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2019/1/6 15:00

画質はもちろん、コスパや小型・軽量が魅力的な3モデル【ミラーレス一眼実力診断/APS-C&マイクロフォーサーズ編】

フルサイズセンサー搭載機が各社から登場してきたミラーレス一眼。いま狙うべきはフルサイズ機なのか、それともAPS-Cサイズ機&マイクロフォーサーズなのか、比較検討しました。後編となる今回は、APS-C&マイクロフォーサーズについて実力をチェック!

 

<チェック項目>

1.解像感

解像感は画素数に加え、画像処理の上手さがカギになります。ここでは、静態展示されている飛行機を各機種の最低感度(拡張感度は除く)で撮影し、その一部を拡大してチェックしました。

 

2.高感度画質

最近は高感度でもノイズが目立つことはほとんどありません。ただ、解像感が低下したり、暗部がつぶれたりするケースは多いです。今回は、ISO12800で夜景を撮影。その一部を拡大して比較しました。

 

3.EVFの見やすさ

EVFは使用されている表示パネルの画素数や、接眼レンズの設計などによって見え方の良し悪しが決まります。実際に覗いて、画面が広いか、ゆがみや滲みなく見えるかをチェックしました。

 

4.軽さ

ミラーレス一眼の最大の魅力といえる軽さを比較。ここでは、ボディとキットレンズにメモリーカードとバッテリーを加えた質量を計測し、実際に使用する状態での軽さを比べました。

 

【判定した人】

ライター/カメラマン・河野弘道

ミラーレスと一眼レフを使い分けています。フルサイズ機に注目するも、予算が追い付かず……。

 

【その1】小型・軽量で機能も充実のベストセラー入門機

キヤノン

EOS Kiss M

実売価格8万7130円(15-45㎜レンズキット)

同社のミラーレスで初めて「Kiss」の名を冠したエントリーモデル。タッチ対応のバリアングルモニターや上位機を超える約10コマ/秒の連写性能を持つなど、コストパフォーマンスの高さが魅力。ボディも約390gと非常に軽量です。

SPEC●センサーサイズ:APS-C(約22.3×14.9㎜)●記録媒体:SD●マウント:キヤノンEF-Mマウント●常用ISO感度:100〜25600●動画:4K24p●サイズ:W116.3×H88.1×D58.7㎜

↑モニターは、約104万ドットのタッチ対応バリアングル式。撮影モードのガイド表示などがあり、初心者にも使いやすいです

 

↑ほとんどの操作ボタンを右手側に集中配置。軽量さを生かして、片手でも撮影&操作できるようになっています

 

【解像感:B】

シャープネスがやや強めで解像感は高めの印象

レンズの違いもあり、フルサイズに比べると解像感は低め。とはいえ、シャープネスがやや強めで、印象としては十分な解像感です。

 

【高感度画質:B】

多少ムラが見られるが暗部の再現性などは高い

ややムラを感じますが、暗部の質感などは、十分再現されています。解像感の低下も少なく、よほど大きく拡大しなければ問題ありません。

 

【EVFの見やすさ:B】

エントリーモデルとしては優秀なファインダー

約236万ドットの表示パネルにより細かい部分も十分確認できます。画面が広めでゆがみもなく、入門機としては十分優秀です。

 

【軽さ:A】

516gと極めて軽量!携帯性ではトップレベル

今回取り上げた6機種中で最軽量の516g。サイズも小さく、望遠ズームなどのレンズを追加しても持ち運びが苦になりにくいです。

 

 

【その2】軽くて持ち歩きやすいスクエアデザインが魅力

パナソニック

LUMIX DC-GX7MK3

実売価格10万8090円(12-32㎜レンズキット)

カバンなどに収納しやすいスクエアボディの軽量機。それでいてチルト式のモニターやEVFなどを備え、機能も充実しています。6機種中では唯一のマイクロフォーサーズ機ながら、2030万画素と十分な画素数を持っています。

SPEC●センサーサイズ:4/3型●記録媒体:SD●マウント:マイクロフォーサーズマウント●常用ISO感度:200〜25600●動画:4K30p●サイズ:W124×H72.1×D46.8㎜

↑背面モニターだけでなく、EVFもチルト式になっている点がユニーク。EVFでもローポジション撮影が行いやすいです

 

