最大撮影倍率1:1で撮れるマクロレンズ「7Artisans 60mm F2.8 Macro」
昔のレンズは接写が苦手でした。いまのコンデジやスマホのように、被写体まで数センチというのはかなり難しく、特にズームレンズは1mまでしか寄れない製品もありました。そこで必要だったのがマクロレンズです。近接撮影時にその光学性能をフルに発揮できる設計で、しかも無限遠までピントが合うありがたいレンズ。交換レンズを標準、望遠、広角と揃えると、次はマクロかなと多くのカメラ好きが考えたものです。
例えば40mmMacroレンズを買っても、マクロ専用というより“近くまでピントが合うレンズ”という感じで、接写以外のシーンでも使えます。マクロで重要なのは最短撮影距離ではなく、最大撮影倍率とワーキングディスタンスなのです。どれだけ被写体を大きく撮れるかは、最短撮影距離ではなく、最大撮影倍率で決まります。これが1に近付くほど大きく撮れます。1:4とか0.25倍などと表記されます。まあマクロレンズなら1または1:1は欲しいですね。 1:1とは1cmの被写体が撮像センサー上に1cmで写ることを意味します。
最短撮影距離があまり短いと使い難いレンズになります。例えば昆虫が逃げてしまうとか。レンズフードが影になって光を遮るとか。柵などがあってそれ以上近寄れないとか。最短撮影距離は撮像センサーから被写体までの距離ですが、ワーキングディスタンスはレンズ面から被写体までの距離を表し、ある程度離れている方が撮影しやすくなります。このため105mmとか200mmといった焦点距離の長いマクロレンズが生まれました。60mmマクロはAPS-Cサイズセンサーのミラーレスに付けると、92mmになってなかなか使いやすい中望遠マクロになります。価格は27500円。
【作例】性能は◎。ピント合わせが難しく三脚が欲しくなる
日中の屋外で撮影するときは、明るいので早いシャッター速度を選べば手持ちでも撮れると思ったのですが、風の強い日はダメでした。被写体が風で動いてピント合わせが大変です。被写体との距離を詰めていくとピントの合う範囲が狭くなり、やはり三脚が欲しくなります。まあマクロレンズに三脚は欠かせないのですが、「X-E3」はボディ内手ブレ補正機能がないので、屋内の撮影では三脚が欠かせません。逆に三脚を使えばかなりの高性能を発揮してくれるレンズといえます。