たとえば、日本上陸したばかりのグルメバーガーか老舗有名店の天丼か。PS4かニンテンドースイッチか。Apple WatchかG-SHOCKの上級モデルか。そして国産車か輸入車か。あるいはイタリア車かフランス車か。
お昼のメニューから車まで、人生は大小の選択の連続。迷って迷って、どうしようもない時にどうするか? 特に大きな買い物をする時は “どちらか”ではなく、“どちらも”というチョイスがあったら最高だ。
イケナイ妄想ほど楽しいことはない
『ル・ボラン 2018年5月号』(ル・ボラン編集部・編/学研プラス・刊)で「いま、クルマ2台持ちならどんなペア!?」というなんとも贅沢なシミュレーションに関する特集記事が組まれている。車を2台持つという暮らし方はなかなか想像できない。でも、それをできるだけリアルに展開してしまおうというのが主旨。10人のクルマ好きによって、それぞれの“8ホイールライフ”が綴られる。
クルマってのは不思議なもので、たとえ夢に見た1台を手に入れたとしても、「もう1台買うなら……」とイケナイ妄想をしてしまう。そしてこの浮つきが、何より楽しいことをクルマ好きたちは心得ている。今回は10人の執筆陣が2台持ちを妄想。その超真剣な回答をご覧あれ。
『ル・ボラン 2018年5月号』より引用
専門誌の執筆陣が繰り広げる妄想は上質で、説得力があるに違いない。ざっと見ただけでもワクワクし、うなってしまう組み合わせばかり。
対極のスーパーカーライフ
まずは清水和夫さんのケース。ルノーTWINGO GTとマクラーレン720S。テーマは「対極のスーパーカーライフ 日常と非日常の絶妙な距離感」。その心は、「720Sはサーキットで全開走行、トゥインゴは日々の走りを堪能したい」ということになる。
この2台、外見からしてまったく違う。全身筋肉のような720Sと、いかにも接しやすそうなトゥインゴのカップリングは、完全にしっくりくる。トップを飾るだけあって、説得力十分だ。
ウィークデーは使い勝手のよいトゥインゴで通勤や買い物、そしてお迎えなんかをてきぱきこなし、ウィークエンドは720Sで遠出してドライブを楽しみ、かつサーキットで攻めの走りを極める。こういう8ホイールライフが楽しくないはずがない。
贅沢なツートップ
清水さんのテーマが対極なら、石井昌道さんのそれは並列。BMW M5とロータスELISEの組み合わせは、ドイツ・イギリス両国の往年の名フットボーラーでたとえるならクローゼとオーウェンという感じだろうか。
背が高くてヘディングが強く足元もうまいクローゼと、石井さんの表現をそのまま借りれば“万能な「羊の皮を被った狼」”であるM5。そして、点を取るために生まれてきたようなオーウェンと走るために作られたELISE。石井さんは語る。「M5を軸に据えておけば、もう1台はプリミティブなスポーツカーという選択肢がとれる」
車の原点である走りという機能を考えれば、これ以上贅沢で華麗なツートップはないだろう。