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2020/11/19 18:51

スマートスピーカー×ワイヤレス充電器のベルキン「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」を使ってみた

今年1月に行われた世界最大級の電子機器の見本市「CES」でスマホ関連アイテムを取材していた筆者が、「これ、いいなぁ〜日本でも発売してほしいなぁ〜」と思っていた製品が10月に発売されました。それがベルキンの「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー」。フランスの高級オーディオメーカー・Devialet(デビアレ)の音響技術を採用したほかGoogleアシスタントにも対応し、スマホの充電もできるという製品です。

↑ベルキンの「SOUNDFORM ELITE Hi-Fiスマートスピーカー+ワイヤレス充電器」。実売価格は4万2550円(税別)

 

普段からスマートスピーカーとワイヤレスチャージャーを使っている筆者にとっては、それらが1つにまとまり、音質もグ〜ンとグレードアップするであろう画期的な製品。ということで今回、ベルキンさんに実機をお借りして、さっそく使ってみました。

 

場所を選ばす設置でき、スマホも充電できる

本体は丸く、サイズはH168.5×W162×D162mmと小さからず大きからずというサイズ感なので、場所を選ばすに設置でき、楽に動かせます。上部がワイヤレス充電のクレードルになっていて、スマホを縦向きにして設置可能。筆者はGoogle Pixel 5とiPhone 11 Proを充電しましたが、おそらくQi対応のスマホなら、どの機種でも充電できると思います。

↑同梱品一式。本体のほかにはACアダプターと簡単な説明書が入っているのみ

 

↑高さはペットボトルよりも500mlのペットボトルよりも低く、かなりコンパクト。重さは1.25kg

 

背面下部にACアダプターの挿し込み口があり、出っ張りが気にならないようにピタッと挿せるようにデザインされています。エンクロージャーは温かみのあるファブリック調。カラバリはブラックとホワイトの2色から選べますが、筆者はブラックを借りました。

↑ACアダプターは本体にピタリと挿し込めて、デザインを損なわない

 

↑ホワイトのエンクロージャーは淡いグレー

電源をオンにしたら、スマホにインストールした「Google Home」アプリを用いて設定を行います。筆者はすでにGoogle HomeやChromecastなどを使っていたので、新しいデバイスとしてSOUNDFORM ELITEを追加するだけで、あっという間に設定できました。初めての場合も、画面の案内に従って設定すれば自宅のWi-Fiにつなげられて、「OK Google」などと話すだけで操作できるようになります。

↑画面に表示される手順に従うと、あっという間に設定完了

 

このスピーカーは、スマホとBluetoothで接続して、スマホの音声をダイレクトに出力できることもセールスポイント。つまり、スマートスピーカーだけでなく、フツーのBluetoothスピーカーとしても使えるわけです。

↑上部にタッチセンサーがあり、ここをタッチして音量を調整したり、マイクをミュートしたりもできる。左のBluetoothボタンを押すとスマホとペアリングできる

 

低音が心地よく響き、迫力あるサウンドが部屋に広がる

スピーカーは35mmのフルレンジドライバーと、70mmのウーファードライバーを2基搭載。オリジナル音源を忠実に再現する「Speaker Active Matching(SAM)」というDevialet独自のテクノロジーも搭載されています。

 

気になる音質ですが、期待していた以上に迫力がありました。ボリュームをかなり大きくでき、一般家庭でフルボリュームにするのは禁物。絶対に近所迷惑になってしまいます。住環境にもよりますが、マンションなどの集合住宅では50%くらいで十分満足がいく音量を得られるのではないかと。筆者は賃貸マンション暮らしで、リビングとベッドルームが繋がった約20畳(40平方メートル以上あるかな)の部屋で使いましたが、音が部屋全体に広がり、振動が壁に反響して、音楽に包まれるような臨場感を味わえました。

↑音は前方と左右に響くようだが、丸い形状ということもあり、全方位に広がるように感じる

 

筆者はオーディオに詳しいわけではないので、音質を表現するのは難しいのですが、音量に関係なく、奥行き感のあるサウンドが聴こえて、よく響く感じ。とくに低音が心地よく響き、楽器の音が生演奏を聴いているかのように聴こえ、ボーカルもクリアに聴こえました。Wi-Fi経由、Bluetooth経由のどちらも音質は同等です。

↑Wi-Fi経由でスマートスピーカーとして音楽を聴く場合は、「Google Home」アプリのイコライザー機能で好みの音質に調整できる

 

「YouTube Music」や「Spotify」で、J-POP、K-POP、クラシックなど、いろいろ聴いてみましたが、とりわけ高音質を実感したのが、Googleアシスタントのアラーム音。これまで使っていたスマートスピーカーで毎朝聴いていた音だけに、音質が大きく向上したことを実感できました。

 

スマートスピーカーとして使い勝手も申し分なし

音楽を聴きながらスマホを充電できることも、このスピーカーの利点。画面が見えるように置けるので、「YouTube」を見つつ、スピーカーから音声を流すといった使い方も可能。スピーカーの振動でスマホがカタカタと動くかと思いきや、その心配は無用。全く動きません。これはDevialet社独自の「Push-Push」というデュアルウーファー構造によって振動が除去されるため。スマホを載せた状態でも、迫力のある低音を響かせることができます。

↑「YouTube」でミュージックビデオを見ながら、音声を高音質で楽しむのもオススメ

 

声で操作するスマートスピーカーとしての使い勝手は、Google純正モデルと同等といっていいでしょう。「Google Home」アプリで設定でき、声を聞き分ける「Voice Match」にも対応。ほかのスマートスピーカーやスマートディスプレイとグループ化して使うこともできます。

 

内蔵マイクの性能も良さげです。スマートスピーカーは音量を大きくしていると、大きな声で話さないと反応してくれないことがありますが、このスピーカーは、少し離れた場所から普通の声量で「OK Google」と話しても、しっかり聞き取ってくれて、続く指令を聞き取るべく、ボリュームが絞られます。

 

約4万円でデビアレが買えると思えば高くはない!?

SOUNDFORM ELITEはスマートスピーカーとしては、やや高めですが、Devialet社と共同開発したモデルであることが大きなポイント。筆者はDevialetのワイヤレススピーカーを使ったことはありませんが、主力モデルの「PHANTOM」シリーズの価格を調べると、20〜40万円くらいするんですね。その音響技術を採用したスピーカーが約4万円で手に入れられると考えると、むしろ安いと言えなくもありません。Googleアシスタント対応のスマートスピーカーを使っていて、音質に物足りなさを感じている人は検討してみる価値はあるでしょう。

 

ワイヤレス充電は、いわばオマケのような機能ですが、個人的にはものすごく気に入りました。スピーカーに載せるだけで充電できる手軽さは手放せなくなること請け合い。しかも、スマホが再生中の楽曲を表示するディスプレイの役割も果たすわけです。この仕様を考えた人に敬意を表したいです。

↑ワイヤレス充電は最大10W。ケーブルでの充電に比べると時間はかかる

 

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