、下向き配置で出力も小さめです。
第3科目 録画
内蔵チューナーは各2基のみ。コンテンツの音声検索は高精度で、録画予約も音声で手軽に行えます。
第4科目 設置性
電源部を本体に内蔵しない設計にしたことで、スリムなデザインを実現。壁掛けでの設置にもピッタリです。
第5科目 操作性
Android TVを搭載し、手軽に多彩なコンテンツを楽しめます。リモコン操作のレスポンスはいまひとつ。
総合評価:78
「スタイリッシュなデザインは魅力。2チューナーは不便かも」(藤原さん)
30万円台のプレミアムクラスはサウンドをチェック!
3Way10スピーカーで4K映像にふさわしい音に
シャープ
実売価格36万3370円
●サイズ/質量:W1359×H793×D341㎜/約33.5㎏
「COCORO VISION」を搭載。画面両脇のドーム型ツイーターと、背面に搭載したウーハーが、迫力のあるサウンドを生み出します。
画面両脇に「AROUND SPEAKER SYSTEM」を搭載。包み込むような音を実現します。
高輝度映像と一体となるテクニクスサウンドが魅力
パナソニック
実売価格33万4530円
●サイズ/質量:W1338×H755×D300㎜/約35.0㎏
従来機の約1.8倍の輝度を実現する新パネルを採用しました、液晶最上位モデル。映像と一体になる臨場感たっぷりのサウンドも魅力です。
「Tuned by Technics」のシステム。様々なコンテンツで臨場感あふれる音質を実現します。
協力:楽天市場