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2017/12/14 11:00

神戸のルミナリエで使用されたLED球は、なんと40万個

今年も神戸では、12月8日から17日まで、ルミナリエが華々しく開催されている。
今では恒例となったこの催しだが、元々は、1995年に阪神・淡路大震災が起こった年の末、犠牲になった方達の鎮魂の意味をこめて始められたものだ。
27回目となる今年は、神戸港が開港して150周年を迎える節目の年にあたり、とりわけ華やかで、おおがかりなものとなっている。

85150586 - kobe, japan - december 9, 2016 - kobe luminarie is a light festival held in kobe, japan, every december since 1995 to commemorate the great hanshin earthquake of that year.

 

ルミナリエを生んだ震災

私は1985年から神戸に住んでおり、1995年の震災にも遭遇した。関東で育ち、地震には慣れているつもりだったが、震度7の揺れは、それはもう半端なものではなかった。
今も寒くなると、あの日、聞いた地鳴り、その後に襲ってきた何かが爆発したかのような激しい揺れ、そして、ザザザ~という家屋が倒壊していく音と、さらに、その後に続いた長い長い静けさを思い出す。

 

それは人間の力ではどうすることもできないおそろしい力だった。私の周囲でも何人もの方が亡くなったが、お葬式に出る余裕もないままに、毎日が過ぎた。水をくみ、食べ物を確保するだけで精一杯だったのだ。

 

同じような思いをした人が多かったのだろう。その年、初めて行われたルミナリエは、まるでレクイエムのように私たちの心を照らし、慰め、そして、希望の灯火となった。
私も混雑の中、せっせとルミナリエに出かけた。そうしないと、震災で亡くなった方の霊を弔うことができないような気がしたからだ。

 

 

資金難を克服するために必要なLED

それにしても27年もルミナリエが続いたのは驚きだ。

 

実は、これまで何度も、今年で最後にしようという声があがっている。あまりの混雑を危険視する人もいたし、周辺の商業施設への影響もあった。観光化したイベントとなったことも問題になっていた。
いや、何よりも、資金が続かなくなっていたのだ。
あれだけ大がかりなイルミネーションで、町中を彩るためには、莫大な費用がかかる。それでも、今までどうにか続けてこれたのは、ルミナリエを続けたいという熱意が大きかったこともあろうが、現実的には、LEDの恩恵を受けたのだと思う。

 

神戸のルミナリエは2011年からLED球を使用するようになり、電力の消費量が減ったという。資金繰りの厳しさを克服するために、LEDへの変更はどうしても必要なものだったろう。今年、使用された電球の数は40万個。すべてLED球だ。

 

 

そもそもLEDとはなんだろう?

LEDとは何だろう。
LEDのひみつ』(谷豊・イラスト、オフィス・イディオム・イラスト/学研プラス・刊)を読むと、その謎が解けてくる。

LEDとは、英語のLight Emitting Diodoを略したもので、日本語でいえば「発光ダイオード」となる。
発光ダイオードは1960年代に発明されてはいたものの、最初は赤と緑しか実用化されなかった。青色の発光ダイオードは開発が難しく、困難を極めたのだ。しかし、とうとう3人の日本人研究者、赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏が、その開発と実用化に成功した。その功績によって、3人は2014年のノーベル物理学賞を受賞している。

 

赤・緑・青の光の三原色がそろったことで、LEDはすべての色を作れるようになった

(『LEDのひみつ』より抜粋)

 

色とりどりのルミナリエの光も、日本人研究者のおかげである。

 

 

日本人のあかりの歴史

日本人は今まで、どうやってあかりをともしてきたのだろう。歴史をたどっていくと、面白いことがわかる。

 

まずは、縄文時代から弥生時代は、たき火などをあかりとしてきた。次に、平安時代になると、皿の中に油を入れて火をともす「灯台」が使われた。さらに江戸時代になると、油やろうそくが広まって、「燭台」や「行灯」が用いられるようになった。
 
明治時代になると、石油ランプが家庭で使われるようになり、ガス灯も普及する。そして、明治時代には、白熱電球という画期的なあかりが登場し、やがて、蛍光灯もひろく使われるようになった。

 

 

LEDの登場

2000年代になると、消費電力が少なく、かつ長持ちするLEDが普及するようになった。都市を彩るイルミネーションや、様々に光の色を変化させる東京スカイツリーなどのライティング、そして、清水寺などライトアップなど、私たちの周囲はLEDによるあかりであふれている。
 
思えば、震災によってライフラインが切れ、ろうそくや懐中電灯のあかりだけで心細い夜を過ごした私たちが、その後、行われるようになった光の祭典ルミナリエに向かうのは当然のことだったろう。
 
あかりは私たちの不安を鎮め、毎日の生活を照らす夜の太陽のような存在だからだ。今年もルミナリエの輝きの下で、あかりが灯る街にいることを実感し、生きていることに感謝したいと思う。

 

【著書紹介】

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LEDのひみつ

著者:谷豊(イラスト)、オフィス・イディオム(イラスト)
出版社:学研プラス

LEDって聞いたことある? “次世代のあかり”ともいわれ、最近、私たちの身の回りで大活やくしているあかりだよ。どんなしくみのあかりで、どんなものに使われているの? ほかのあかりにくらべて何がちがうの? LEDのひみつがこの本でよくわかるよ!
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