↑4K動画からの切り出し機能を活用した「4Kフォト」に対応。撮影する直前の画像が撮れる4Kプリ連写も可能です

 

【解像感:B】

センサーサイズや画素数の不利を感じさせない

シャープネスがやや強めなのか線が太めに感じますが、実用十分な解像感。画素数やセンサーサイズの違いを感じさせない写りです。

 

【高感度画質:C】

超高感度撮影は苦手だが写りに不自然さはない

超高感度撮影ではムラが目立ち、シャープさに欠けます。とはいえ、写りに不自然さはないので、小さめのサイズで見るぶんにはOKです。

 

【EVFの見やすさ:C】

チルト式なのは魅力だが見え方にはやや不満

約276万ドットと十分な画素数を持っています。ただ、小型化のためか他機種と比べると見え方がやや劣ります。貴重なチルト式だけに残念。

 

【軽さ:A】

564gで持ち歩きがラク!軽量なレンズも多い

Kiss Mに次ぐ、500g台の軽さは魅力的。マイクロフォーサーズは、交換レンズも小型・軽量な製品が多く、持ち運びに最適です。

 

 

【その3】AFや連写の進化で動体撮影にも強くなった

富士フイルム

FUJIFILM

X-T3

実売価格25万3260円(18-55㎜レンズキット)

初心者にもわかりやすいダイヤル中心の操作性が魅力のハイクラス一眼。像面位相差AFが進化し、画面全域でのAFが可能で、従来モデルに比べて動体撮影に強い。約11コマ/秒の連写に対応し、被写体を選ばず高画質で撮れます

SPEC●センサーサイズ:APS-C(23.5×15.6㎜)●記録媒体:SD●マウント:FUJIFILM Xマウント●常用ISO感度:160〜12800●動画:4K30p●サイズ:W132.5×H92.8×D58.8㎜

↑シャッター速度や露出補正などの操作は、基本的にダイヤルで行います。視認性が高く、初心者にもわかりやすいです

 

↑背面モニターは約104万ドットのタッチパネルを採用。3方向チルト式で縦横問わず、自由なアングルで撮影できます

 

【解像感:A】

センサーサイズを超えた高い解像感が得られる

2610万画素と画素数が多く、レンズが高性能なこともあり、フルサイズ機以外では最も高い解像感。階調特性にも優れていました。

 

【高感度画質:B】

ややムラが見られたが高感度でも解像感が高め

ややムラは目立ちますが、解像感は高め。APS-Cサイズ機としては暗部の描写にも優れ、多少大きめのプリントにも耐える画質です。

 

【EVFの見やすさ:A】

高解像でゆがみがない高性能なファインダー

約369万ドットの高解像な表示パネルを採用。画面も非常に広く、細部までゆがみや滲みなく見える高性能なEVFでした。

 

【軽さ:B】

金属外装などの採用により丈夫だが軽さの面では不利

金属外装を採用した堅牢性の高いボディとなっていることもあり、847gという結果。フルサイズほどではないが、やや重めです。

 

 

【こちらもチェック!】

一眼と同じセンサーを採用するコンデジもアリ

大型センサーというと一眼タイプをイメージしがちですが、一眼と同サイズのセンサーを搭載するコンデジもあります。これらはレンズ交換こそできませんが、高画質を手軽に得られると一定の支持を得ています。レンズ交換にこだわらず、気軽さを重視するなら検討の余地があるでしょう。

 

F1.7大口径レンズ搭載の4/3型センサーモデル

パナソニック

LUMIX DC-LX100MK2

実売価格12万510円

4/3型センサーに24〜75㎜相当 F1.7-2.8レンズを組み合わせ、EVFも装備した一台。4K/30pの動画撮影も可能です。

 

高画質と軽さを追求したAPS-Cコンパクト

富士フイルム

FUJIFILM XF10

実売価格6万4260円

2420万画素のAPS-Cサイズセンサーを搭載。28㎜相当F2.8の単焦点レンズ採用し、わずか約280gの軽さを実現しました。

 

待望の手ブレ補正搭載で注目の人気モデル

リコー

GR III

価格未定 来春発売予定

高性能単焦点レンズを搭載する人気のGRシリーズ最新型。APS-Cサイズセンサーを採用し、手ブレ補正を新搭載します。