FiiOからは超小型の「M5」と多彩な機能が自慢の「Q5s」が登場
FiiOで目をひいたのが超小型DAPの「M5」です。発売は夏で価格は1万円台になるそうです。5色のカラーバリエーションがあり、1.54インチのタッチスクリーンで操作します。DACは旭化成エレクトロニクスの「AK4377」を採用してDSD/5.6MHzのネィティブ再生に対応。BluetoothはAAC、aptX、aptX HD、LDACにも対応しています。
またUSB Type-C端子でデジタル出力が出せるだけでなくUSB/DAC機能もあり、小型軽量ボディに驚くほどの多機能を結集しています。ほぼ量産品と同等という試聴機はメリハリの効いた音でした。連続再生13.5時間で、対応メディアはmicroSDカードで最大2TBまで使えます。これでU2万円なら、かなりのハイコスパモデルと言えるでしょう。
「Q5s」は多機能なDAC内蔵イヤホンアンプで、アンプ部がモジュール方式で交換できるのがポイントです。DACは「AK4493EQ」を2基使い、PCM768kHz/32bit、DSD/22MHzに対応します。BluetoothチップはCSR8675です。AAC、aptX、aptX HD、aptX LL、LDAC、LDCHなど現行のすべてのオーディオコーデックに対応します。2.5mmと4.4mmバランス接続端子と3.5mmのアンバランス接続端子を搭載した「AM3E」というアンプモジュールを搭載しています。デジタル入力はmicroUSB、光、同軸を装備。ラインは入出力を備えています。
クラウドファンディング発の小型DAC「Spectra X/X2」
クラウドファンディングのGREEN FUNDINGのブースには、スティック型DACアンプ「Spectra X」が登場。USB-CまたはUSB-A端子に接続してD/A変換をおこないます。DACにはESS「SABRE 9018Q2C」を採用。「Spectra X2」はLightning端子を装備したiPhone用で、DACは上位機種の「SABRE 9118Q2C」を搭載しています。このタイプの製品はApple純正品も含めて何種類か聞いたことがありますが、そのなかでも群を抜いた高音質でした。iPhoneとは思えない、粒立ちが良く解像度の高いやや硬質な音で、Bluetoothより有線のほうが音がいいと再認識させてくれました。
MHaudioが作ったのは真空管ハイブリッドアンプで、ヘッドホンアンプも搭載された「UA-1」です。このサイズで本格的真空管アンプを作るのは無理なので、プリアンプを真空管駆動にして、パワーアンプは半導体アンプを使ったハイブリッド方式を採用。真空管は1本しかありませんが、これは双三極管と呼ばれ1本でステレオ信号に対応するため内部に三極管が2本入った構造になっています。具体的には12AU7という真空管を使用。この真空管を別のブランドと交換するだけでも音色の違いが楽しめます。
サイズは幅90×高さ90×奥行き148mm、約560gと手のひらサイズで、出力は6.5W+6.5W。対応スピーカーは4〜8Ωです。入力は3.5mmのステレオミニか、RCAピンに対応。またハイレゾ対応ではありませんが、USB入力も備えています。電源は専用のACアダプタを使用。小型サイズの真空管プリアンプは存在しますが、プリメインアンプは貴重です。
さらに中華モデルは市販ケースに穴を開けて真空管を立てたようなデザインですが、本機は専用設計で国内生産のため、金属シャーシ、プロテクトハンドル、フロントパネル、ボリュームツマミの加工精度と仕上げが素晴らしく見ているだけでもワクワクする製品に仕上がっています。ヘッドホンアンプはウォームな音色で真空管らしい華やかな響きも楽しめました。
流行りのワイヤレス製品から、音質重視の有線モデル、DAPに真空管アンプと、様々なアイテムがズラッと並んだ今回のポタフェスは、オーディオ好きはもちろん、どのイヤホンを買おうか迷っている初心者でも楽しめる内容となっていました。次回の開催は12月の予定となりますので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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