今年もインフルエンザが猛威をふるっているという。
寒い日が続いているし、いつかは私もかかるだろうと覚悟して暮らしているが、幸い、今のところ元気だ。毎日の生活は夜更かしも多く、健康的とは言えない。けれども、このままの調子が続くなら、インフルエンザにかからないまま春を迎えられそうだ。嬉しい。
インフルエンザにかからなくなった理由は?
私は喉が弱く、子供の頃からよく風邪をひいた。生まれたとき心臓に問題があると言われたとかで、両親は真綿でくるむように大事に大事に育ててくれた。小学校に入学してからもあまり丈夫とはいえず、インフルエンザにもしょっちゅうかかった。落第寸前の登校日数だった。面目ない。
大人になってからも、風邪ばかりひいていた。インフルエンザのあと食欲がもどらず、10キロほどやせたこともある。ところが、最近はインフルエンザはもちろんのこと、風邪さえあまりひかない。
「何か特別なサプリメントとかあるの? タフだよね~~」と、言われたこともある。
しかし、特に何もしていない。本当だ。
甘酒のおかげ?
一つ思い当たるのは、頻繁に甘酒を飲むことくらいだ。神戸は酒どころなので、地元の方から酒粕をいただく。最初は粕汁にしていたのだが、夫婦二人の暮らしである。そう何度も作るわけにもいかない。まして、夫は粕汁が好きではない。
そこで、酒粕を甘酒にして一人でがぶがぶ飲んでいる。ただ水に溶いて弱火で煮込むだけだから、毎日作っても苦にならない。有り難い。
甘酒には2種類あると知っていましたか?
好物といっていい甘酒なのに、その内容についてはよく知らない。ただ冷蔵庫に酒粕があるからせっせと飲んでいるだけだ。これではくださった方に申し訳ないと、『麹甘酒パワーレシピ』(石澤清美・著/学研プラス・刊)を読んでみた。そして、知った。甘酒には2種類あるということを…。
ひとつは、米(お粥)に麹を混ぜて保温し、米のでんぷんを糖化させたもの。酒と呼ばれてはいるもののアルコール分は入っていない。ふたつめは、酒粕を水や湯で溶きのばして、砂糖などで甘みをつけたもの。こちらはアルコール分が含まれていて、砂糖を加えていただく。
私は今まで酒粕から作るふたつめの甘酒のことしか知らなかった。
麹で作るひとつめの甘酒も、そんなに面倒な手順は必要ない。要領さえ覚えれば自宅で簡単に作れるという。アルコール分がないので、子供や高齢者にもいい。ドリンクとして飲むのはもちろんのこと、おかずやおやつにも活用できるという。酒粕がなくなったら試してみたいと思っている。まさにホームメイドの味がするのではないだろうか?
甘酒の効用
私はこれまで、ただ美味しいからという理由で甘酒を好んでいた。甘酒の効用など、たいして問題にしていなかった。たとえ身体に悪くても飲んだと思う。嗜好品とはそういうものだ。
けれども、『麹甘酒パワーレシピ』を読み、「甘酒がこれほど優れものだったとは!」と、びっくり仰天しているところだ。甘酒が即効性のあるエネルギー源だということも知らなかった。しかし、感じてはいた。甘酒を飲むと、元気をチャージされたような気持ちになるのだ。
私たちはご飯などから糖質を摂取している。それを体内で消化し、分解した後にブドウ糖として、それを小腸から吸収してエネルギー源とするという過程を経る。けれども、甘酒は麹の働きですでにブドウ糖になっているので、効率よく体内に吸収することができるのだそうだ。
なるほど~~。だからすぐに効き目を感じることができるのか!
甘酒は飲む点滴
他にも、甘酒には驚くべき力が秘められていることも知った。アミノ酸やビタミンB群、ミネラルなどの栄養が豊富で、吸収率も、な、なんと90パーセント以上。こんなサプリメントは他にはない。まさに日本が誇る優れた飲み物だといえよう。
甘酒が「飲む点滴」と言われるのも、こうした栄養価の高さと素早い吸収率ゆえだ。とくに暑い夏にはぴったりの飲み物で、夏バテを防ぐ栄養ドリンクとして他に代えがたい効能がある。私は今まで冬の間だけ甘酒を楽しんでいたが、今年は夏も飲んでみたい。
疲労回復に役立ち、便秘も予防し、肌を美しくする効用もあるという。ビタミンB群が豊富で、オリゴ糖も多く、美肌にきくビオチンというビタミンも含まれているからだ。それだけではない。腸内環境を整え、ダイエットのサポートにもなり、生活習慣病の予防にもなる。
おしいレシピが満載
『麹甘酒パワーレシピ』に掲載されているのは、手軽にできるドリンク類だけではない。リゾットや雑炊、肉料理の数々から、おやつにいたるまで、豊富なレシピが満載だ。私はほとんど知らない料理ばかり…。もったいないことをした。
早速、レシピにあった「甘酒ココナッツミルク汁粉」を作ってみた。レシピは以下の通り。
1)白玉粉50グラムに水大さじ3杯を少しずつ加え、なめらかにこね、小さくまるめて熱湯でゆでる。
2)小鍋にココナッツミルク150グラムと甘酒200グラムを入れて、混ぜながら温め、器に注ぎ入れて1の白玉団子を加える。
心も体もほっこりします
次は甘酒入りの卵焼きや豚肉の甘酒生姜焼きも作ってみたいと張り切っていたら、なんだか背中がぞくぞくする。ここのところ忙しかったので、風邪をひいたのだろうか? あわてて、甘酒にショウガをたっぷり入れて丼ごと飲んだ。効いたような気がする。気のせいだと言われればそれまでだが、病は気からとも言うではないか!
心と体をほっこりさせる甘酒レシピを活用して、毎日を幸福に、美味しく、そして健康に送りたい。
【著書紹介】
麹甘酒パワーレシピ
著者:石澤清美
出版社:学研プラス
麹と米で作る昔ながらの甘酒は、美容や健康に有用な栄養が満載で、かつては夏バテ予防に飲まれていたほど。鍋で手軽に甘酒を作る方法や、手作り品、市販品を使って、毎日味わいたいドリンク・スムージー、甘酒効果でぐっとおいしくなる料理などを紹介する。