SNSやテレビ番組などで話題となっているAV機器を、評論家やライター、GetNavi編集部員がじっくりと試用。使ってみてわかったホントのトコロを、じっくりこってりとレビューします!!
※こちらの記事は「GetNavi」 2020年11月号に掲載された記事を再編集したものです。
【No.1】8K液晶で培った技術で細部まで見通しの良い映像が存分に楽しめる!(藤原)
<4K有機ELテレビ>
シャープ
4T-C55CQ1
実売価格28万6000円
「シャープの有機ELテレビが欲しい」というAQUOSファンからの要望に応えて登場し、話題に。新開発の4K処理エンジンを搭載するとともに、8K開発で培った画像処理技術を生かすことで、高精細で色鮮やかな映像を表示する。
SPEC ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI入力×4、USB×2ほか ●サイズ/質量:W1228×H771×D290mm/約28.0kg
長年液晶を牽引してきたシャープが放つ有機EL
本機は“液晶のシャープ”が初めて手がけた有機ELテレビだ。長年、液晶市場を牽引してきた同社だが、ファンからの要望に応えるとともに、8K・4K液晶に“4K有機EL”を追加してさらにユーザー層を広げたいというメーカー側の思惑もあり製品化が実現。液晶モデルと差別化を図るべく、あえてAQUOSの冠は省かれた。メリハリが効いた、明るく見通しの良い映像は、多くの高画質愛好家から好評を博している。
パネル自体は他の国内メーカー同様、LGディスプレイ製を採用。映像エンジンは完全オリジナルの「Medalist S1」で、これは4K液晶にも採用されているが、元々有機ELとの組み合わせを想定して開発されたものだ。映像の見え方に大きく影響する中間輝度の制御や、黒からローライトの階調性の設定など、有機ELの持ち味を積極的に引き出すための工夫が数多く投入されている。
有機ELパネルの輝度性能を最大限に引き出す独自制御技術「Sparkling Drive」をはじめ、様々な映像を臨場感豊かに再現する「4K Master アップコンバートプロ」、音声の聞き取りやすさと広がり感を高める「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」などにより高画質・高音質を堪能できた。シャープの新たなる挑戦を感じられるモデルといえよう。
★新開発の映像エンジンを搭載し、あらゆる4Kコンテンツを最適化
新開発の画像エンジン「Medalist S1」を搭載。「Sparkling Drive」技術により、暗いシーンではピークが際立ち、明るい画柄では明部・暗部の階調を飛ばすことなくディテールを丁寧に描き出す。
★8Kテレビ開発で培ったアップコン技術を応用
8Kアップコンバート技術を4K用にアレンジした「4K Masterアップコンバートプロ」を搭載。解像度や映像レベルを判別して最適な高精細処理を行い、様々な映像コンテンツを臨場感豊かに再現する。
★65Wの余裕の音声出力で臨場感あふれる高音質を実現
サウンドシステムは、7基のスピーカーユニットを総合出力65Wのアンプで駆動する「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」を採用。引き締まったメリハリのある音で、声の明瞭度も高い。
【診断結果】
【No.2】持ち歩きやすいコンパクトサイズながら全方位的にサウンドを響かせる!(山本)
<ワイヤレススピーカー>
バルミューダ
バルミューダ ザ・スピーカー
実売価格3万5200円
上向きに設置した77mmスピーカーを搭載。独自ドライブユニットで音を拡散させて、立体的なサウンドを実現した。LEDが楽曲に合わせて輝くのも魅力。予約開始時から注文が殺到し、同社史上最多の予約数を記録した。
SPEC ●アンプ部最大出力:8W ●連続再生時間:約7時間 ●充電時間:約2.5時間 ●接続端子:3.5mmステレオミニ入力×1 ●サイズ/質量:φ105×H188mm/約1.0kg
落ち着いた場面からパーティまで広範囲で活躍
初見では、斬新なLEDランタンで話題を呼んだバルミューダらしいレトロなデザインに魅力を感じた。本機のLEDも輝き方に雰囲気があり、好感が持てる。光自体が思っていた以上に明るく、照明器具としても活用できる。
バッテリーを内蔵し、フルチャージから約7時間ワイヤレスで使えるのも美点。片手で持てるので、手軽に庭などへ持ち出せる。ただ、屋外用途を考えると防水・防滴に非対応なのはやや残念だ。
サウンド面においては、特定の帯域に偏らないナチュラルなバランスなのでBGMとして光と音楽を一緒に楽しむのに最適。いま流行の「家キャン」で使ってみるのもアリだろう。音の広がり感は、サラウンド対応の製品と違って自然な雰囲気に感じられる。出力がそれなりにあるので、華やかなLEDライトとともに、パーティ用としても活躍するはずだ。
ライトのモードを「Beat」にするとロック・ポップス系の楽曲に合った。光を長く見つめているとややうるさく感じるので、落ち着きたいなら「Ambient」や「Candle」に変えて女性ジャズボーカルを聴くとなお良い。
ちなみに、スマホにはBluetooth接続可能で、シンプルなワイヤレススピーカーとして使いやすい。デジタル製品に不慣れな人へのプレゼントにも◎だ。
★コンパクトかつバッテリー内蔵でどこにでも持ち歩きやすい
本体にバッテリーを内蔵しているので、フルチャージから約7時間ポータブルで使える。サイズもコンパクトで持ちやすく、パーティやBBQなど屋内外のイベントにも手軽に持って行きやすい。
★ナチュラルバランスなサウンドで落ち着いて楽しめる!
