最近の高級コンデジ(コンパクトデジカメ)は、一眼同様の大型センサー搭載機が増え、画質への不満は少なくなっています。高性能レンズを採用した描写力の高い機種や、4K動画を撮影できるものも登場するなど、各メーカーが注力するホットなカテゴリに進化。注目モデルをプロカメラマン・吉村 永さんが検証しました。後編はコチラ。
私が採点しました!
カメラマン
吉村 永さん
雑誌媒体などで人物撮影を主に行っています。カメラのメカニズムなどに精通し、テスト記事やレビューに定評があります。
写真の美しさだけでなく動画の質にも要注目!
高画質化が進む高級コンパクトは、各社がレンズや独自機能などで差別化を図り、活気の出てきたカテゴリ。これらの高級コンパクト機が普及したことで、スマホに押されて縮小傾向にあったコンデジ市場を盛り返しつつあります。
「それだけに、競争は熾烈です。レンズの性能が高く、写真がキレイに撮れるのはもはや当たり前。富士フイルムのX70やパナソニックのTX1のようにダイヤルを多用するなど、操作性の向上もポイントです。また、ボディ素材に金属を採用することで、質感を高めたモデルも増えています」(吉村さん)
また、最新コンデジのトレンドとして、動画撮影のクオリティにも注目です。
「パナソニックは、コンデジにも4K動画撮影機能を投入しました。他モデルもほとんどがフルHD解像度の60p動画撮影に対応し、大画面テレビに映しても高精細な画質で楽しめるほどです。スマホと一線を画すどころか、コンデジの枠を超えてカメラとして総合力が高い快作が揃っています」(吉村さん)
高性能な広角レンズの採用でスナップ撮影に適した軽快モデル
富士フイルム
FUJIFILM X70
実売価格9万1830円
【センサー:23.7×15.7㎜1620万画素】
【レンズ:28㎜相当】
【質量:約340g】
【動画:フルHD/60p】
一眼クラスの大型センサーと、28㎜相当の高性能レンズを搭載。単焦点レンズの採用で小型化を実現し、撮影時もレンズが突出しない薄型設計が特徴です。スナップなど、瞬間を切り取るのに向く軽快な一台となっています。
【SPEC】
撮像素子:23.6×15.6㎜1630万画素X-Trans CMOSⅡ
レンズ:28㎜相当F2.8
液晶:3型104万ドットタッチ
サイズ:約W112.5×H64.4×D44.4㎜
【プロの5項目採点】
マニュアル派に向くアナログな操作系統
操作性:15
重さ:17
動画:13
コスパ:17
サイズ:17
合計79点
「マニュアル派に使いやすいアナログダイヤル主体の操作が特徴ですが、フルオート撮影は戸惑うことも。単焦点レンズ採用モデルとしては、ピント合わせが高速で驚きました」(吉村さん)
10倍ズーム&4K動画対応でシーンを問わず高画質で撮影!
パナソニック
LUMIX DMC-TX1
実売価格7万8520円
【センサー:1型2010万画素】
【レンズ:25-250㎜相当】
【質量:約310g】
【動画:4K/30p】
1型センサー&10倍ズームを搭載し、高感度でも低ノイズで撮れます。4K動画撮影に対応し、そこから静止画を切り出す「4Kフォト」は秀逸です。タッチ操作対応の液晶とEVFを両方備え、操作性も抜群!
【SPEC】
撮像素子:1型2010万画素高感度MOS
レンズ:25-250㎜相当F2.8-5.9
液晶:3型104万ドットタッチ
サイズ:約W110.5×H64.5×D44.3㎜
【プロの5項目採点】
10倍ズームの迫力ある画を高画質で!
操作性:18
重さ:16
動画:18
コスパ:20
サイズ:17
合計89点
「スリムで端正なボディに高画質を秘めています。1型センサー&10倍ズームの画は迫力満点。覗き込み式のファインダーを搭載し、どんなシーンもこなせる万能モデルです」(吉村さん)
後編はコチラ。
【URL】
富士フイルム http://fujifilm.jp/
FUJIFILM X70 http://fujifilm.jp/personal/digitalcamera/x/fujifilm_x70/
パナソニック http://panasonic.jp/
LUMIX DMC-TX1 http://panasonic.jp/dc/compact/tx1/