「わりと聴ける音」。接続安定性も健闘
さっそく届いた商品をチェックしてみると、パッケージがとにかくシンプル。「Smart headset」という文字以外は一切の情報がありません。
開けてみると、コンパクトなケースにワイヤレスイヤホンが収まっています。ケース、イヤホンとも、プラスチックの質感がチープな印象ですが、実際安いのですから文句は言えません。
肝心のイヤホンは、意外といっては失礼ですが、ちゃんとした形状で装着感も悪くありません。耳への収まりもよく、悪目立ちしません。
購入時の説明によれば、Bluetooth 5.0に対応しており、AACコーデックもサポートしているとのことだったので、手持ちのiPhone 11にワイヤレス接続して音質を確かめてみました。
音質は、低音が強めにチューニングされており、全体的にボワついた印象です。高域がもっと伸びてほしいとか、音源によっては低音が強調されすぎるとか、細かいところに不満は感じますが、全体的には「わりと聴ける」と思いました。オーディオにそれほどこだわりがない方なら、十分満足できるレベルではないでしょうか。3000円台の完全ワイヤレスイヤホンとはいえ、なかなか侮れない音だと思います。
続いて、音質に並んで大事な要素である、スマホ接続時の接続安定性をチェックしてみました。最初期の完全ワイヤレスイヤホンは、音が途切れたりノイズが乗ったりしやすく、電波が飛び交う場所ではほとんど使いものにならないケースもありました。いくら安くても、接続が安定していなければ使えません。
そこでイヤホンを着けて山手線に乗り、個人的にもっとも電波環境が悪いと感じているJR新宿駅のホームや構内、改札付近を歩いてみました。スマホはズボンのお尻側のポケットに入れた状態でテストしています。
その結果、人通りの多い改札付近やホームなどではブチっとノイズが乗ることもありましたが、日常使うには問題ない程度。国内メーカーのエントリークラスのものと比べても、特段劣るということはありませんでした。
完全ワイヤレスイヤホンのハイエンドモデルのなかには、接続性を安定させるために左右のイヤホンを個別に接続したり、左右のイヤホン間の接続にNFMI(近距離磁気誘導)という技術使ったりしているものがあり、そういった機種は非常にワイヤレス接続が安定しますが、今回のものにはそこまでの安定性はありません。どうしても音切れやノイズが気になるという方は、そのようなハイエンドモデルを選択した方がよいでしょう。