独自のドライブユニットによる音声は360度全方位に広がるので、置き場所にかかわらず同じように音楽を楽しめる。音色をゆったりと味わえるナチュラルバランスなサウンドも美点だ。
★LEDの輝き方は雰囲気があって心地良い!
LEDの光り方は抑揚の効いた「Ambient」(左)、落ち着いた光の「Candle」(中央)、最もダイナミックに輝く「Beat」(右)の3モードからセレクト可能。真空管を思わせる雰囲気のある輝きが美しい。
【診断結果】
【No.3】設置したら生活が一変! 楽しみが一気に増える魔法のランプ(湯浅)
<3 in 1 シーリングライト>
ポップイン
popIn Aladdin 2
実売価格9万9800円
ホームプロジェクター市場のシェア約4割を獲得したプロジェクター&スピーカー内蔵シーリングライト「popIn Aladdin」の最新型。新たにフルHD画質に対応しており、動画配信サービスの視聴やアプリの使用ができる。
SPEC ●投写方式:単板DLP ●明るさ:700lm ●上下可動域:0〜32度 ●台形補正:水平40度/垂直40度 ●スピーカー出力:8W+8W ●サイズ/質量:W476×H145×D476mm/4.9kg
設置面積は実質ゼロで照明・映像・音楽の3役
本機の設置は、天井の引っ掛けシーリングに取り付けるだけ。20分ほどで完了した。筆者の部屋は投写位置が近距離かつ斜めだったが、歪みなく大画面に表示できた。
映像はかなり明るく、白壁への投写でも満足の画質。晴れの日の室内でも、内容を確認できる程度には映る。夜は、部屋を真っ暗にせず普通に行動できる程度の明るさでも、楽しく観られるレベルの明るい映像を視聴することができた。
Android搭載で、動画配信サービスのアプリなどが用意されているのはユニーク。ただし、Google Playには対応せず、独自のアプリ配信サービスを利用するのだが、用意されているアプリがかなり少ない。これは今後増えていくことに期待したい。
HDMI入力はないものの、対応するテレビやレコーダーなら映像をWi-Fi経由で再生可能だ。
また、大きな魅力なのは、Bluetoothスピーカーとしても使えること。つまり天井スピーカーにもなるということで、カフェなどの店内のように、部屋中にまんべんなく広がる音を楽しめた。
設置面積が実質ゼロで、部屋に巨大な画面が登場するのはやはりスゴい。好きな写真を眺めたり、時計や目覚ましとしても使えたりできるほか、照明の色合いも変えられる。生活の様々なシーンに色々な楽しみをもたらしてくれる、本機はまさに「魔法のランプ」だ。
★Bluetooth対応だから天井スピーカーでカフェ気分
スマホやAVアンプなどの音声を天井から流せる。プロジェクター部分だけをオフにすることも可能なので、YouTubeや各種VODサービスなどで音声だけ流したい場合にも便利だ。
★動画配信サイトのほか子ども向けコンテンツも
YouTube、Amazon Prime Video、Netflix、Paravi、Abema TV、U-NEXT、DAZNなど、主要なVODに対応。絵本や実物で見られる動物図鑑など、子ども向けコンテンツも豊富だ。
★近距離の斜めからでも大画面で投写できる
設置した場所は、壁からは1.4mしか離せず、しかも画面の中央から左に60cmもズレている。それでもこの大画面。スペック上は約1.5m離れれば80インチ以上での映写が可能になる。
【診断結果】
【No.4】最高峰のノイキャン性能とかゆい所に手の届く利便性を兼ね備えた隙のないモデル(野村)
<ワイヤレスヘッドホン>
ソニー
WH-1000XM4
実売価格4万4000円
前モデルで初採用した「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」をBluetoothオーディオSoCと新たに連係。新アルゴリズムを採用し、ノイキャン性能がさらに向上した。価格比較サイトなどでジャンル内売上が上位に。
