本・書籍
2018/2/1 13:30

高さ5mの天井があれば自宅でキリンも飼える!?

父が転勤の多い営業マンだったので、私は小さな頃からあちこち住み歩いて育ちました。住んでいたのは、会社が用意してくれた社宅で、団地形式のものがほとんどでした。当然、動物を飼うことはできません。

 

一度だけ雑種の犬を拾い、可愛くてたまらずコロと名付けて、こっそり自転車置き場で飼ったことがあります。けれども、あっという間に周囲にばれて、新しい飼い主にひきとられていきました。コロと別れるときは悲しくてたまらず、しばらくはぼっ~としていました。

 

ですから、夫と息子の「動物を飼いたい」という願いをむげに断ることはできませんでした。

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山羊を飼いたい?

我が家はマンション暮らし。犬や猫の飼育は禁じられています。家の中で小型犬を飼うのもいけないのです。こっそりマルチーズを飼っているのが判明し、引っ越しを余儀なくされた人もいます。

 

だから、夫と息子に言ったのです。「かわいそうだけど、このマンションは駄目なのよ」。すると、二人は「駄目なのは犬や猫でしょ?」と、食い下がってきます。二人が飼いたいのは、犬や猫ではなく、山羊だというのです。山羊だと?犬や猫でも駄目なのに、山羊だと~!!

 

あきれてものも言えません。駄目に決まっているではありませんか。

 

 

恐怖のペットショップ

「そもそも、そんなもん、どこで売ってるのさ」。
やけくそになって聞いてみると、夫は「へへへ」と勝ち誇ったような顔をして、私をペットショップに連れていきました。

 

それは今、思い出しても唖然とする経験でした。本当に、山羊や牛や豚が売られていたからです。ほかにも、は虫類や大きなオウムや……。こんなもの飼ったら、世話が大変で、ペットにお仕えすることになりそうです。

 

「餌はどうするの? 餌は!」と、聞くと、「山羊の餌は紙だろ、当然」の答え…。紙…。確かに。えっ、でも違うような…。うろたえつつ、「誰が世話するの?」と、聞いても、「放牧しとけばいいよ。散歩もいらないよ。山羊だもの」そうなのでしょうか? 山羊は放っておいても育っていくのでしょうか?

 

幸い、ベランダで飼うにはやはり無理があるということになって、あきらめてくれたからいいものの、あのまま押し切られていたら、えらいことになったはずです。

 

 

コアラ、ペンギン、ゾウ、パンダ

たのしいキリンのかいかた』は、動物園でしか会えないようなライオン、キリン、ゴリラなどを家で飼うにはどうしたらいいかを教えてくれる本です。登場するのは、山羊どころではない大型動物ばかり、それも野生動物です。

 

もっとも、著者はこう述べてもいます。

 

この本では、野生どうぶつの かいかたを しょうかいして いますが、かう ことを すすめて いるのでは ありません。かいかたを とおして、どうぶつの ことを 知り、人間との ちがいを かんじて くれたらと 思います。

(『たのしいキリンのかいかた』より抜粋)

 

自宅で野生動物を飼うことはできなくても、もし飼ったら何が起こるのか、何が必要なのかを考えておくのは、大切なことでしょう。

 

 

意外な性質

取り上げられた動物は12種類。それぞれに動物の説明と飼い方のコツが書かれています。以下、その中の6つを取り上げ簡単にご紹介します。

 

1.ライオン 玄関で買うと番犬に。餌は1日7キロの生肉。群れで生活するため、意外と寂しがり屋さんとのこと。

2.コアラ 餌はユーカリの葉だけなので、飼うためには、ユーカリの栽培が必須

3.ダチョウ 針金やゴムなども食べてしまうので、片付けていかないといけない。時速60キロで走ることができるので、散歩はきびしそう

4.ゴリラ 寒さに弱く、しもやけもできやすい。見かけによらず、神経質なので繊細な飼育が必要

5.ジャイアントパンダ タケを食べて暮らす。可愛いけれど、猛獣であることを忘れずに

6.キリン 天井が5メートルはある家が必要。アフリカの動物なので、冬は暖房をかけていなくてはならない。なるべく外にも出して、日光浴させたい。

 

こ、これは大変です。

 

山羊を飼うと言われただけでめまいがした私ですから、上の6つの動物を飼育するとなったら、自分がどうなるかわかりません。どうしても、プロの技と占有の飼育環境が必要でしょう。

 

おまけに、寿命は人間より短く、だいたい20年から30年くらいだといいます。つまり、生まれてから死ぬまで、生涯を通じて責任を持つことになるわけです。看取りの問題も出てくるでしょう。動物との出会いはまさに一期一会。

 

私は動物園が好きでよく行きました。何事にも、「もし、自分だったら」と、考える癖がある私ですが、さすがに動物園で、もし、ライオンを飼ったら?と、思いを巡らすことはありませんでした。

 

これからは、動物園に行ったら、もしこれを飼ったら?と考えたいと思います。そして、見えないところで苦労に苦労を重ねている飼育係や、検疫をこなす方々にも思いをめぐらしたいと思います。

 

動物を飼育するとは、結局のところ動物を通して人間、そして自分自身を見るところなのかもしれません。

 

 

【著書紹介】

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たのしいキリンのかいかた

著者:田川秀樹(絵)、斉藤勝(監修)
出版社:学研プラス

普段は動物園でしか会えないキリンやゾウ、パンダ、ペンギン、コアラなどを家で飼えたら…。そんな夢をかなえてくれる絵本。飼い方を通して、それぞれの動物の寝姿や食べるものなどをはじめとした生態がわかります。

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