4月に入り、暖かくなってきた。例年ならば、たいていこのくらいの時期に、カメラ片手に花や風景などの写真を撮りにでかけているのだが、今年はなんだか忙しく、プライベートで写真を撮っている時間があまりない。
春の被写体といえば、やはり「花」だろう。桜や菜の花などを見ると、ついつい写真を撮りたくなってしまう。
花の写真のポイントは2つ
写真には、構図や光の加減、露出、色などのさまざまな要素が絡んでくるが、花の写真の場合とても気になるのが、やはり「色」だ。
目の前で美しく咲いている花を、できるだけそのままの印象で残しておきたい。そう思って撮影するのだが、どうしてもカメラの設定に引っ張られて、ちょっと自分が思っているのと違う感じになってしまう。そんな風に思っている人は多いかもしれない。
そこで、『CAPA 4月号』(学研プラス・刊)に「極上の花風景」という特集があったので読んでみた。花の撮影に役立つレンズ選びやフィルターワークなどについて解説されているが、ほほうと思ったのが、色に関するカメラの設定の部分だ。ポイントは2つ。「コントラスト」と「ホワイトバランス」だ。
「コントラスト」の設定で鮮やかながらも落ち着いた色味に
カメラの設定に「スタンダード」や「風景」といった仕上がり設定がある。花を撮るときは色鮮やかにしたいため、「風景」を選ぶことが多いかもしれない。しかし、それでは花本来の色味や階調が失われてしまう可能性がある。特に赤系の色は飽和しやすい。
だからといって「スタンダード」では物足りない。そういうときには「コントラスト」の設定を見直してみるといいようだ。
コントラストや彩度を少し下げるなど、オリジナル設定を作ってカメラに登録しておけば、より自分好みの作風に仕上げられる。仕上がり設定で色味を変えることは好ましくないが、コントラストを変えるだけでも色の印象は大きく変わるので、とことんこだわりたいポイントである。
(『CAPA 4月号』より引用)
仕上がり設定を「風景」にすると、若干色が派手目になる。そこでコントラストを下げることで、発色を若干抑えめにすることができるということだ。どうしても色の設定ばかり気になってしまうが、実はコントラストの設定が重要なようだ。
「ホワイトバランス」で花の持つ色を引き出す
もうひとつが「ホワイトバランス」だ。通常はカメラにお任せの「オート」にしておけばいいと思いがちだが、どうもそうではないようだ。
太陽の下で撮影する限り「太陽光」を基本としたい。晴れていても、曇りや雨でも現場の光を反映した花色を引き出すことができる。
(『CAPA 4月号』より引用)
ホワイトバランスをオートに設定すると、カメラが適切と思われるホワイトバ ランスに調整してしまうため、その場の印象とは違う色になってしまうことがある。それを避けるために、屋外では常に「太陽光」に固定。そうすることで、実際に見た色に近い色が再現できるというわけだ。
なお、その場合に緑かぶりが発生することがある。そのときにはオートを試してみるといい結果になることがあるという。
「カメラにお任せ」からの脱却で写真がさらにおもしろくなる
最近のデジタルカメラは優秀。それほど気にしなければ、カメラにお任せできれいな写真が撮れる。
しかし、それではほんとうの写真のおもしろさ、カメラのおもしろさには気付かないかもしれない。カメラに搭載されたたくさんの機能を全部使いこなす必要はないが、今回紹介したような、「コントラスト」や「ホワイトバランス」などの設定を覚えておけば、今までよりもワンランク上の撮影ができるようになるだろう。
さあ、週末はカメラを持って、お出かけしませんか?
【書籍紹介】
CAPA 2018年4月号
著者:CAPA編集部
発行:学研プラス
デジタル一眼カメラや交換レンズ、周辺機材の最新情報が満載。豊富な作例とわかりやすいハード記事で、多くの一眼カメラファンの支持を集める。撮影テクニック記事やプロ写真家の作品紹介、充実したフォトコンテスト記事も人気。