SPEC ●ドライバー型式:密閉ダイナミック型 ●再生周波数帯域:4Hz〜40kHz ●インピーダンス:40Ω ●連続再生時間:最大30時間(NCオン時)●質量:約254g
どこでも音楽を楽しめるノイキャン&多機能を実現
ノイキャンワイヤレスヘッドホンのランドマーク的存在といえるシリーズが進化。実際に試してみると、その優等生っぷりに感心した。従来モデルでも世界最高クラスの高精度なアクティブノイキャン機能を持っていたが、本製品では毎秒700回もの頻度でセンシングを行うことで、リアルタイムでノイキャンを最適化。いつでも理想的なノイキャン効果を発揮してくれる。さらに、専用スマホアプリを利用することで、アプリがスマホのセンサーから得た情報を受けて、そのときの行動や場所に合わせてノイキャンの強さや外音取り込みモードのオン/オフなどを自動で切り替える機能まで備える。
ユーザーが声を発するだけで一時停止/外音取り込みモードに切り替える「スピーク・トゥ・チャット」は、ユーザー本人の声にしか反応しないので、街なかで他人の声で作動することを防げる。また、ヘッドホンを外すと自動で音楽が停止するセンサーを新搭載。停止を忘れて外したヘッドホンから音楽が流れ続けることもない。
イヤホンほどではないが、スイーベル&折り畳み構造とケーブルや本体をまとめて収納できる付属ケースによる携帯性の高さも◎。
肝心の音質は、LDACコーデック対応によって、Androidスマホならハイレゾクラスの高音質が楽しめるのがイイ。室内では有線で最高の音を楽しめる。
★頭から外すだけで自動停止! 電源自動オフの設定も可能
本体を外すと自動的に音楽を一時停止してくれるセンサーを新搭載。屋外利用時の環境エチケットにも役立つ。電源の自動オフも設定できるので、バッテリーのムダ使いを予防可能だ。
★外出時の普段使いではワイヤレスで室内では有線でと使い分け
LDACコーデックの採用によりワイヤレスでもハイレゾ級のサウンドを聴かせてくれるが、室内では付属のヘッドホンケーブルによる有線利用がオススメ。ワイヤレスでは実現できない高音質を楽しめる。
★持ち運びに便利なセミハードケース
高機能でありながらもコンパクトに折りたためるポータビリティの高さも魅力のひとつ。付属のセミハードケースに本体や付属ケーブル類をまとめられるので、バッグのなかにすっきり収まる。
【診断結果】
【No.5】ボーズシアターが3万円の衝撃! 開封して2分で使い始められる手軽な操作性も魅力(川内)
<シアターバー>
ボーズ
Bose TV Speaker
実売価格3万3000円
高さ5cm強のコンパクトサイズながら、フルレンジドライバーを2基搭載。豊かなサウンドを楽しめる。スマホやPCなどとBluetooth接続してオーディオスピーカーとしても使える。家電量販店やオーディオ専門店で爆売れ中。
SPEC ●入力端子:HDMI(ARC対応)×1、光デジタル×1、3.5mmステレオミニ×1ほか ●光デジタルケーブル長:1.5m ●サイズ/質量:W594×H56×D102mm/2.0kg
シンプル仕様ながらテレビの音がグレードアップ
ボーズのテレビ用シアタースピーカーといえば、ド定番の鉄板アイテム。これが3万円ちょっとで手に入るのは衝撃的で、正直ちょっと訝しみながら試してみた。
ワンボディのバースピーカーで、付属の光デジタルケーブル1本でテレビと接続するシンプル仕様。「ホームシアターシステムって接続や設定がめんどくさそう……」と敬遠する人が多いなか、本機はマジで開封して2分で音が出るほど手軽だ。本体にはHDMIや3.5mmステレオミニ端子も備えており、ケーブルを用意すればこれらで接続することもできる。
肝心の音質をチェック。ボーズならではのイキイキとした大迫力サウンド、とまではいかないが、確実にテレビの音をグレードアップさせる。我が家のテレビは前向きスピーカー搭載の音質重視モデルだが、それでも歴然とした違いがあった。リモコンのボタンひとつで、低音を強調したり、人の声を聞き取りやすくしたりと、音質をチューニングできるのも良い。
