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2021/5/4 19:15

5万円以下でオン・オフ使えるプロジェクター。LG「PH510PG」で在宅生活が変わる4つのメリット

「持ち運べる大画面」を実現するポータブルプロジェクターに5万円前後の価格帯の製品が増えてきました。今回はLGエレクトロニクスから発売されたバッテリー内蔵ポータブルプロジェクター、LG CineBeam(シネビーム)シリーズの新製品「PH510PG」(税込価格:4万4880円)をレビューします。

↑LGエレクトロニクスのバッテリー内蔵ポータブルプロジェクターLG CineBeam「PH510PG」

 

【PH510PGの細部を写真で見る】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは表示できません。

 

「軽さ」だけじゃないポータブルプロジェクターの評価基準

一般コンシューマ向けのプロジェクターには、大きく分けて家庭で映画やテレビ、ゲームなどの動画を大きな画面で楽しむために画質を重視したホームシアター用に分類される製品と、PCに接続して資料のプレゼンテーションなどに使うことを目的したビジネス用の製品があります。

 

ポータブルプロジェクター、またはモバイルプロジェクターとして呼ばれるコンパクトで持ち運びにも優れる製品の多くは、主にビジネス用プロジェクターから派生しているものです。現在は宅内の部屋を移動しながら大画面シアターを楽しむ「家ナカ需要」も伸びてきたことから、ホームシアター用としても使える画質であることを売り文句に掲げる製品が増えています。

 

ポータブルプロジェクターを評価する際に重視すべきポイントは、言うまでもなく可搬性の高さですが、ホームシアターにも使うのであれば画質やその他の機能性とのバランスにも目を向ける必要があります。

 

機能面では、Android TVに代表されるスマートOSを搭載するポータブルプロジェクターが最近は特に増えつつあります。パソコンやビデオプレーヤーを別途用意しなくても、プロジェクター単体でNetflixやAmazonプライム・ビデオをストリーミングしながら見られる手軽さを特徴としています。LG CineBeamシリーズのラインナップにも「HF80LS」のように、LG独自のwebOSを搭載するポータブルプロジェクターがあります。

↑WebOSを搭載するスマートプロジェクター「HF80LS」

 

LG CineBeamシリーズはスタイリッシュなデザインも特徴。4Kホームシアターを楽しむための本格派モデルは精悍なブラック、機能性に優れるビジネスモデルは清潔感のあるホワイトを基調にしたモデルがラインナップされています。

 

今回、筆者は新製品のPH510PGを自宅で試す機会を得ました。シアター鑑賞やオンラインカンファレンスに使ってみてわかった、LG CineBeamシリーズの新しいポータブルプロジェクターの「4つの魅力」をお伝えします。

 

B6サイズのバッテリー内蔵ポータブルプロジェクター、4つの魅力

1.小さくて軽いこと

ひとつはやはり期待していた通りに「小さくて軽いこと」です。縦横サイズはB6サイズの手帳と同じぐらい、厚みは約48mmです。フル充電から約2.5時間の連続駆動を実現するバッテリーを内蔵しながら、質量は約650gに抑えています。本体を保護できるソフトケースも付属されていますが、一般的なノートPCよりも軽いので、ビジネスバッグに入れて持ち歩くことも苦になりません。

↑本体のタテヨコサイズはB6判の手帳とほぼ同サイズ

 

↑プロジェクターがきれいに収納できるソフトケースが付属します

 

↑本体を軽く、小さくするために給電用ACアダプター付きの電源ケーブルがやや重くなっています。屋外に持ち運ぶ際には内蔵バッテリーをフルに充電してから出かけたいところ

 

もちろん、家の中での持ち運びも自由自在です。白い壁や天井のフリースペースに映像を投写すれば大画面スクリーンに早変わり。プロジェクターのレンズから幕面まで、約3.2mの投写距離が確保できれば最大100インチの画面サイズを実現できます。

 

2.自動台形補正機能

もうひとつは、設置方法の自由度を高めてくれる垂直方向の「自動台形補正機能」が付いていることです。低めのテーブルに本機を置いて、少し角度を付けた状態で壁に映像を投写しても画面の台形歪みを自動的に直してくれます。ただし水平方向には手動による歪み補正にも対応していないため、プロジェクターは常に幕面の真正面に置く必要あり。

↑宅内の様々な場所に持ち歩いて動画視聴が楽しめます

 

↑縦方向の台形補正機能を搭載。自動・手動による補正に対応しています

 

