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2017/12/5 11:00

人生を切り拓く“ささやかな成功”と“それなりの失敗”

21歳の娘はフランスで教育を受けてきたが、現在は経済学を専攻していて、今はパリのシャルル・ドゴール空港の近くにある物流企業でインターシップをしている。日本でいうと大学2年目に当たるのだが、フランスの高等教育は前期と後期に分かれていて、娘のいる学部では前期の終了と進級のためのミッションがインターンシップなのだそうだ。

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フランスではインターンシップのことをスタージュと呼び、公教育ではなんと中学最終学年からそれがはじまるのだ。中学生で1週間、高校生で2週間、全生徒が職業体験をする。もちろんこの年齢では親や学校がスタージュ先探しをサポートするので問題はない。

 

大変なのは大学生からだ。大学側のサポートはいっさいなく、職探しは自力。しかもかなり本格的で、実際の業務にかかわり、語学力、企画力、営業力などなどが点数評価され、その証明書がその後の学位取得や、さらにその先の就職にも関わってくるので、学生たちは皆、必死だという。

 

 

日本人だから得することもある

1ヶ月間のインターンシップをクリアできなかった場合は留年になってしまうので、娘は夏休みの頃から、求人サイトをチェックし、30社以上に、履歴書とモチベーションレターを送っていた。断りの返事がくるのはまだいいほうで、大半は無視されて終わりだった。受け入れ可能の返事が来たのは3社で、その後の面接を経て1社で無事に雇ってもらえることになった。

 

「私が日本人だから、興味をもってもらえたみたい」と娘は言っていた。というのも返事がきた残り2社を国籍の違う友だちに譲ったところ、会社側から日本人じゃなきゃいらないと言われてしまったそうだ。同じ学部の半数近くの学生は未だにインターンシップ先を見つけることができず、留年の危機にあるという。

 

国際社会において、日本人がどれだけ信用されているかが分かったようで、日本人に生まれてよかったと娘はしみじみ思っているようだ。

 

が、しかし、実際に始まった仕事を覚えるのは大変で、毎日冷や汗の連続らしい。きっとミスもたくさんするだろう。このインターンシップを終えたとき、ささやかな達成感を得られるよう、親としては願うばかりだ。

 

悩んでも今の会社にしがみついたほうがいい!

さて、ビジネスマンとして成功したいと願う20代、あるいは今からでも人生を切り拓きたい30代、40代にも、ぜひ読んでほしいのが『20代でしておきたい「ささやかな成功」と「それなりの失敗」後悔しない最初の8年の過ごし方』(清水克彦・著/学研パブリッシング・刊)だ。

 

著者の清水氏は、自らが立てた“人生戦略”で成功を手に入れた、ラジオ局会社員、ジャーナリスト、ラジオプロデューサー、ビジネス作家、大学講師の5つの顔を持つスーパー・ビジネスマン。自身の体験談を交えた、数々のアドバイスには説得力がある。

 

本書には45項目のアドバイスがあるが、気になるいくつかを紹介してみよう。

大卒新入社員の内、3割が3年以内に会社を辞めているという現状に対して、清水氏は「行き詰まっても悩んでも、今の会社にしがみつけ!」と言っている。著者自身も20代の頃は、会社の規模が小さいから何もできない、上司に見る目がないから力が発揮できないと、自分が浮かばれないのは労働環境や他人のせいにしていたそうだ。

 

しかし、清水氏は会社を辞めることはせず、3つのチェックを自分に課した。

 

●今の職場で自分らしさが発揮できるところは本当にないのか?

●将来、夢の実現のために今の仕事を放棄することが本当に得策なのか?

●他業種や同業他社に移る、あるいは起業することでリスクはないか?

 

その結果、「自分らしさを発揮できる部署はある」「ラジオの仕事を通じて得られる知識や人脈は夢の実現につながる」、そして「テレビ局等へ移籍したりフリーになったりした先輩を見ると必ずしも先々明るいとは言えない」と判断し、ラジオの仕事を大事にしつつ、加齢とともに自分に武器をプラスしていくライフコースを選んだのだ。

(『20代でしておきたい「ささやかな成功」と「それなりの失敗」後悔しない最初の8年の過ごし方』から引用)

 

現在の職場で悩みを抱えている方、ちょっと立ち止まって自己チェックをしてみてはどうだろう。

 

 

評価される近道とは?

誰だって会社のなかでは「仕事がデキる」「あいつは、なかなかやるじゃないか」と思われたい気持ちが強いものだ。しかし、独りよがりや気負いは失敗のもと。仕事内容でもしも不得手な部分があれば、それを得意とする人間にパスしたほうがいいそうだ。

 

「自分はデキる」というオーラを撒き散らしたりせず、謙虚に、そして素直に、ときには弱みも見せながら、堂々と知恵を借り、助けてもらえばいいのだ。(中略)周囲の人間に助けてもらうときにも、

STOを意識してみよう。

S=少しだけ…、

T=助けて、

O=お願い!

そうすると、「頼りないやつ」と思われるどころか、意外にも「チームの和を大切にする人」というイメージを持たれたりするので、若いあなたならなおのこと、(自分には力がある)と思っていたとしても、周囲の人の力を借りながら仕事を進めたほうが、すべてが円滑に進むようになるはずだ。

(『20代でしておきたい「ささやかな成功」と「それなりの失敗」後悔しない最初の8年の過ごし方』から引用)

 

本書には、この他にもビジネスマンとして成功するためのノウハウがいっぱい。ささやかな成功を手に入れたいサラリーマンには必見の一冊だ。

 

 

【著書紹介】

GKNB_BKB0000405910092_75_COVERl
20代でしておきたい「ささやかな成功」と「それなりの失敗」 後悔しない最初の8年の過ごし方
著者:清水克彦
出版社:ブックビヨンド

入社3年で目標を立て、小さな成功を積み重ね、するべき失敗をきちんとしておけば人生はすべて思うまま! 会社員・ジャーナリスト・プロデューサー・ビジネス作家・大学講師の5つの顔をもつくスーパーサラリーマンが説く、20代の”等身大”人生設計術。

 

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