テレビを視聴しないときは、スマホなどの音楽をワイヤレス再生可能。リモコンのBluetoothボタンを押すだけでペアリングの準備ができ、デバイスとの接続は快速。ポータブルタイプのスピーカーとは一線を画す、余裕のあるサウンドを手軽に楽しめた。“必要十二分”の性能を備える、コスパ最強シアターとして推したい。
★初期設定などは必要なくケーブルをつなげば音が出る
光デジタルのほか、HDMIや3.5mmステレオミニ端子を装備。付属のケーブル一本でテレビと接続したら、初期設定をする必要なく音が出る。バッテリーは非内蔵で、電源はACのみだ。
★リモコンのボタンワンタッチで各種の便利機能を使いこなせる
リモコンは小型でシンプルな設計。テレビ←→Bluetoothの切り替えや、低音を強化する「BASS」、視聴中の番組を分析して人の声を強調する「ダイアログモード」などをワンタッチで設定できる。
★スマホやPC内の音楽も手軽に高音質で再生できる
Bluetooth機能を搭載し、スマホなどの音楽をワイヤレス再生可能。テレビを視聴しないときでも、明瞭かつパワフルな余裕のあるサウンドを、手軽に楽しめるのはうれしい。
【診断結果】
【No.6】音声認識がとにかく優秀でテレビを使う機会が急増!(Masuo)
<セットトップボックス>
Amazon.com
Fire TV Cube
実売価格1万4980円
テレビに接続すればAmazon Prime VideoやYouTube、Netflixなど多彩な動画コンテンツを手軽に視聴可能。Alexa対応リモコンが付属し、音声でも操作が行える。Masuoさんによる紹介動画は13万回再生を超える人気っぷり。
SPEC ●接続端子:HDMI出力×1、MicroUSB×1ほか ●対応規格:Dolby Vision、HDR、HDR10+ほか ●ストレージ:16GB ●サイズ/質量:W86.1×H86.1×D76.9mm/465g
話しかけるだけでできることがたくさん!
以前から「Fire TV Stick」を使っていて十分便利だと思っていたものの、本製品を使ってみると便利過ぎて驚いた。
特に、Amazon Alexaによる音声操作への対応は一番の魅力。声による操作で音楽をかけたり、YouTubeやNetflixが見られたりと、予想以上にできることが多い。「アレクサ」と本体に呼びかけるだけで使用できるので、朝サクッと天気予報を確認したり、その日が何の日か聞いてみたりすることも。認識精度が優秀なので、ちょっとしたことでもついつい使ってしまう。
また、これまで部屋のテレビは飾り程度の使用頻度だったが、豊富なコンテンツを楽しめる本製品を使い始めてから利用する機会が格段に増えた。コロナ以前、友人が遊びに来た際などは、MVを流してパーティをして盛り上がった。一緒に遊んだ友人のなかには、音声認識の精度に感動して本製品を買った人もいるほどだ。
あえて言えば、使い込むうちに、もっと動画を楽しみたくなり、より大きなテレビやモニターが欲しくなるのが難点(笑)。あと、長時間使っていると、まれにフリーズすることも。その際は一旦電源を抜いて、再起動している。
音声操作が主で使う機会は少なかったが、付属のリモコンはシンプルで入力時の反応速度も超速だ。
★どこから話しかけても認識する精度の高さに脱帽!
Alexaは付属のリモコンのマイクボタンを押してから話しかけるか本体に「アレクサ」と話すだけで利用可能。本体に8個の内蔵マイクを内蔵しているので、どの方向から話しかけても音声を認識する。
★シンプルな設計のリモコンで反応速度も抜群!
付属のリモコンでは基本的な動画操作に加えて、テレビ本体のオンオフなどのコントロールも可能。シンプルな設計かつ、ボタンや音声操作の反応速度もスピーディなので、快適に使用できる。
★多彩なコンテンツが揃っていて飽きることがない!
Amazon Prime VideoやYoutube、TVerなど多彩なコンテンツに対応。最新のアプリを随時追加することも可能だ。ストレージはFire TV Stickの倍となる16GBなので、思う存分アプリを楽しめる。