3.映像入力端子の豊富さ

コンパクトなプロジェクターでありながら、「映像入力端子が豊富に揃っていること」も魅力のひとつです。ノートPCやBlu-ray/DVDプレーヤーをHDMIケーブルで接続してVODやディスクコンテンツが見られるだけでなく、USBメモリーに保存した動画や音楽、オフィスドキュメントやPDF、画像ファイルの再生が手軽にできます。

 

ビジネスパーソンに重宝されるRGB映像入力端子は、これを採用するノートPCとつなぐために確保されています。PH510PGがビジネス用途も強く意識したポータブルプロジェクターであることがわかるでしょう。

↑コンパクトサイズながら豊富な入出力端子を装備

 

↑Thunderbolt/HDMI変換端子を間に介することでMacのディスプレイもCineBeamを使って大きな画面に映せます

 

5.ワイヤレス接続

最後に「PCやLGのスマホとのワイヤレス接続が簡単にできること」があります。Windows 10以降のMiracastに対応するパソコン、またはAndroid 4.0以降を搭載するLG製スマートフォンは「SCREEN SHARE」というワイヤレス画面共有機能が使用可能。デバイスの画面がそのままプロジェクターにミラーリングできるので、PCに貯めた写真の閲覧、モバイルゲームなどあらゆるコンテンツが楽しめます。特にビジネスシーンでのプレゼンテーション用途に活躍しそうです。

 

ちなみにLG最新の“2画面対応スマホ”である「LG VELVET L-52A」はAndroid 10を搭載していますが、LG同士の組み合わせにもなるため、とてもスムーズにSCREEN SHARE機能が使えます。外出先ではスマホで見ていた映画を、帰宅後に大きな画面でプロジェクターを使って続きから視聴するなどの活用が可能です。

 

PH510PGにはスピーカーが内蔵されているので、別途サウンドを聴くための外付けスピーカーの用意は不要です。反対に音に迫力を加えたい場合はBluetoothスピーカーをペアリングして鳴らす手もあります。

↑LGのスマホやノートPCとのワイヤレス接続に便利な「SCREEN SHARE」機能に対応

 

↑LG VELVETの画面がそのままプロジェクターを使って投写できます

 

実力を十分に引き出す環境作りも大切

PH510PGを使って少し気になった点についても触れておこうと思います。

 

ひとつは明るい部屋では映像がやや見づらくなるところです。やはりコンパクト機はパワフルな大型ランプを積めないため如何ともしがたいと思います。とはいえランプの明るさは550ルーメンと、このサイズのポータブルプロジェクターとしては平均的なレベルです。昼間は部屋の遮光カーテンを閉めたり、夜間は照明を少し落とせば映像がくっきりと見やすくなるので試してみてください。

↑映像の明るさ、色合いなどの設定をメニューからある程度カスタマイズできます

 

もうひとつ、長時間動作を続けた場合に冷却ファンのノイズが人によっては少し気になってくるかもしれません。特に映画やドラマを楽しむ場合はプロジェクターから少し距離を置いて座るか、またはワイヤレススピーカーを導入して、プロジェクターよりも手前に置きながら音を再生するとファンノイズの煩わしさから少し解放されます。見るコンテンツに応じて3.5mmヘッドホン出力を活用する方法も良いでしょう。

 

多彩なLG CineBeamシリーズのラインナップ

以上の特徴を踏まえれば、LG CineBeamシリーズのPH510PGは宅内のリビングルームや子ども部屋など、場所を変えて持ち運びながらホームシアターを楽しんだり、在宅ワーク時にはPCにつないで“大型サブディスプレイ”としてオンラインカンファレンスなどの用途にも役立つオールラウンダーです。画質と機能性、バッテリーのスタミナなどポータブルプロジェクターに必要なパフォーマンスをバランス良く満たしながら、想定売価が5万円前後で購入できるのであれば購入を検討する価値が十分にありそうです。

 

PH510PGはコンパクトで可搬性にも優れるプロジェクターですが、フロント投写タイプのモデルなので、幕面に映像を結ぶために最短投写距離は79cm以上確保する必要があります。住環境の関係で幕面からプロジェクターを置く場所までの距離が取りづらい場合、7cmで40インチの大画面が投写できる「PH55HG」のような“短焦点プロジェクター”も選択肢に入ってくるでしょう。

 

あるいは“天吊り設置”も含めてプロジェクターの置き場所を固定できる環境があって、より本格的なホームシアターをつくってみたい方には4色LED光源を採用して、明るさやコントラスト、色再現を高めた4K/HDR対応のモデル「HU70LS」がおすすめできます。在宅時間が増えているであろうこの機に、LG CineBeamシリーズの多彩なラインナップに注目してみるとさまざまな発見と収穫が得られると思います。

 

構成/内山慎太郎